VR(仮想現実)やAR(拡張現実)に、それらを組み合わせたXR(クロスリアリティ)といった言葉を耳にする機会が増えました。
VRは「Virtual Reality (=仮想現実)」の略で、仮想世界を現実世界のように体験できる技術のことです。
仮想世界にはゲームやメタバースのように全く架空の世界もあれば、これから紹介する美術館や博物館を再現したもののように、現実の世界を写真や3DCG(=3 Dimensional Computer Graphics、3次元空間でのコンピュータグラフィックスの略)で再現したものもあります。
例えば、GoogleMapのストリートビューも広い意味でVRの一種と言えます。ARとは「Augmented Reality(=拡張現実)」の略で、現実世界にCGなどの画像や映像を重ねて表示させる技術のことで、スマホ向けゲームの「Pokemon Go」が有名でしょう。
このようにVRやARはゲームやライブといったエンタメから、医療やデザインなどのビジネス領域まで、すでに幅広く浸透しています。
VR・AR技術によって自宅にいながらの美術館巡りが可能に?
美術館や博物館も例外ではありません。例えば、VR技術を使うことで自宅にいながらにしてスマホやPCの画面越しに館内を見て回れる、そんなサービスを提供している美術館や博物館はすでに数多くあります。スマホを片手にソファに寝転びながら、いつでもどこでも美術館めぐりができるというわけです。
AR技術は、目の前の作品にさらに情報を追加したり、インタラクティブな体験を付け加えたり、あるいは目の前に作品があるかのように仮想的に表示したりといった使われ方をします。
例えば、実際に美術館や博物館に足を運んだとき、位置に合わせて自動的に展示物の解説が流れたり、展示物にスマホをかざしたとき、その画面にAR技術で詳しい説明を表示したりといった活用が進んでいます。
また、歴史的な建造物や恐竜の化石なら、そこにありし日の姿を再現したCGを重ねたりすることで、鑑賞をより豊かな体験にしてくれます。こうしたAR技術の活用は商業施設の案内やテーマパークのアトラクションなどでも用いられていて、今後ますます増えるでしょう。