(※画像はイメージです/PIXTA)

オープンハウスが仕入れるアメリカ不動産物件は、(一部を除いて)自社の現地子会社が保有する物件に限定しており、現地の駐在員が、「一定期間後に、現地のアメリカ人に売れるのか」という視点を最重要視して、物件を精査しています。今回は、オープンハウスのウェルス・マネジメント事業部が、オープンハウスが仕入れる物件の特徴や、仕入れの際に重要視しているポイントなどを紹介していきます。

オープンハウスが仕入れを手掛ける4つのエリアの特徴

オープンハウスが仕入れている物件の所在エリアは、主にテキサス州、ジョージア州、オハイオ州、カリフォルニア州の4州です。まずはそれぞれのエリアの特徴を見てみましょう。

テキサス州ダラス・フォートワースの特徴

テキサス州の人口は、カリフォルニア州に次いで全米2番目の規模となっています。そのなかでも特に、ダラス・フォートワース都市圏は、全米第4位となる700万人以上の人口を擁し、巨大な成長都市を形成しています。

 

日本でもお馴染みのトヨタ自動車や年間売上29兆円を超える石油系大手のエクソンモービルを初め、エネルギー産業や航空産業、通信産業の大企業が多数存在していることもあり、2010年から2018年までの人口の成長率は、全米平均の約3倍の17.3%を記録しています。

 

このためテキサス州ではダラス・フォートワース都市圏を中心に住宅価格が上昇を続けており、上昇率も全米トップクラスの魅力的なエリアといえます。

 

テキサス州ダラス・フォートワース
テキサス州ダラス・フォートワース

ジョージア州アトランタの特徴

ジョージア州はアメリカの南東部に位置しています。ジョージア州全体の人口は約1,000万人となりますが、その内の過半数以上は州都であるアトランタ都市圏に集中しています。

 

アトランタには、年間利用者数が1億人を超え、「世界で一番忙しい空港」と呼ばれる「ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港」が所在していることに加え、コカ・コーラやデルタ航空などのフォーチュン500にもノミネートされる世界的な優良企業が多数所在しています。

 

人口の増加も著しく、2040年までに人口が860万人を超え、全米4位の大都市圏にまで成長する(アメリカ合衆国市長会議 United States Conference of Mayorsのレポート参照)と見込まれており、堅調な住宅需要が見込める魅力的なエリアといえるでしょう。

オハイオ州コロンバスの特徴

オハイオ州は、アメリカ中西部に位置する人口約1100万人の州で、特に、州都を擁するコロンバス大都市圏は、中西部にて最も急速に成長中の都市となっています。

 

周辺に3つの空港があることに加え、車で10時間の範囲内にアメリカの人口の約半分をカバーしており、国際取引拠点の中心に位置しています。

 

また、名門であるオハイオ州立大学を筆頭に60以上の学術機関が存在しており、優秀な人材に恵まれていることから、ホンダなどの日系企業約400社がオハイオ州に進出していることでも有名です。

加えて、フォーチュン1000社のうち15社の本社が存在しており、今後も継続的な成長が見込まれるエリアとなっています。

カリフォルニア州の特徴

カリフォルニア州の人口は全米で最も多く、ハリウッドで有名な大都市・ロサンゼルスがあります。

 

カリフォルニア州の特徴は人口の多さだけでなく、GDPの高さにもあります。

 

在サンフランシスコ日本国総領事館が ホームページで公表しているデータによると、カリフォルニア州の2018年のGDPは3兆183億ドルで全米第1位です。世界第3位といわれている日本のGDPが4兆9,719億ドルですので、その経済規模の大きさがお分かりいただけるのではないでしょうか。

「交通の利便性の高さ」に着目すべき理由とは?

エリア選びにおいて、交通の利便性の高さは、経済活動の活性化に直結することから、非常に重要なポイントとなります。特に、規模の大きな空港のあるエリアでは、人が集まりやすく、物流拠点としての機能性も大幅に強化されることから、不動産価値も高まりやすくなる傾向にあります。

 

米国には州間高速道路(Interstate Highway)と呼ばれる、米国内の主要都市を網羅する高速道路網が張り巡らされており、大型トラックによる貨物輸送が盛んに行われています。各州間高速道路には、個別の番号が割り当てられてられており、そのなかでも特に主要な高速道路が19本走っています。

 

東西を走る道路には偶数番号(10・20・30…90)、南北を走る道路には奇数番号(5・15・25…95)が割り当てられて呼ばれています。

 

州間高速道路
州間高速道路

 

先ほどご紹介したアトランタでは、世界で最も忙しい空港と呼ばれる「ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港」があることに加え、3本の主要高速道路が走っており、西はロサンゼルス・北はニューヨークまで1本で繋がっております。

 

さらに、近隣にはヨーロッパとの貿易の米国東海岸の拠点となるサバンナ港まであることから、非常にビジネスに適した都市であることが理解できます。

住所や道路から周辺環境をイメージすることができる

アメリカの不動産投資で物件をチェックするとき、知っておくと便利なのがアメリカの住所表記や道路名称のルールです。

 

突然ですが、トヨタの北米本社の住所をご存じでしょうか。
 

6565 Headquarters Dr, Plano, TX 75024

 

これを日本語に訳すと、以下の通りとなります。
 

6565番地 本社通り Plano市 テキサス州 〒75024

 

「Headquarters Dr」は通りの名前です。“本社通り”という名前が付いているように、この通りの付近にはJC PennyやFedEx Officeなど、大企業の地域本社や本社機能が集まっています。「大企業がひしめいて、今後も繁栄が期待できそう」―そんなイメージを抱けるのではないでしょうか。

 

 

また、物件の所在地を見ると、「Dr、Ave、St、Ct、Ln…」などが付いています。これらはすべて「通り」を意味しており、その呼び方は道路のタイプや広さによって変わります。

 

たとえば、「Ave=Avenue」は「大通り」を意味しており、付近は交通量が多いエリア、「Ct=Court」は「住宅街の中のロータリー」を意味しており、付近は静かな住宅街など、通りの呼び方から周辺の環境が何となくイメージできます。

アメリカならでは…「レンガ造り」に見える木造の住宅

アメリカの不動産には、日本の不動産にはないさまざまな特徴があります。そのひとつが「レンガ造り」に見える木造の住宅です。

 

テキサス北部からオクラホマ州にかけての土壌はレンガを作るのに適した粘土を多く含み、レンガの大量生産が可能です。そのため、テキサス州ではレンガ造りの住宅が多く見られます。

 

 

その一方で、レンガ造りの住宅に比べて初期導入費用を抑えられることから、“レンガ造りに見えるものの、実は木造住宅”という住宅も多く見られます。なぜ外観はレンガ造りに見えるのかというと、木で柱や梁などを組んだ外側にレンガを貼っていくからです。

 

どちらの住宅もアメリカでよく見かけますが、レンガ造りに見える木造住宅はテキサス州で多く出会います。

 

レンガ造りに見える木造住宅
レンガ造りに見える木造住宅

アメリカで仕入れる物件は「ガレージ付き」が基本!

オープンハウスが仕入れているアメリカの不動産は、基本的にガレージ付きの物件です。車社会のアメリカはガレージが必須といっても過言ではありません。ガレージ付き物件のなかでも最も需要があるのは2台分のスペースがある物件であることから、仕入れる投資用不動産も駐車スペース2台分のガレージ付き物件がほとんどです。

 

ガレージの位置については、建物の前面についているタイプと建物の背面についているタイプがあり、どちらも優劣をつけがたいです。ガレージの位置はオーナーの考え方や好みによりますが、ガレージが前面にある場合は建物の裏庭を広く使えるというメリットがあります。

 

一方、接道状況によっては建物の背面にガレージがあるほうが出入りしやすいといった場合があるなど、環境やデザインによっても配置が変わります。

 

また、ガレージに注目して投資用不動産をチェックする際には、ガレージとカーポートの違いを知っておくことが大切です。一般的に、ガレージとはガレージドア付きの駐車場を指しており、屋根があってもガレージドアがない青空駐車場の場合はカーポートと呼びます。

 

ガレージとカーポート
ガレージとカーポート

 

ちなみにアメリカの不動産市場には、ガレージの一部をリノベーションし、室内部分を増床させ、部屋として使用する「ガレージコンバージョン物件」があります。ガレージ内に専用エアコンが設置されていたり、ガレージでよく目にする配電盤があったりすることから見分けることが可能です。

 

こうしたガレージコンバージョン物件を仕入れる場合、オープンハウスでは大型修繕を行い、部屋をガレージに戻しています。物件の売買・賃貸流動性を高める為です。


今回は、オープンハウスが仕入れているアメリカ不動産の特徴や、不動産の仕入れの際に当社が重要視しているポイント、アメリカの不動産投資で知っておきたい豆知識などをご紹介しました。ぜひ、投資物件を選ぶ際のヒントにしてみてはいかがでしょうか。

本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。