「推し」という言葉が広く認知され、推しのためにお金や時間を割く行為は「推し活」と呼ばれるようになりました。推し活の代表例であるグッズ購入ですが、なかでもアイドルグッズは「NFTアート様式」を取り入れることで画期的な進化を遂げようとしています。今回は、「NFT」がアイドルグッズにもたらすメリットと、「推し活」の今後の展望ついて解説します。※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。
変わる「推し活」…NFTアートグッズで“推し”がもっと身近に (※写真はイメージです/PIXTA)

NFTが推し活の透明性を高める?

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

推し活の中で重要な位置を占めるグッズ群は、アイドルやアニメキャラクターなどにとって、重要な収入源。特にCDが売れなくなった昨今、音楽活動に重点を置くプレイヤーたちの資金は、ライブチケットやグッズの売れ行きで大きく変動します。

 

しかしそれらの二次販売で多額の利益を得る人は跡を絶ちません。ネットオークション上では売り切れチケットから限定グッズまでが高値で取引されていますが、プレイヤーに差額の利益が還元されることはないのです。

 

代替不可能なデジタルデータであるNFTは、ブロックチェーン上での二次取引が可能。

 

しかし「二次販売された場合、オリジネイターに販売価格の〇%が還元される」という条件を、あらかじめデータへ書き込むことが可能となっています。明朗な経路を持つブロックチェーン上での二次取得であれば、ロイヤリティの高いファンも後ろめたさを感じずに済むのです。

あの大物がプロデュース!NFTがアイドルの活躍領域を拡大

ここまでの内容を一読し、NFTがアイドルグッズとして活用される中で、新たな市民権を得ていく可能性が高いと感じた人も多いでしょう。

 

さらに日本で現在、斬新なプロジェクトが進行中なのをご存じでしょうか? その名は「IDOL3.0 PROJECT」。何やら「Web3.0」と親和性の高そうな名称ですが、リアルとバーチャルを行き来する新アイドルグループ発足のプロジェクトです。2023年秋の活動開始が予定されています。

 

具体的な内容としては、ライブや握手会などのリアル活動と、メタバース上などのバーチャル活動の両軸展開が掲げられています。活動領域の世界的拡大、ファンとの相互コミュニケーション活性化がその目標なのだとか。そして総合プロデューサーには、秋元康氏が任命されています。

 

またプロジェクト開始に伴い、NIDT(Nippon Idol Token)なる新たな暗号資産の発行準備も進められているというのだから驚きを隠せません。活動が軌道に乗った暁には推し活に欠かせない暗号資産となりますから、早々に金融庁のホワイトリスト入りする可能性も。

※ 改正資金決済法に従って金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者(国内取引所)で取り扱っている暗号資産のこと

 

2020年代の中盤に向け、時代の先端を走り始めたアイドル業界からますます目を離せなくなりそうです。

 

 

西本 不律

東京都出身。雑誌編集部、編集プロダクション、IT企業クリエイティヴを経たのち、フリーランスライターとして活動中。