NISAやiDeCoなどが広まったことで「投資」という言葉を耳にする機会が増えました。しかし、投資にはリスクが伴うため、不安を抱く人も多いのではないでしょうか。そこで本連載では、投資アドバイザーの若林史江氏による著書『証券口座の開き方から教えます! 投資の学校1年生1学期』(宝島社)から、投資の初心者が知っておくべき「基礎知識」について、一部抜粋して紹介します。
【金(ゴールド)が値上がりする4つの要因】やはりハイリスクな金融商品である理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

純金の投資って難しくないですか?

◆金の購入方法は主に4つ

金の購入方法は、[図表2]に示したように大まかに4つあります。

 

[図表2]金(ゴールド)の購入方法

 

直接貴金属店で金を買う方法、金地金(きんじがね)を購入する方法、金ETFを購入する方法、そして純金つみたてです。

 

金に投資しようといっても、そもそも金の値段が一体いくらくらいなのか、すぐに答えられる人は少ないはずです。2023年4月末の時点で、大手貴金属販売会社が提示している18金の金の税込み小売価格は、およそ1グラム=7,000円程度になっています。

 

最低5グラムから買えるので、手数料を入れても3万5,000円前後から金を買うことができるということです。

 

5グラムの金というと、肉眼で見るとほんのわずかではありますが、もっと高いと思っていた人も多いのではないでしょうか。

 

◆好景気でも不景気でも金価格は上昇

富や大金持ちの象徴としてよく登場するのが「金の延べ棒」です。投資の世界では、この延べ棒を「金地金」とか「ゴールドバー」「インゴット」と呼び、現物の金を買うときはこの金地金を買うことになります。

 

1グラム7,000円の地金の延べ棒1キログラムの値段はその1000倍なので、700万円! 死ぬまでに1本ぐらいは持ってみたいものですね。

 

金はお金や株券のように「紙切れ」になることがなく、それ自体に価値があるのが特徴です。

 

そのため、金の価格が上昇するのは、極論すると「ライバルであるお金や株券に紙くず化するリスクが高まったとき」です。

 

金が値上がりする要因は次の4つです。

 

【金が値上がりする4つの要因】

・世界的に経済危機や金融不安が高まったとき

・戦争やテロ、政情不安が起こったとき

・インフレ=物価上昇が起こって、ものの値段が値上がりするとき

・好景気になって資源価格が上昇するとき

 

株は景気がいいときに上がり景気が悪いと下がるのが基本的なしくみです。反対に米国債などの信用力が高い債券は、景気がいいときは下がり、不景気になると値上がりします。

 

金の価格は、景気が過熱して、ものに対する需要が高まり、相対的に紙のお金の価値が下がると上昇しやすくなります。また、不景気というか世界中がパニックになるような経済危機や政治不安のときにも値上がりします。

 

ただし、金にも弱点はあります。

 

株は配当、債券は利息という形で保有している限りは毎年定期収入を得ることができます。

 

それに対して金には利子も配当もありません。つまり保有していても値上がり益以外は望めないのです。

 

世界的に平和で穏やかな経済状況が続いているときは、あまり魅力のない金融商品といえます。平和なほうがいいのはいいのですが……。

 

また、金というのは、金融商品のジャンルでは商品コモディティに属しています。

 

金のほかには原油や鉄鉱石といった鉱物資源、銀やプラチナといった貴金属、大豆や、トウモロコシといった農産物がコモディティ市場で取引されています。

 

コモディティ市場の値動きは、株などに比べても激しく暴騰や暴落を繰り返します。金の価格は比較的穏やかなほうですが、やはりハイリスクな金融商品であることは理解したうえで投資しましょう。

 

 

若林 史江

株式評論家