積み立てNISAやiDecoが身近になった昨今、なんとなく「投資を始めなければ」と焦っている人も多いのではないでしょうか。しかし、FP office STORY代表の尾﨑佳奈氏は「投資よりまず節約や貯蓄をしなければいけない人が多い」といいます。とはいえ我慢ばかりでは続かない……そこで今回、年収500万円の独身会社員Aさん(35歳)の事例から、ストレスを溜めずに貯蓄を続けるコツをみていきましょう。
年収500万円、35歳の独身会社員…「簡単な3つのルール」で実現した驚愕の貯金額 (※写真はイメージです/PIXTA)

家計簿はつけない、人間関係もシンプルに…Aさんが実践する「3つ」の貯蓄ポイント

①家計簿はつけない

いまどきは家計簿アプリもあり、よくSNSやネットでは家計簿をつけてお金を管理しましょうといわれていますが、Aさんはあえて家計簿はつけていないとのこと。その理由は、面倒なことは続かずストレスになるからだそう。

 

「節約や貯蓄ってなかなか簡単なことではないと思うのです。ストレスをいかになくし、楽しんで貯蓄をするかが重要だと思っています」

 

Aさんの貯蓄ルールのキホンはストレスをためすぎないこと。たしかに、無理に家計簿をつけて面倒なことをやろうとすると挫折してしまう方は多いです。

 

Aさんは、家計簿はつけない代わりに毎日いくら使ったかを1日の終わりに振り返り、交際費と食費その他が合計7万円前後に抑えられるよう日割り計算をし、使い過ぎたら翌日以降コントロールするという形で毎日の支出を管理しています。

 

「クレジットや電子マネーはポイントが貯まるので、あえて使っています。そうすれば毎月の支出はひと月まとめて明細で振り返ることができ、そこで無駄遣いがあれば反省し、固定費なども見直せます」

 

②貯蓄用口座と使う口座を分ける

「給料が入る口座(使う用口座)には常に50万円以上はお金を置かないようにして、超えた部分は貯蓄用口座に回しています。そうすることで貯蓄用口座の残高がどんどん貯まるようになり、まるでゲーム感覚。貯蓄が楽しみになってくるんです。

 

増えた貯蓄を減らしたくないと、出費も必然的に使う用口座のなかでやりくりしようという気持ちに。毎月3万円は積み立て貯蓄をして、自動的にお金が貯まるように仕組化もしています」

 

③生活と人間関係はシンプルに

生活はシンプルにしているというAさん。必要最低限の物しか持たないことで、家のなかはとてもすっきりしています。要らなくなったものは、すぐにメルカリなどのフリマアプリで売却するか、思い切って処分しています。昔は貧乏性でなかなか物が捨てられなかったそうですが、そのころはお金も貯まらなかったそう。

 

「家がごちゃごちゃしているとなにを持っているか把握できず、同じような服を買ってしまったり、必要ないものまでつい買ってしまいませんか? シンプルな生活をすることで、なにがどこにあるかを把握しやすくなり、ムダな買い物が減ります。ムダに物が増えることがストレスになるので、買うときに本当に必要なものかをきちんと考えるようになるんです」

 

さらに、コロナを機に人間関係の整理も始めたそうです。

 

不要な人間関係は整理したほうがいいとわかっていても、実行するには勇気が必要ですよね。しかし、人間関係の整理はストレス軽減とお金の有効活用にもつながります。