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フィッチ、フレディマックとファニーメイの格下げ可能性を示唆
S&P、ムーディーズと並ぶ三大格付け会社の1つであるフィッチ・レーティングスが、フレディマックとファニーメイの信用格付けを格下げを視野に入れた監視対象に設定したことを明らかにしました。
フレディマック(連邦住宅金融抵当公庫)とファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)はいずれもGSEs(Government-Sponsored Enterprises:政府支援企業)で、アメリカの住宅ローン・システムの安定化に寄与しています。彼らは、銀行や金融機関から住宅ローンの債券を買い取り、証券化(パススルー証券)して投資家に販売することを主な業務としています。債権を買い取ってもらうことで、銀行や金融機関は新たな借り手へとローンを提供できるようになり、借り入れと住宅市場が活性化されます。
政府の後ろ盾がある2社は従来、高い格付けをキープしてきました。フィッチによる格付けも長期でAAA、短期でF1+と、いずれも最高位に位置します。ではなぜ、そんな2社に格下げの可能性が出てきたのでしょうか? その要因は政府支援です。
リスク要因はデフォルトによる政府の信用低下
米政府から支援を受けているという事実は、これまではむしろ高い信用の根拠でした。米ドルは現在最も信用力が高い通貨で、中央政府の発行する債券・債務の信用力を格付けするソブリン格付けでも最高位にあります。
しかし、現在まさに進行しているデフォルトリスクが、その信用に陰を落としているのです。債務上限引き上げの合意が得られなかった場合、米国債の利払いに遅れが生じます。この場合、ソブリン格付けは下がらざるを得ません。これは、米政府そのものの信用力低下に他ならないため、その支援を受けるGSEsの格付けも玉突きで低下する恐れがあるのです。
この発表以後、住宅ローン金利は上昇傾向が強まりました。国債利回り上昇局面では住宅ローン金利も上昇するため、どこまでが格下げ懸念によるものなのかは正確に判断できませんが、投資家たちが困惑しているのは間違いないでしょう。
5月11日にZillowが発表した分析では、デフォルトが現実になった場合、住宅ローン金利が8%、住宅購入コストが22%上昇するという見立てです。住宅市場にも多大なる影響を与えるデフォルト問題。どうせ大丈夫と高をくくらず、情報収集に努めたいものです。