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仮想通貨が誕生してから、世界中の投資家によってさまざまな取引がされるようになりました。より高い利益を得られるように作られた制度が、「レバレッジ取引」です。
タイミングがよければ投資で成功する確率も高まりますが、大きな損失を招く可能性も高いです。この記事では、レバレッジ取引の仕組みについて解説します。
1. 仮想通貨(暗号資産)のレバレッジ取引とはどんな取引?
レバレッジ取引とは、元手よりも高い金額で仮想通貨を売買する方法です。レバレッジは本来、「てこの原理」を意味します。小さい力で重い物体を持ち上げるように、少額の証拠金※で多額の利益を上げる方法です。
※証拠金…レバレッジ取引の担保として用いられるお金。この金額に倍率を乗じた金額で取引が行われる。
このような投資スタイルは株やFXですでに用いられており、仮想通貨でも導入されました。取引所によって仕組みも変わるため、各々の特徴を事前にチェックしておくことが大切です。
1.1. レバレッジ取引の特徴
レバレッジ取引の特徴は、仮想通貨の投資がよりハイリスク・ハイリターンになることです。上図のように、証拠金に対して3.3倍の倍率をかければ、より高額な取引を行えます。価格が高騰すれば、多大な利益を手に入れられるスタイルです。
しかし、レバレッジ取引には、暴落によって多額の資金を失うリスクもあります。倍率をあげて取引する際には、慎重に価格の動向を確かめましょう。より一層、高騰しそうなタイミングを見計らうことが大切です。
1.2. レバレッジ取引の種類
レバレッジ取引は、大きく以下の3つに分けられます。
- 先物取引
- 信用取引
- 仮想通貨FX
先物取引は仮想通貨を売買する日程が決まっており、現時点の価格で契約を交わします。期限までに有利な価格になればいつでも反対売買により利益確定ができる点が強みです。
信用取引は取引所から仮想通貨を借り、利益が出てから返還します。元手をあまり用意できない人におすすめです。
仮想通貨FXもレバレッジ取引ができるスタイルですが、取引に期限が設けられていません。取引が簡単で、手数料は一般的に高くなるものの長期保有も行えます。
1.3. レバレッジ取引における日本と海外の規制比較
ここで、日本の取引所と海外取引所におけるレバレッジ取引の実態をまとめましょう。
DMMビットコイン |
FXGT (海外) |
|
---|---|---|
レバレッジ | 2倍 | 1倍~1,000倍 |
そもそも、日本の仮想通貨取引所は基本的に2倍までしか設定できません。金融商品取引法によって規制がかけられているからです。
一方で、海外取引所のレバレッジは特に上限がありません。すなわち、両者を比較すると、海外取引所のほうがハイリスク・ハイリターンのトレードになります。
2. レバレッジ取引のメリット
レバレッジ取引のメリットは、現物の取引よりも大きな利益が得やすいことです。値動きによっては、1億円以上を稼ぐ「億り人※」を狙えるチャンスもゼロではありません。
加えて、投資スタイルにも幅が広がり、たとえ通貨を持っていなくても参加できるようになります。これらの特徴について、さらに深掘りしながら解説しましょう。
2.1. 保有資産以上の取引が可能
レバレッジ取引の最大のメリットは、「保有資産」以上の取引が可能なことです。無論、低い金額で購入できる取引所もありますが、なるべく保有する通貨を増やしたいと思うはずです。
仮に海外取引所で高いレバレッジをかければ、多くの仮想通貨を使って取引を行えます。価格が高騰すれば、稼げる可能性も高まるため投資家にとっては絶好のチャンスです。
2.2.「空売り注文」ができる
レバレッジ取引が現物取引と異なるポイントは、「空売り注文」ができることです。通常、仮想通貨の現物取引は価格が下落したところで購入します。値上がりしたあとに売れば、差額分が儲かる取引です。しかし、なかにはすでに価格が上がりきっている通貨も少なくありません。
このような通貨のさらなる高騰は難しく、主に下落する流れが一般的です。もし、仮想通貨を1枚も持っていなくとも、レバレッジ取引は「空売り」から投資を始められます。
あらかじめ売った分の金額を貰い、暴落した段階で通貨を買い戻せば、差額分の利益を得ることも可能です。
3. レバレッジ取引のデメリットは?危険性は高い?
レバレッジ取引のデメリットは、利益と合わせてリスクも高くなってしまうことです。仮想通貨は通常の取引でも、資産を一気に失う危険があります。倍率をかけると暴落したときのダメージも大きくなります。
では、レバレッジ取引で仮想通貨を売買することで起こりうるリスクを説明します。
3.1. 損失が大きくなるリスクを伴う
レバレッジ取引で最も危険な行為が、「レバレッジのかけすぎ」です。
レバレッジ取引では、「証拠金維持率」が基準値を下回ったときに強制的な決済(ロスカット)が行われます。証拠金維持率の計算式は「(注文に必要な分を除いた資産評価額÷ポジション※に必要な証拠金額)×100」です。
※ ポジション:仮想通貨を持っている状態のこと
レバレッジ倍率が高くなるほど、暴落した際に証拠金の残高が一気に少なくなります。つまり、マイナスのまま決済される確率も上がるため、注意しましょう。
3.2. ロスカットが間に合わず資金がゼロになる可能性がある
レバレッジ取引で懸念しなければならない最悪な事態が、「ロスカットが間に合わないこと」です。
たとえば、DMMビットコインでは証拠金維持率が50%を下回った状態で強制的に決済されます。仮にマイナスの利益を出してしまっても、より大きな損失を防ぐためです。
ただし、タイミングによってはロスカットが間に合わず、どんどん証拠金を失う場合もあります。そして、資金がマイナスになるケースもあります。
海外の取引所では、このようなリスクに備えて、取引所側が損失分を負担する「ゼロカットシステム」が採用されているところもあります。
4. レバレッジ取引を行うことができる仮想通貨取引所4選
レバレッジ取引は、日本の多くの取引所で行えます。基本的に金融庁が倍率を「2倍」に設定しているため、各取引所で差はほとんどありません。
しかし、レバレッジ以外のサービスが異なり、少なからず自分の投資スタイルによって選択する先を変えたほうが賢明です。口座の開設先を決める参考材料にしましょう。
4.1. bitFlyer(ビットフライヤー)
ビットフライヤーは「ビットコイン」の取引量が多い仮想通貨取引所です。日常生活で使っている人の多い「Tポイント」をビットコインと交換できるため、仮想通貨の投資がより身近な存在となります。
ビットフライヤーが設定しているレバレッジは「1倍〜2倍」です。ビットコインの場合だと、現物取引には約定した額に応じて0.01%〜0.15%の手数料がかかり、レバレッジ取引の売買手数料は無料となっています。ただし、スワップポイントが毎日「建玉×0.04%」かかります。
4.2. DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
DMMビットコインは手数料が最も安く、キャンペーンも多い取引所です。入出金手数料や送金手数料も無料に設定されています。2022年8月1日6時59分まで口座を新規開設すると、2,000円がもらえる特典も魅力的です。
DMMビットコインのレバレッジも、2倍まで設定できます。取引手数料は無料で、レバレッジ手数料が発生するのはロールオーバーが行われるときです(0.04%)。つまり、仮想通貨のポジションを翌営業日まで繰り越す際に負担が生じます。
4.3. GMOコイン
GMOコインは国内取引所のなかでも、取扱銘柄数が21種類と国内で最も多く用意されている取引所です。口座開設にも時間がほとんどかからず、最短約10分で手続きがすべて完了する場合もあります。
入金手数料は無料に設定されており、出金手数料も2,000万円以上の出金を除いて無料です(2,000万円以上は1回400円)。ロスカット手数料に関しては「建玉×0.5%」が、レバレッジ取引手数料は無料、レバレッジ手数料は毎日「建玉×0.04%」がかかります。
4.4. BITPOINT(ビットポイント)
ビットポイントは、スマホアプリの使いやすさやセキュリティの強さに定評のある国内取引所です。これから仮想通貨を始める人でも簡単に操作ができるようプラットフォームが作られています。
以前はレバレッジ取引にも対応していましたが、2021年12月29日をもって制度が廃止されました。2022年5月時点では現物取引やレンディングで投資が行えます。このように、特定のサービスのみが終了する場合もあるため注意しましょう。
5. レバレッジ取引の際に注意すべきポイント一覧
ここまで、レバレッジ取引の長所や短所についてまとめました。事実上、大きな金額を使って取引する方法であるため、始める際にはしっかりと気を引き締めなければなりません。
レバレッジ取引にチャレンジしたい人へ向けて、注意すべきポイントを一覧で整理します。すべてを押さえて、なるべくリスクを軽減するように取り組みましょう。
5.1. 現物取引から始めるがおすすめ
仮想通貨に投資する際には、できる限り「現物取引」から始めることをおすすめします。基本的に値動きが激しいため、経験値が足りないと一気に資産を失う危険性もあります。通貨が暴落した場合、より被害を防げるほうが現物取引です。
始めのうちはレバレッジ取引をせず、自己資金の範囲内で取引をしましょう。仮想通貨の投資に慣れてきた段階で、レバレッジ取引に挑戦することが得策です。
5.2. 証拠金維持率は常に意識する
レバレッジ取引では、「証拠金維持率」を常に意識しなければなりません。上述したとおり、当該数値が一定の基準を下回ったときに「ロスカット」が行われるからです。仮想通貨は価格の変動が激しいため、1日の間でも定期的に確認しましょう。
証拠金維持率は、各取引所のプラットフォームへアクセスするとチェックできます。なるべく高くしていけば、ポジション取りも極めて有利になります。
5.3. 通常の取引とは別に手数料がかかる
レバレッジ取引は、通常の取引よりも手数料が多めにかかる点も押さえておきましょう。
現物取引であれば、負担すべき金額はせいぜい入出金や送金程度です。ほかにもスプレッドによって支出が生じることはありますが、DMMビットコインをはじめ、無料に設定しているところも少なくありません。
一方で、レバレッジ取引になると「レバレッジ手数料」や「ロスカット手数料」など追加で手数料を支払う必要があります。無論、レバレッジ手数料の金額設定は取引所によって異なるものの、「約定金額×0.04%」が平均的な数値です。
5.4. 借金はNG!余剰資金で取引する
レバレッジ取引で運用するのであれば、必ず余剰資金で取引することを心がけましょう。特に、銀行や消費者金融機関などから借金をして仮想通貨を取引してはいけません。さらに損失を招いてしまうと、最悪の場合、「自己破産」に繋がる危険もあります。
そもそもレバレッジ取引は、「少額投資」で始められる取引です。わざわざ生活に支障が出るほどの金額を使う必要はありません。自分のなかで、貯蓄額のいくらを仮想通貨に使うかを決めておきましょう。
5.5. 必ず「損切りライン」を決めておく
レバレッジ取引で多額の損失を防ぐために、定めておくべき目安が「損切りライン」です。価格がどんどん下がっているときは、売りに出すラインをあらかじめ決めましょう。
人間はどうしても「欲」が出てしまう生き物です。たとえ暴落している最中でも、「待てば再び上昇するのでは?」と下手に期待してしまいます。もちろん、価格が復活することもないわけではありませんが、極めてリスクの高い行為です。
6. 実際のやり方は?レバレッジ取引の始め方を解説!
レバレッジ取引をするときは、各取引所のプラットフォームにアクセスして銘柄を選びます。
「指値注文」か「成行注文」の選択を問われるため、売買しやすいほうで注文しましょう。指値注文は注文時に価格を指定する方法、成行注文は価格を指定せず売買を成立させることを優先する方法です。
すべての入力作業が終わったら、取引の内容を確定させます。大抵の取引所では「注文履歴」を確認できるため、価格の状況などを随時把握しておきましょう。
7. 仮想通貨のレバレッジ取引でよくある質問
仮想通貨のレバレッジ取引についてお伝えしましたが、内容をすべて把握することは簡単ではありません。わかりやすく整理するために、よくある質問と答えをまとめます。投資へチャレンジする際に上手く生かしましょう。
Q1. 株やFXのレバレッジ取引と違いはありますか?
仮想通貨と株およびFXにおけるレバレッジ取引の主な違いは、「倍率の高さ」です。仮想通貨の場合、国内取引所では基本的に「2倍」が上限に設定されています。一方、株の場合は「3.3倍」で、FXは「25倍」までかけることが可能です。
8. まとめ
レバレッジ取引は、仮想通貨の投資をよりハイリスク・ハイリターンなものにする手法です。日本と海外では、制度の仕組みやルールが大きく異なります。
手数料の種類も増えるため、投資する先の取引所はいくつか候補を挙げて選ぶことが大切です。なるべくリスクを軽減するためにも、証拠金維持率や損切りラインなどの確認事項を必ず押さえましょう。