住宅ローン金利はウクライナ侵攻前の水準まで反発
2022年3月10日、住宅ローン金利は再び急上昇し、約2年ぶりの高水準となりました。
30年固定ローンの平均金利は4.28%で、1年前より丸々1ポイント高くなりました。住宅ローン専門メディアのモーゲージ・ニュース・デイリーによると、人気の30年固定ローンの平均金利は2月末に4.19%まで上昇した後、ロシアのウクライナ侵攻の影響で一時3.90%まで低下していました。
地政学的リスクが世界の金融市場を動揺させ、投資家を比較的安全な債券市場へと向かわせたためだと考えられます。住宅ローン金利は、10年国債の利回りに緩やかに追随しています。
しかし、インフレ懸念と連邦準備制度理事会(FRB)の政策変更が予想されたため、債権は売却され、金利は再び上昇に転じました。30年固定ローンの平均金利は10日時点で4.28%で、1年前よりも1%上昇、11日は更に上昇し、4.29%となりました。
フレディマック(連邦住宅金融抵当公庫の愛称)のチーフエコノミスト、サム・カーター氏は3月10日、「長期的には、インフレは拡大し、物不足が経済の多くの分野に影響を及ぼすようになるため、金利は上昇を続けると予想される。
しかし、短期的には、ウクライナ戦争に関する不確実性による金利の乱高下が続くと思われる」と述べました。現在の不動産市場は、米国史上もっとも在庫が枯渇し、価格ももっとも高価であると言われており、それに加えて金利が上昇することは、住宅購入者にとっては厳しいニュースです。
FRBの「金利引き上げ」に関する見通し
米連邦準備制度理事会(FRB)は来週、過去40年で最高水準にあるインフレを抑制するため、基準金利を0.25%引き上げると予想されています。これは3年ぶりの利上げとなります。この金利引き上げは、ローンや投資、貯蓄、雇用の見通し、商品やサービスの価格など、消費者に大きな影響を与えることになりそうです。
投資家にとっては、ローン金利の上昇と、グロース株の成長鈍化が大きく影響してくると見られています。金利が上昇すると、ローン金利も上昇します。
これには、住宅ローン、学生ローン、自動車ローン、クレジットカード、そして投資口座の証拠金ローンなどが含まれます。投資のコストが増えることに気を配る必要があります。
また、ファイナンシャルアドバイザーによると、金利の上場はグロース株を圧迫する可能性が高いといいます。革新的なプロジェクトへの投資は、借り入れによって実施することが多いため金利が低い時に繁栄しやすい傾向にあります。
一方、金利が上昇すると、研究開発にブレーキがかかるため、グロース株の成長も鈍るのです。
ハーバード大学のジェイソン・ファーマン氏によると、FRBはインフレを抑制するまで利上げを行う予定で、年内にも追加利上げの可能性があります。