昨今、ビジネスシーンに向けたさまざまなマッチングサービスが普及しつつあります。なかでも「WOOD DREAM DECK」は「木」をテーマにしたプロジェクトを数多く立ち上げており、注目を集めています。今回は、新たなビジネスモデルの創造に繋がる可能性を秘めた「木」とWeb3(※1)の意外な関係性について解説します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
「ニッポンの木」の価値がWeb3で蘇る!?「木の願い」を叶えるコミュニティー (※写真はイメージです/PIXTA)

マッチングサービスの新しい潮流

昨今はビジネスシーンに向けたさまざまなマッチングサービスが提供されています。たとえば「資金調達したいスタートアップ企業」と「投資家」、「新規プロジェクト」と「コンテンツ制作業務を行うクリエイター」の組み合わせです。互いのニーズに合致したマッチングの機会をもつことができます。

 

また、最近はソーシャルグッドな分野へのサービス展開へ拡大しています。社会問題の解決を目指すプロジェクトを実現するために必要な、寄付やボランティア作業への協力者を集めることができます。

 

プロジェクトの達成を目的とするマッチングサービスは、企画者側はプロジェクト内容、協力者側はスキル、経験などを詳細に登録するため、最適な人材をアプリやWEBサイトを通じて見つけることができます。あらゆる場所から、プロジェクトの成功につながる人材や資金を効率的に確保できるため重宝されています。

 

こうした流れのなか、特定性の高いテーマをもつプロジェクトにアクセスできるユニークなマッチングサービスもあります。

 

たとえば、「サウナ小屋を建てたい」「オリジナルの家具をDIYしたい」など「木材をつかってしたいこと」がある人と、その希望を叶えるために必要な企業や個人、家具職人、林業関係者などをマッチングする「WOOD DREAM DECK」です。

 

ではなぜ今、テクノロジーを使って「木」をテーマに新しいプロジェクトを立ち上げる必要があるのでしょうか。その背景には、興味深い日本の実態が見えてきます。

 

(※1)Web3、もしくはWeb3.0とは、主にブロックチェーン技術によって実現される分散型ネットワークを指します。インターネット創成期のWeb1.0、現在のWeb2.0に続く新しい時代という意味で、Web3、もしくはWeb3.0と呼ばれています。

実は切ったほうが良い?「ニッポンの木」

「森の木を切ってはいけない」、大半の人はそう思うかもしれません。「森林伐採」と言うと「人間の都合でジャングルが切り拓かれ、人工的に整備された平地にされてしまう…」そんなマイナスのイメージをもつ人もいるかもしれません。

 

一方で、日本の森林の実態は大きく異なります。日本の国土のおよそ7割は森林ですが、意外なことにその面積は、ここ50年間でほとんど変化がありません。

 

それどころか、木々は成長をつづけ、森林自体の体積は増加傾向にあります。そのスピードは、たとえ国内の木材だけで毎年200万棟以上の家を建てても、森林の体積はさほど変わらないほどです。