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仮想通貨には、さまざまな儲け方があります。単なる売買だけではなく、ときには投資家同士で貸出しをすることも有効な手段のひとつです。
このような投資スタイルは「レンディング」と呼ばれています。どのようなメリットやデメリットを持つのか、具体的な方法と併せて説明します。
1.「貸付けて金利を得る」仮想通貨のレンディングの仕組み
仮想通貨(暗号通貨)のレンディングとは、通貨の貸付けによって金利を得ることです。レンディングは「貸す」を意味する「Lending」が由来となっています。
仮想通貨のなかでもビットコインやイーサリアムなどは非常に高価です。価格の変動も激しく、通常の売買だけでは安定して稼ぐことはできません。そこで投資家に仮想通貨を貸付けるとインカムゲイン※として収入を得られます。
※ インカムゲイン:資産を所有している間に得られる収益
[図表1]にあるとおり、投資家どうしの取引を結びつける存在がレンディング業者です。当該機関を経由し、ほかの投資家へ仮想通貨を貸出します。
仮想通貨をレンディングした側は、発生した金利を報酬としてもらう仕組みとなっています。
2. 仮想通貨でレンディングを行うメリット4つ
レンディングは、仮想通貨の売買とはまったく異なる稼ぎ方です。ここでは、レンディングならではのメリットを4つご紹介します。
2.1. 手間暇をかけず簡単に始められる
レンディングの大きなメリットは、手間をかけずに始められるところです。通常の売買をする際には、チャートの動向を細かくチェックしなければなりません。特に仮想通貨はアップダウンが激しく、確認を怠ると大きな損失を招きます。
レンディングであれば、業者に該当の通貨を預けるだけで問題ありません。比較的安定して賃貸料を受け取れます。そのため、日中に仕事をしており、頻繁にチャートを確認できない人にはおすすめです。
2.2. 銀行に預けるよりも利率がいい
レンディングは、一般的な銀行よりも利率が高く設定されています。普通預金で現金を預けていても、金利はおよそ0.001%程度です。たとえ100万円近く貯金したところで、利息は年間10円程度しか振り込まれません。資金を増やす目的としては、ふさわしくないといえます。
一方で、レンディングの利率は1〜5%程度です。もし100万円分のビットコインを業者に預けると、単純計算で年間1〜5万円程度の収益が入ります。
2.3. 儲けるための勉強があまり必要ない
仮想通貨の取引を行うには、ある程度の勉強が必要です。仮想通貨は比較的新しい金融商品であり、株やFXと比べるとデータは多くありません。また価格の変動も激しく、一気に暴落する危険性があります。
一方、レンディングは業者に預けておくだけなので、売買よりは勉強が不要です。当然扱っている通貨の動向は定期的に確認したほうが賢明ですが、毎日のようにチャートを眺めなくても問題ありません。
2.4. 少ない投資額からでも利用可能
レンディングは、少額投資が可能です。仮想通貨の種類にもよりますが、ビットコインなどの有名な銘柄は費用が極めて高額です。1BTCあたりで200万円以上の金額がかかります。リスクも高いなか、なるべく金額は抑えて取引したほうが賢明です。
レンディングであれば、取引所によっては1万円からスタートできるところも存在します。具体的な内容は後述するので、少ない金額で取引したい人にはおすすめです。
3. 仮想通貨でレンディングを行うデメリット3つ
レンディングにはデメリットがないわけではありません。ここでは、レンディングのリスクをご紹介します。
3.1. 自分のタイミングで引き出すことができない
レンディングのデメリットは、引き出しのタイミングが制限される点です。業者に預けた仮想通貨は、ある一定以上の期間に到達しないと引き出せない規約があります。要するに、一度レンディングを利用した場合、基本的には預けた状態にしなければなりません。
レンディングのルールは取引所によって異なります。たとえば、GMOコインは解約手数料を設けていますが、金額は賃貸料の10%と高額です。当然、貸出ししている間はほかの取引所に移せないため、取り扱いには注意しましょう。
3.2. 価格の変動により結果的に損をするリスクを負う
レンディングは、価格の変動によるリスクがあります。仮想通貨を貸出している間に暴落し、換金するときに購入時より価格が低くなるケースもゼロではありません。
前述したとおり、レンディング中であれば思わぬトラブルが発生しても、原則は通貨を動かせません。すなわち、レンディングを検討するときは長期的な予想も重要です。確実な分析は不可能ですが、過去のチャートからできる限り研究する必要はあります。
3.3. 取引所の倒産の可能性も考慮する必要がある
レンディングは、長期間取引所に通貨を預ける状態が続きます。最悪の場合、預け先の取引所自体が倒産する可能性があります。取引所自体が倒産すると、預けていた通貨をすべて失うケースも考えられるでしょう。
仮想通貨の取引所で最も注意すべき点は、「預金保険制度」の対象にはならないことです。通常、銀行が倒産したとしても預金額の1,000万円まで(+利息)は保証されます。しかし、仮想通貨の取引所の場合は保証がないので、余剰資金を使った運用を心がけましょう。
4. 仮想通貨でのレンディングの始め方3ステップ
レンディングのメリットとデメリットを一通り解説したところで、実際にレンディングを始めるためのステップをご紹介します。
ステップ1:レンディングサービスのある取引所の口座を開設する
まずは、レンディングを提供している仮想通貨取引所の口座を開設します。当該サービスは、すべての取引所でできるわけではないため、あらかじめ確認しておきましょう。口座開設時にはメールアドレスや氏名、生年月日などの個人情報を登録します。
取引所を利用するときは、本人確認書類の提出が必要です。スマホで写真を撮影し、送付したら審査が行われます。無事に通過したら口座開設手続きの完了です。
ステップ2:仮想通貨を入手する
取引所の口座を開設したら、レンディングに用いる仮想通貨を手に入れます。国内取引所であれば、日本円で直接取引することが可能です。入手する先は大きく分けて販売所と取引所の2つがあります。
販売所は、業者と利用者で仮想通貨を取引するタイプです。比較的簡単に通貨を入手できるものの、スプレッドの差が広いため費用も余分にかかります。
一方で、取引所はユーザーどうしで売買を行うことが特徴です。入手する難易度は上がりますが、出費をある程度抑えられます。
ステップ3:レンディングサービスに申し込む
必要な仮想通貨を手に入れたタイミングで、レンディングサービスに申し込みます。口座開設した取引所によって手続きの方法は異なるため、事前に内容をチェックしましょう。コインチェックであれば、貸暗号資産アカウントに対象の通貨を振り込みます。
画面の左側に「コインを貸す」の項目があり、貸出す金額や期間を設定したらレンディングの開始です。ちなみに、コインチェックの場合は期間が満了したあとも手続き次第では再び貸出しできます。
5. レンディングにおすすめの仮想通貨取引所4つを比較
レンディングは、すべての仮想通貨取引所で提供しているわけではありません。開設するときは、貸出しできるか否かをチェックしたほうが賢明です。ここでは、代表的な取引所について解説します。それぞれの特徴を自分なりにまとめておきましょう。
5.1. コインチェック(Coincheck):初心者向け
コインチェック(Coincheck)は17種類の通貨が取引されている取引所です。取引価格が全体的に安く、初心者に易しいことが特徴です。
レンディングサービスでも、金額設定に強みを持っています。取引所によっては、最低取引額が0.5BTC(およそ100万円程度)かかるところも少なくありません。コインチェックであれば、一律で最大1万円からスタートできる点でおすすめです。
5.2. GMOコイン:手数料がお得
GMOコインの優れているポイントは、仮想通貨の銘柄数です。全体的に手数料が魅力的で、費用を抑えつつ取引ができます。具体例を挙げると、売買手数料に関しては販売所が無料であるほか、入金手数料や出金手数料も基本的には発生しません。
レンディングに関しては、0.1BTCから仮想通貨を貸し出せます。年率は3%コースと1%コースがあり、貸出者が自ら決めるシステムです。全体的に手数料が低いため、ある程度仮想通貨の取引を行ってからレンディングを利用することも検討しましょう。
5.3. ビットレンディング(BitLending):賃貸料率が最高クラス
ビットレンディング(BitLending)は名称のとおり、レンディングに力を入れている取引所です。業界のなかでも最高水準の賃貸料率を誇り、合計で6つの銘柄に対応しています。それぞれの賃貸料率は、下記のとおりです。
仮想通貨の種類 |
賃貸料率 |
ビットコイン |
8.0% |
イーサリアム |
8.0% |
ファイルコイン |
6.5% |
USテザー |
8.0% |
USDコイン |
8.0% |
ダイ |
8.0% |
参考:ビットレンディング
取引スタイルは基本的にレンディングのみなので、ほかの取引所と併用することをおすすめします。
5.4. ビットポイント(BITPOINT):多彩なキャンペーン
ビットポイント(BITPOINT)は、多彩なキャンペーンが魅力的な取引所です。定期的に情報が更新されるため、公式ホームページなどから内容をチェックしておきましょう。ほかにも、現物取引手数料や入金手数料、出金手数料が無料に設定されています。
ビットポイントのレンディングサービスは、2020年11月に導入されました。導入時にも、仮想通貨の貸出しによって最大20%の年率を付与していたことが特徴です。今後も、お得なキャンペーンが開催されるかもしれません。
6. バイナンスなど海外の仮想通貨取引所で行えるレンディングの特徴
仮想通貨取引所は、海外のほうが数多く運営されています。扱っている銘柄の種類も豊富であり、取引の幅をさらに広げたい投資家にはおすすめです。しかし、法整備が甘いなどとデメリットも存在します。海外取引所のレンディングの特徴を押さえましょう。
6.1. 利率が高く種類も多彩
海外取引所のレンディングは、貸借料率が国内よりも高めに設定されている点が強みです。無論、扱っている銘柄や取引所によって数字は大きく変わりますが、利率が高ければ稼ぎやすくなります。
また、海外取引所ではレンディングにおいても取り扱える銘柄数が豊富です。国内取引所では、多くても10種類程度の銘柄しか貸出しできません。しかし、海外取引所のひとつであるバイナンスの取扱銘柄数は377種類です。幅広く取引したい人に向いています。
6.2. 海外の取引所でしか利用できないDefiレンディング
海外取引所はDefiレンディングを利用できます。Defiレンディングとは中央管理者が存在しない仕組みです。前述したとおり、本来であれば仮想通貨を貸出す際には一度業者を経由します。なるべく安全な取引を確保するためです。
しかし、仲介者を挟むとスピーディーな取引ができません。直接投資家とやり取りしたい人は、海外取引所でDefiレンディングを試す方法もあります。ただ、トラブルも起こりやすいため、総合的に考えて判断しましょう。
6.3. 日本語に未対応の所が多く初心者は国内がおすすめ
海外取引所は、日本語に対応していない場合があります。英語力が卓越している人は難なく使えるかもしれませんが、初心者であれば国内取引所のほうがおすすめです。日本語が未対応である取引所は、基本的に金融庁が公的に認めていないケースもあります。
万が一利用中にトラブルが発生しても、法律で守ってもらえない可能性があります。慣れていない場合は、国内取引所で口座開設しましょう。
7. 仮想通貨のレンディングの注意点
最後に、仮想通貨のレンディングにおける注意点をまとめます。よく考えずに利用してしまうことで、思わぬ問題が発生する可能性もゼロではありません。主に重要なポイントを2点ご紹介します。
7.1. 貸出した仮想通貨以外での受け取りはできない
レンディングでは、貸出した以外の銘柄は受け取りができません。たとえば、ビットコインを貸出しに利用したとします。投資家に貸している間でビットコインが暴落し、アルトコインの価格のほうが高騰したとしましょう。
レンディングを利用している側からすれば、別の通貨で受け取りたいと考えるはずです。しかし、ほかの銘柄と交換はできないため、何かが起こっても我慢しなければなりません。このような点を考慮しても、レンディングには忍耐力が必要不可欠です。
7.2. レンディングの収益にも税金がかかる
レンディングで得た収益に対しても、税金が発生します。通常の売買と同様に、所得税の項目は雑所得です。「雑収入−必要経費」で所得額が計算され、控除できる金額はほとんどありません。また、住民税と合わせると最高で55%の税率がかけられます。
収益が発生したと認められるタイミングは、レンディングしていた通貨を返されたときです。この瞬間、報酬に相当する金額がもらえます。確定申告の年度を間違えないよう注意しましょう。
8. まとめ
仮想通貨の稼ぎ方のひとつであるレンディングについて、制度の概要を解説しました。少ない金額から投資でき、仕事が忙しいときでも利益を得ることができます。上手くいけば、自動的に儲けられる方法です。
しかし、レンディングは自分のタイミングで通貨を返却できないといったデメリットもあります。
チャートを見ながらチャンスを狙って仮想通貨のトレードしたい人は、国内取引所で口座開設をして、少額から始めることをおすすめします。