共働き世帯が増えるなかでは、子供に鍵を預けることによる、鍵の紛失・締め忘れリスクはどうしても高まります。また、高齢化が進むことで認知症患者が増加することもあり、認知症に罹患した家族の徘徊対策も重要な課題です。これらの課題は、家の防犯対策の最前線である「玄関の鍵」を「スマートロック」に変えることで、解決するかもしれません。今回は、家庭における防犯の実態とスマートロックの最新技術についてみていきましょう。
子供から高齢者まで、家族の安全を最大化!「最新スマートロック」が守る、家の防犯対策最前線 (※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

巷で人気の「スマートロック」とは?

忙しい朝、「鍵ないよ! どこいった?」と焦ったり、「あれ? 鍵かけたっけ?」とせっかく家を出たのに戻ったり…。日常生活のなかでこのようなことはありませんか? 何度かこういった経験があると、積み重なったストレスが負担となることもあります。また、共働き世帯が増えるなか、家を留守にする時間も長くなり、不安を感じることもあるでしょう。

 

そんなストレスや不安を解消できる一手に「スマートロック」があります。スマートロックとは、スマートフォンやタブレットに専用のアプリをインストールし、このアプリからドアの施錠・開錠を管理するシステムです。自宅やオフィスなどのシーンですでに広く使われています。

 

とても便利そうなシステムですが、「どうせ高いのでは?」「本当に安全なの?」と不安を感じる人もいるかもしれません。そこで、スマートロックの詳細と昨今の防犯事情についてみていきます。

住まいにおける侵入窃盗の現状

スマートロックの導入は防犯に役立ちますが、住まいでの侵入窃盗の現状はどのような状況でしょうか。警察庁の統計によると、ホームセキュリティ等の充実で侵入窃盗の認知件数は年々減少しています。しかしながら、令和4年では3万6,588件の侵入窃盗が発生しており、そのうちの約半数近く(45.1%)が、住宅(一戸建て住宅・共同住宅)で発生しているものとなっています。

 

※警察庁住まいる防犯110番HPより引用
[図表1]侵入窃盗の発生場所別認知件数警察庁住まいる防犯110番HPより引用

 

また、侵入手口のトップ3は次のようになっており、ほかにもピッキングやサムターン回しといった手口もあります。

 

※警察庁住まいる防犯110番HPより引用
[図表2]侵入手口のトップ3警察庁住まいる防犯110番HPより引用

 

どの住宅もトップは「無締り」となっていて、「鍵をかける」といった毎日の基本的な動作が非常に重要であることがわかります。

多機能スマートロックで侵入窃盗リスクを大幅に軽減

スマートロックには、オートロック機能が一般的に搭載されていますので、ドアが閉まれば自動的に施錠することができるようになっています。そのため、鍵のかけ忘れの心配がありません。

 

「合鍵」も家族が多くなると、紛失等のリスクが大きくなります。ですが、スマートロックはスマホ等のデバイスで管理できますので、わざわざ鍵を作る必要もありません。また、キーパッドによる暗証番号入力や指紋認証の機能を持つものもありますので、こういった機能を利用すれば、スマホを持たないお子さんのいるご家庭でも利用することが可能です。

 

さらに、親戚や友人等と家で待ち合わせをすることもあると思います。もし自分の帰宅が遅れてしまった場合、大事なお客様を家の前で待たせるわけにもいきませんよね。そんな場合も外出先からスマホで開錠することはもちろん、お客様にワンタイムパスワードを発行することで、お客様自身に開錠してもらうことも可能となります。

 

そしてスマートロックは鍵穴自体を塞いでしまうことができますし、スマホ等で外出先でも施錠や開錠の履歴状況を確認することができるため、万が一、サムターン回しやピッキングといった不法侵入があったとしても気が付きやすくなっています。泥棒もスマートロックを見るだけで手を出さずにあきらめてしまうでしょう。

 

また、スマートロックにはハンズフリーの機能が付いているものもありますので、スマホをバッグやポケットに入れておけば、ドアに近づくだけで自動的に開錠することができます。鍵やカードキーを探したり取り出したりする必要がありませんので、「お子さんを抱っこしている」「買い物や荷物で両手がふさがっている」といった場合も非常に便利です。