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第2四半期の減速と、6~7月の好調ぶりはどちらが真実の姿か?
2023年9月28日に発表されたアメリカ政府統計によると、第2四半期の個人消費は年率0.8%増となり、商務省が予想していた2.1%増から大幅に減速しました。米国経済最大の原動力であり、インフレがはじまって以降も堅調な伸びを見せていた個人消費に陰りが見え始めました。
23年第1四半期には年率4.2%増と好調だった個人消費が急速に衰えた主な要因は、いまだハイペースな物価上昇に対し賃金上昇が追い付かなくなったことだと考えられています。パンデミック後の労働力不足により急上昇した賃金水準ですが、長らく続いた金利上昇により労働市場は冷え込み始めているという指摘もあります。雇用と賃金の伸びが鈍化したことで、家計の余裕もなくなり、消費が減速しているというわけです。
一方で、単月のデータを見ると直近の個人消費は6月に前月比0.6%増、7月に0.8%増と高い成長率を記録しています。このことからSNS上では、個人消費の減速は一時的なもので過剰反応すべきではないという意見も散見されます。
格付会社は、個人消費がさらに減速すると予想
しかし、経済専門家らは、第2四半期の傾向こそが正しい現状を写していると考えているようです。
格付会社のムーディーズは、個人消費は今後数カ月でさらに減速すると予想するレポートを発表。信用戦略・調査担当バイスプレジデント、クレア・リー氏は「パンデミック後、延期されていた旅行や体験への支出が増加した。しかし、サービス産業を中心にインフレが高止まりしているため、予算の引き締めにより消費者がサービス支出を削減する可能性がある」とコメント。
同じく格付け会社のフィッチ・レーティングスも、24年上半期には米国の個人消費が急速に落ち込むだろうとの予想を発表。同社は予想の根拠として、上記の労働市場の冷え込みに加え、パンデミック中の家計支援によって一時的に増えた貯蓄がすでに枯渇したこと、学生ローン支払い再開による家計負担増なども挙げています。