昨今、ビジネスシーンに向けたさまざまなマッチングサービスが普及しつつあります。なかでも「WOOD DREAM DECK」は「木」をテーマにしたプロジェクトを数多く立ち上げており、注目を集めています。今回は、新たなビジネスモデルの創造に繋がる可能性を秘めた「木」とWeb3(※1)の意外な関係性について解説します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
「ニッポンの木」の価値がWeb3で蘇る!?「木の願い」を叶えるコミュニティー (※写真はイメージです/PIXTA)

「ニッポンの木」×ITテクノロジーが拓く未来

ところで、環境問題の対策アクションと聞くと「我慢しなければいけない」とか「やらなきゃいけない」といった「ストイックなアプローチ」という印象をもたれやすいかもしれません。

 

「しなくてはいけないこと」ではなく「したいこと」から考え、それを「地域の木を使って叶える」という環境保全・地域再生につながるモデルを構築することが非常に重要です。日本の森林が抱える環境問題にポジティブに向き合えるプラットフォームとして、マッチングプログラム「WOOD DREAM DECK」は注目を集めています。

 

web3技術を活用して次の3つの観点で新たな仕組みづくりを促進しています。

 

「木を使ってしたいこと」をみんなで叶える文化づくり

前述のとおり「WOOD DREAM DECK」の基本的な機能は、オンラインのコミュニティーをベースとした、「木を使ってしたいこと」がある人と、山主や製材業者、木工職人などの森林・木材関係者や、それに共感してお金やアイデアを出したり、現場などの手伝いをしたりするサポーターのマッチングです。

 

オンライン上のコミュニティーを活用する最大のメリットは、これまで製品を買う消費者だった人のなかから、プロジェクトを活性化する特別なモノ(製品)やコト(サービスや仕組み)を生み出すクリエイターを発掘できることです。「木を使ってしたいこと」をみんなで叶える仕組みを、文化として地域に根付かせていくことを実現します。

 

ファンベースコミュニティーのイメージ(したいこと例:サウナ小屋を建てたい)
ファンベースコミュニティーのイメージ(したいこと例:サウナ小屋を建てたい)

 

 

森林関連共通の分散型web3を活用したトークンで森林コミュニティーを活性化

森林活用の裾野は広く、木材利用以外にも多岐に渡ります。近年は、森林そのものをレジャーや教育・ヘルスケアなどに利用する動きが注目を浴びています。

 

一方。森林保全の分野では植林や間伐などの体験会、獣害対策としてジビエ料理の紹介など、山主にとってすぐ役立てることのできるスキルや情報をレクチャーする活動が行われています。

 

ですがこうした活動は縦割りになっている場合も多く、各活動を縦横無尽に横断できる人の流れをつくることが課題でした。

 

解決策の一つに、Web3を活用したトークンの流通があります。なぜ、トークンが有効なのでしょうか? 仕組みはこうです。トークンを発行し流通させることでインセンティブ(動機、刺激)を与えることができ、地域内外のさまざまな人たちが森林関連の活動に参加するきっかけになります。

 

結果、コミュニティーの活性化に繋がります。トークンは「領域を超えた価値交換を叶えるツール」として重宝されています。