「先進医療」はいらない!? 衝撃のデータ
先進医療のために「がん保険」に入っている方も多いかもしれません。しかし、これも結論からいえば、不要です。なぜなら、先進医療とは「最先端の医療」ではなく、効果があるか検証中の医療であり、しかも、受けられる機会も極めて少ないからです。
たとえば、がんの先進医療のほとんどを占めているのが「粒子線治療」(「陽子線治療」「重粒子線治療」)です。しかし、粒子線治療の方が普通の放射線治療よりも優れているとする研究成果は、今のところ世界的に見てもあまり出ていません。
治療を受けられる機会も少なく、中央社会保険医療協議会「令和4年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」によると、2021年7月1日~2022年6月30日の1年間において粒子線治療を受けた患者は、全国で1,855人にすぎません(陽子線治療1,293人、重粒子線治療562人)。2023年11月1日現在の日本の総人口は約1億2,431万人なので、国民6万7,000人に1人です。
また、がんの部位や本人の状態によって受けられない場合も多いのです。筆者の父も直腸がんになりましたが、医者から粒子線治療は受けられないと断られました。胃や大腸など不規則に動く臓器では使えないとのことです。
このように、効果が検証されているわけでもなく、受ける機会も少なく、受けられる条件も限られている先進医療に備えるために、がん保険に加入することは、おすすめしません。
民間保険は、社員の給料や代理店への手数料、家賃、テレビCM代など多額の費用がかかります。特にCMは数十億かかりますから、CMを出しまくっている保険会社はかなり資金の余裕があるということです。
そもそも株式会社は株主のために存在しているので、あなたが払った保険料は、最終的には株主の利益になります。なので、お金持ちは保険に入るのではなく保険会社の株を買っている、という見解を示す方もいます。
もちろん、保険で得をする人がいるというのは事実です。しかし、保険は「不幸の宝くじ」と呼ばれています。理由は、保険の期待値が、宝くじの1等~7等のいずれかに当せんする期待値と同じ50%程度だからです。
すべての保険が不要だというわけではありません。扶養している家族がいる場合、万が一、自分が亡くなった場合に備え、必要最低限の掛け捨ての死亡保険(定期保険)に入っておくことは必要です。
しかし、保険料の平均総支払額は世帯で1,200万円というデータもあります。1,200万円で宝くじを買いますか? 保険で得したから入った方がいいと言う人は、「宝くじが当たったからみんな買った方がいいよ〜」と言っているのと同じです。
お金を払って「先進医療」の実験台にならなくていいのです。もしもの時のためには宝くじを買うのではなく、現金100〜300万円を貯めておきましょう。不幸の宝くじより、「安心の現金」です。
ミニマリストゆみにゃん
ファイナンシャルプランナー
YouTuber