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ステーブルコインは、法定通貨、金や原油などの商品に連動した動きをするため比較的安定した価格推移をしています。一方、システムトラブルなどでLUNA USTの価値が暴落している事例もあり、課題も残っています。
本記事では、初心者の方でもわかりやすいように特徴や仕組み、おすすめのステーブルコインなどをご紹介します。
1. ステーブルコインとは?特徴や仕組みを解説
ステーブルコインとは仮想通貨のなかでも価格の値動きが安定した特徴を持っています。理由は、ステーブルコインを運営している会社が価格の推移を安定させることを目的として、米ドルや円などの法定通貨を保有したり、独自の価格安定のアルゴリズムを利用したりするからです。
ステーブルコインは、法定通貨や他の仮想通貨、商品やアルゴリズムなどに連動するため、新たな資産構築手段としても注目されています。ポートフォリオの種類のひとつにステーブルコインを加えることも検討できます。ステーブルコインはさまざまな法定通貨に連動した商品があるため、投資したい国や通貨が決まっている場合選択できます。
最近ではLUNA USTのドルとのペッグ(連動)が外れたことから、投資家の不安が拭えず大量の売却が行われ、6兆円規模の資産が減少した事件もありました。システムに関してはまだ課題が多く残っています。
2. ステーブルコインのメリット
ステーブルコインへ投資するメリットはどこにあるのでしょうか? 主に以下の4点のメリットがあります。
- 価格が安定している
- 将来性がある
- 資産防衛の機能がある
- 法定通貨の代替になる
一つずつ詳しく見ていきましょう。
2.1. 価格が安定している
多くの種類のステーブルコインが存在しますが、安定した通貨が多いのが特徴です。なぜなら、米ドルや円などの法定通貨にペッグ(連動)されているからです。
また価格が安定している点を考慮し、ポートフォリオに組み込めば他の資産が暴落した際のリスクヘッジにもなります。価格が安定しているため、決済手段に使われることが多く、将来性が期待されています。
2.2. 将来性がある
仮想通貨の保有で壁になっているのが、安定性がないことです。価格推移が比較的安定しているステーブルコインは、仮想通貨保有の障壁を取り払ってくれる存在です。ブロックチェーン上での技術が進歩していくと、決済手段の幅が広がるため、将来性に期待されています。
2.3. 資産防衛の機能がある
投資する資産を選択する際には、多くの種類に分散する必要があります。そのなかで仮想通貨に対する投資も考えられますが、急騰と急落がいつ来るかわからないというリスクも混在しています。
価格推移が比較的安定しているステーブルコインは、一つの投資対象となります。ステーブルコインへ分散投資することで、仮想通貨の暴落などから資産を防衛する働きに期待できます。
2.4. 法定通貨の代替になる
ステーブルコインは、米ドルや円、ユーロなどの法定通貨と連動する仕組みを取っており、価格が安定する機能を持っています。その安定性から、法定通貨の代替としての機能性を持っているといえます。
ビットコインなどは資産価値の向上を狙うための仮想通貨という認識が強いですが、ステーブルコインは決済手段として広がり、さらなる盛り上がりを見せています。
3. ステーブルコインの種類とおすすめ銘柄
ステーブルコインは価格の安定性が特徴であることは前述したのですが、いくつかの種類に分かれています。
- 法定通貨担保型(米ドルや円など)
- 仮想通貨担保型(ビットコインやイーサリアムなど)
- 商品担保型(金や原油など)
- 無担保型(アルゴリズム型)
- 日本円に連動しているステーブルコイン
連動している対象が法定通貨や仮想通貨であったり、アルゴリズムで管理しているステーブルコインもあります。さらに、おすすめのステーブルコインもご紹介します。
3.1. 法定通貨担保型
法定通貨担保型はステーブルコインの裏付け資産として法定通貨を担保とするタイプのステーブルコインです。流通しているステーブルコインでよく見るタイプです。
資産保全や決済手段としての価値が期待されています。しかし発行会社の担保資産保有量が不足している場合、価格が崩れる恐れがあるため、発行企業をしっかりチェックする必要があります。
3.1.1. Tether(USDT)
Tether(USDT)は、米ドルに連動して同じような動きをするステーブルコインです。Tether Limited社が運営しており、1ドルが1USDTになるようにしています。
アメリカドルに連動していることから価格帯は安定しているため、決済手段としての活用が期待されています。逆に大きな値上がりは期待できないため、投資対象としての魅力は低いといえます。
シンボル(通貨) | USDT |
時価総額 | 9,203,386,606,080円 |
時価総額ランキング | 3位 |
価格 | 126.88円 |
特徴 |
・米ドルとの連動(ペッグ)通貨 |
※時価総額や価格は2022年5月30日時点
3.1.2. TrueUSD(TUSD)
2018年から発行を開始したTrueUSD(TUSD)は、米ドルに連動したステーブルコインです。安定した価格推移であるため、資産の保全を目的とした投資先として利用されています。
TrueUSD(TUSD)は1ドル=1TUSDで固定されています。TUSDは複数の信託銀行が運営しているため倒産などのリスクも、同じドルペッグ通貨Tether(USDT)を運営しているテザー社と比較すると低くなっています。
シンボル(通貨) | TUSD |
時価総額 | 158,906,572,342円 |
時価総額ランキング | 45位 |
価格 | 127.13円 |
特徴 |
・1ドル=1TUSDで固定されている |
※時価総額や価格は2022年5月30日時点
3.2. 仮想通貨担保型
仮想通貨担保型は文字通り、仮想通貨を担保にしてステーブルコインを発行します。仮想通貨はボラティリティが高いから担保にできないのでは?という疑問が生まれると思います。
その答えは、比較的価格が安定しているビットコインやイーサリアムを担保とすることで解決しています。
仮想通貨を担保とする場合は、発行会社はステーブルコインより、多くの仮想通貨を資産として用意する必要があります。理由は、もし担保としている通貨がビットコインの場合、大きい価格変動があり損失が出ると、ステーブルコインの担保として不足するからです。
3.2.1. DAI
DAIは、イーサリアムやBATなどの仮想通貨を担保としているステーブルコインです。元々はイーサリアムのみの担保でしたが、BATなど承認されたイーサリアムベースの資産が担保として認められたため、価格のさらなる安定化につながっています。
シンボル(通貨) | DAI |
時価総額 | 846,022,875,014円 |
時価総額ランキング | 15位 |
価格 | 127.21円 |
特徴 |
・仮想通貨のイーサリアムやBATなどを担保としている |
※時価総額や価格は2022年5月30日時点
3.3. 商品担保型
ステーブルコインの種類のひとつに、商品担保型も存在します。その名の通り、金や原油などの商品を担保に価格連動させたステーブルコインのことをいいます。
金とペッグさせたTether Gold(XAUT)などは、有事の際などのリスクヘッジにも利用できるため人気を集めています。詳しくは以下でご紹介します。
3.3.1. Tether Gold(XAUT)
テザーゴールドは、スイスの銀行で保管されている商品(金)を担保にした通貨です。金現物を資産に組み込んでいる人もいると思いますが、ステーブルコインで所有すると金と交換できるようにしたため、新しいリスクヘッジの方法となっています。
テザーゴールドは金に連動しているため、発行会社の金保有数量のチェックは定期的に行う必要があります。担保にしている金がない場合、ステーブルコインの価値も保てないからです。保有する際には、しっかりチェックして購入しましょう。
シンボル(通貨) | XAUT |
時価総額 | 58,498,333,712円 |
時価総額ランキング | 217位 |
価格 | 237,292.65円 |
・金と交換可能なステーブルコイン |
※時価総額や価格は2022年5月30日時点
3.4. 無担保型(アルゴリズム型)
ステーブルコインの無担保型は、価格を安定させるために発行会社がアルゴリズムにて調整しています。アルゴリズムの調整の仕方は、発行会社がオリジナルの通貨を発行し、ステーブルコインの価格の変動に応じてオリジナル通貨の供給量を多くしたり少なくしたりして調整する方法が一般的です。
担保資産に依存することなく、オリジナル通貨の供給量によって価格を保持できるメリットがある反面、発行会社のオリジナル通貨の信用度合いをチェックすることが重要です。
3.4.1. AMPL
AMPLは、需要と供給のバランスを考え、供給量を決定するタイプのステーブルコインです。ビットコインなど他の仮想通貨の価格に影響を受けにくい特徴があります。
供給量を増やしたり減らしたりするシステムのことを「リベース」と呼びます。具体的には、価格が上がると供給量を増やして1単位あたりの価格を抑え、価格が下がると供給量を減らし1単位あたりの価格を上げる対策を行います。
シンボル(通貨) | AMPL |
時価総額 | 7,486,042,048円 |
時価総額ランキング | 381位 |
価格 | 120.13円 |
特徴 |
・イーサリアム上で運用されている |
※時価総額や価格は2022年5月30日時点
3.5.【番外編】日本円ステーブルコイン
日本円に連動したステーブルコインもあります。前払いする支払手段をとっている日本初のステーブルコインであるJPYC(JPY Coin)などがあります。
イーサリアムのブロックチェーン上で動いており、1JPYCが日本円1円として商品の購入に利用できます。ブロックチェーン上で動作はしますが、暗号資産(仮想通貨)ではありません。以下で詳しく内容をみていきましょう。
3.5.1. JPYC(JPY Coin)
JPYC(JPY Coin)は、前払支払方式というジャンルの日本円に連動したステーブルコインで、2021年の1月に発行を開始しました。直近では、2022年5月10日には発行額の総数が約10億円を突破した通貨です。
シンボル(通貨) | JPYC |
時価総額 | 表示なし |
時価総額ランキング | 7,278位 |
価格 | 0.9968円 |
特徴 |
・前払支払方式 |
※時価総額、時価総額ランキング、価格は2022年5月30日時点
4. ステーブルコインの購入方法
ステーブルコインの購入方法をUSDTを例にしてご紹介します。大まかな流れは以下の通りです。
- コインチェックなどの国内の仮想通貨取引所でBTC(ビットコイン)を購入する
- 購入したBTC(ビットコイン)を海外の仮想通貨取引所へ送金する
- 送金したBTC(ビットコイン)でUSDTを購入する
流れとしては、一度国内でBTC(ビットコイン)を購入し海外へ送金する段取りが必要です。最初は難しく感じるかもしれませんが、取引の手順はシンプルです。
5.【チャートで解説】ステーブルコインの将来性
上図は、Tether(USDT)の日本円換算価格の直近1年のチャートです。米ドルに連動している通貨のため、安定した推移になっています。
一般的な仮想通貨価格は乱高下するため、大きなリスクがあります。しかし、ステーブルコインは法定通貨や仮想通貨などに連動して価格が安定するため、決済手段として活用できる可能性が期待されています。
将来的にブロックチェーン技術の利用が広がることで、多くのインターネット上の決済手段の利便性が向上するのではないかと考えられています。
6. ステーブルコインに関するよくある質問
ステーブルコインに関するよくある質問をご紹介します。仮想通貨の知識があまりない方でもわかりやすいように回答しているので、参考にしてください。
Q1. 主要な通貨(ビットコインやリップルなど)との違いは?
ステーブルコインは法定通貨などに連動した価格推移になっているため、安定した値動きになります。投資対象で値上がりなどを狙うというより、決済手段などとしての利用に可能性が期待されています。
Q2. ステーブルコイン投資は儲かる?
ステーブルコイン投資は大きく儲かりません。価格が安定するように設計されているためです。大きく儲けたい場合は、他のボラティリティの大きい仮想通貨投資を検討したほうがよいでしょう。ステーブルコインは価値の保存や、決済手段としての利用に将来性が期待されて流通量が多くなっています。
Q3. ステーブルコインにリスクはある?
ステーブルコインにもリスクはあります。具体的には、LUNA USTというステーブルコインが米ドルとの連動が外れて、投資家の不安を拭えず暴落した事例があります。安定した価格推移を実現するステーブルコインですが、会社の管理体制やシステムトラブルに課題があるといえます。
7. まとめ
本記事では、ステーブルコインについて紹介しました。一般的な仮想通貨と違って価格が安定しており、資産の保全や決済手段として用いられるケースが多い特徴があります。
価格連動や担保の種類も法定通貨、仮想通貨、無担保、商品型など多くの種類があります。将来的に技術進歩が進んでいくと、さらに短時間、低コストでインターネット上で決済ができるのではないかと期待されています。
ステーブルコイン購入には国内取引所でBTCを購入し、海外取引所へという手続きが必要です。そのため、リスクをよく把握してから投資を検討しましょう。