株式投資で「勝ち続ける人」と「そうでない人」の決定的な差【投資のプロが解説】

Sponsored
株式会社クレディセゾン
クレディセゾン
山下 耕太郎
株式投資で「勝ち続ける人」と「そうでない人」の決定的な差【投資のプロが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資で「勝ちやすい人」と「負けやすい人」には、どのような違いがあるのでしょうか? 投資歴20年以上、金融・投資ライターの山下耕太郎氏が解説します。

株式投資とは?

企業が活動資金を調達する方法のひとつが、株式の発行です。そして、株式を購入する(会社に資金を提供する)「株主」は、発行する会社の出資者(オーナー)の一員となります。株主は、会社に対する出資の見返りとして、株主総会での議決権、配当金や株主優待を受ける権利などを得られるのです。

 

株式投資の利益には、大きく分けて3つあります。「株価の上昇」「配当」「株主優待」です。株式投資の最大のメリットは、購入した株式の株価が上昇したときに得られる「キャピタルゲイン」ですが、これだけではありません。株を買うことで、その株の持主は「株主」になります。株主は会社の出資者になるだけではありません。株主は経営者の一員でもあり、株を持っている限り、配当や株主優待なの権利を得ることができるのです。

株式投資で「勝ちやすい人」の特徴

では、株式投資で「勝ちやすい人」とはどのような投資家でしょうか? 下記5つを解説します。

 

①投資スタイルをきちんと定めている

②マインドフルネスで「今」に集中する

③お金に執着しない

④常にマーケットを研究する

⑤人と逆のことをする

 

【①投資スタイルをきちんと定めている】

株式投資の利益には、値上がり益を狙う「キャピタルゲイン」と、配当や株主優待などの「インカムゲイン」があります。また、1日で取引を完結させる「デイトレード」、数日から数週間ポジションを持つ「スイングトレード」、数年から数十年ポジションを持つ「長期投資」など、さまざまな投資スタイルがあります。

 

どのような取引手法でもいいのですが、株式投資で勝つためには、投資スタイルを一貫させることが大切です。投資スタイルを貫くことで勝率が上がります。

 

株式投資では、「こうすれば儲かるかもしれない」という誘惑が常にあります。誘惑に負けて投資スタイルが揺らいでしまうと、負ける可能性は高くなってしまうのです。

 

もちろん、大きな損失が続くようであれば、投資スタイルを見直す必要がありますが、ある程度、投資スタイルを貫いたほうが最終的には勝ちやすくなります。

 

【②マインドフルネスで「今」に集中する】

大きな損失を出さないためには、メンタルの安定が必要です。ただ、どんなに経験を積んでも、株価の値動きに振り回されることは多々あります。そんなときに私が意識しているのが「マインドフルネス」です。

 

私たちは、今この瞬間を生きているように見えても、実は多くの時間を過去や未来のことを考える「心ここにあらず」の状態で過ごしています。特に、過去の失敗や将来の不安など、ネガティブな思考であればあるほど、長い時間を費やしてしまう傾向があります。つまり、私たちは自ら不安やストレスを増幅させているのです。

 

株価を見ていると、「もう利益を確定した方がいいのではないか」「〇〇円の損失が出て、これ以上損失が増えるのは怖い」など、いろいろなことを考えてしまいます。

 

しかし、マインドフルネスの状態になれば、余計なことを考えなくなります。マインドフルネスとは、「今、ここ」に心を集中させた状態を指す言葉です。株価の動きに一喜一憂することなく、あらかじめ決めたルールを冷静に実行できる方が、株式投資で勝ち続けることができるのです。

 

【③お金に執着しない】

お金に執着しないことも大切です。なぜなら、株式投資で大切なことは、冷静に自分のルールを徹底させることだからです。お金にこだわって冷静な判断ができなくなると、さらに損失を拡大させることになります。

 

株式投資で生計を立てている方たちは、自分のルールや資金管理を徹底しています。そのため、余計な感情で取引せず、大きな損失を被ることがないのです。

 

【④常にマーケットを研究する】

一時的にうまくいっても、そこでマーケットの研究や情報収集を怠ってはいけません。株価は日本や世界の政治・経済状況、企業業績など多くの要因で動くからです。特に株式投資では情報が大切です。

 

最新の情報を取り入れるようにしておけば、すぐに行動できます。常に情報に対してアンテナを張り、合理的に取引の判断をするようにしてください。

 

【⑤人と逆のことをする】

「人と逆のことをするのが好き」という人は、株式投資に向いています。「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言があります。株式市場で利益を得るためには、他人と反対の行動をとらなければならないという格言です。

 

大衆的な考え方と同じように行動するだけでは、なかなか勝てません。むしろブームに乗せられて、新興国株や小型株など、今のテーマ株に群がる傾向があります。

 

自分の投資スタイルを貫き、他の人と同じ行動をしない人が株式投資で勝ち続けることができるのです。

株式投資で「負けやすい人」の特徴

一方、株式投資で「負けやすい人」とはどのような投資家でしょうか。下記5つを解説します。

 

❶ギャンブルのように取引する

❷損切りができない

❸感情的になって取引してしまう

❹人の言うことを鵜呑みにしてしまう

❺ナンピン買いをしてしまう

 

【❶ギャンブルのように取引する】

株式は、債券や投資信託に比べて値動きの大きい金融商品です。そして、「ハイリスク・ハイリターン」に分類され、株式投資はギャンブルのような心理に陥りやすいという特徴があります。

 

例えば、株価が急落しているのを見て、何の根拠もなく「ここから上がるかもしれない」という気持ちで投資判断をしてしまったという経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。確かに株価は上がったり下がったりを繰り返しますが、中には長期間にわたって急落が続くケースもあります。

 

短期的で大きな利益を狙うのではなく、長期での資産形成を目指すようにしてください。

 

【❷損切りができない】

損切りとは、投資家が損失を確定させるために、損失の状態で保有している株式などを売却することです。損切りは、株価が下落し、その後の回復が見込めないと判断できる場合に有効です。そのまま保有し続けると、さらに株価が下落し、損失額が拡大する可能性があるためです。

 

しかし、実際に損失が出ている状態で損切りするというのは辛いものです。損切りができないまま株価が下がり続け、株価が大きく下がってしまうこともあります。大きな損失を抱えると、その後の取引で取り戻すことは難しくなるので、必ず損切りをするようにしてください。

 

【❸感情的になって取引してしまう】

株式投資では、必ず勝てるということはまずありません。また、保有している銘柄を頻繁に売り買いしていると、株価が下がったらすぐに売る、上がり始めたら買い戻すという動きになり、高い売買手数料が発生し、利益を上げることは難しくなります。

 

そして、株式に振り回されて感情に流されやすいということは、冷静な判断ができないことを意味します。したがって、冷静に相場を見極める能力がない人は、株式投資家に向いていません。

 

【❹人の言うことを鵜呑みにしてしまう】

情報は自分で分析することが大切です。しかし、ツイッターなどのSNSや著名人が雑誌などでいっていることを鵜呑みにして取引してしまう人も多いのではないでしょうか。著名人などの意見に信頼をおくことを「権威付け効果」といいます。

 

また、周囲の人に同調したり、他人の行動に影響されたりすることを「ハーディング効果」といいます。他の人の意見に影響を受けて自分で考えない人は、株式投資で勝つのは難しいでしょう。

 

他の人の意見を参考にすることは大切ですが、最終的な判断は自分でするようにしてください。

 

【❺ナンピン買いをしてしまう】

ナンピン買いは下落時に追加投資を行うことで平均取得単価を下げる手法で、当初の購入価格に戻れば利益が出ます。市場全体の状況悪化により、株価が売られてしまった場合には有効な手法です。ただし、業績の悪化など個別要因で株価が下落している場合は、リスクを高めることになります。

 

そして、ナンピン買いには「参照点依存性」という心理も働きます。これは、株価の絶対値ではなく、購入したときの価格(基準点)からの変化で判断する心理です。

 

通常、株価が割安かどうかは、業績などから判断します。しかし、購入時の価格が基準点となり、そこから価格が下落すれば「割安」と判断し、何度もナンピン買いしてしまうのです。ナンピン買いで大きな損失がでると、取り戻すことが非常に難しくなります。ナンピン買いをするにしても、1~2回程度に留めておくべきです。

おわりに

株式投資では銘柄選択や買うタイミングが大事だと考えがちですが、利益を上げ続けるためには、自分の投資スタイルと取引ルールを決め、それを守り続けることが大切です。株価の動きに一喜一憂するのではなく、正しい取引をすることを心がけるようにしましょう。

 

 

山下 耕太郎(金融・投資ライター)

一橋大学経済学部卒業後、証券会社で営業・マーケットアナリスト・先物ディーラーを経て個人投資家・金融ライターに転身。投資歴20年以上。現在は金融ライターをしながら、現物株・先物・FX・CFDなど幅広い商品で運用を行う。保有資格は証券外務員一種。

本記事は、株式会社クレディセゾンが運営する『セゾンのくらし大研究』のコラムより、一部編集のうえ転載したものです。