(※画像はイメージです/PIXTA)

米国内の事件、天災についての知識を深めることは、米国不動産投資成功のカギのひとつだといえます。本記事では、オープンハウスのウェルス・マネジメント事業部が、12月10日に米国で発生した竜巻のによる被害や、補償等について解説していきます。

米国ケンタッキー州で「竜巻」発生…甚大な被害の詳細

12月10日に発生した竜巻により、ケンタッキー州では少なくとも74人の死亡が確認されたことを受けたケンタッキー州のアンディ・ベシア知事は「言葉にならないトラウマになった」と述べました。犠牲者の年齢層は、生後5ヵ月から86歳まで少なくとも8つの群にまたがっており、18人はまだ身元が確認されていません(2021年12月21日時点)。

 

ケンタッキー州西部全域で捜索と救助活動が続けられています。400人以上の州兵を含む緊急対応要員は、がれきをかき分けて生存者を探し、住民に水や発電機を配給しています。

 

州内のロウソク工場は特に被害が大きく、建物が倒壊してこれまでに8人が死亡、他8人が行方不明になっています。周辺の企業が嵐に備え休業するなか、この工場は「家に帰れば解雇する」と脅し110人もの従業員を閉じ込めていたと見られています。

 

ベシア知事によると、竜巻は227マイル(365km)の進路に沿って至る所を破壊。数千人が家を失い、26,000軒以上がいまだ停電しています。知事は、影響を受けた人々のために州立公園を開放し、各家族に埋葬費として5,000ドル(3,780ポンド)を提供することを約束しました。

 

また、被災者の葬儀費用を賄うための救済基金には、既に4万人以上から600万ドルが集まっています。さらに、犠牲者の追悼のため、すべての州旗を1週間降ろすように命じました。

 

他の4つの州でも、少なくとも13人の死亡が報告されています。バイデン大統領は、ケンタッキー州に大規模な連邦災害を宣言し、最も被害の大きかった地域に政府の援助を提供するよう命じました。

竜巻被害のイリノイ州、Amazon倉庫で6名が死亡

米国イリノイ州にあるAmazonの倉庫が竜巻によって破壊され、6人の従業員が死亡したことを受け、同社の安全衛生に関する方針が疑問視されています。犠牲者の一人の妹は、「生産性よりも命を大切にしていれば、こんなことは起きなかった」とコメントしました。

 

Amazonの広報担当者ケリー・ナンテル氏は声明で「我々は従業員の死を深く悲しんでいる」と述べましたが、同社に対する追求の声が殺到。十分な避難所が用意されていたのか、作業員はすぐにそこに行くように勧められたのか、また、悪天候の警告にもかかわらず、その晩のシフトは実行されるべきだったのか、などの疑問が投げかけられています。

 

AmazonはBBCの取材に対し、「出来事は信じられないほど速く起きた」と述べており、多くの従業員が避難所にたどり着けるように、「チームは迅速に作業を行なっていた」と回答しています。

 

米国立気象局によると、嵐はAmazonの倉庫を襲うと急速に強まり、風速は最大で時速150マイル(時速241キロ)に達し、サッカー場サイズの建物の屋根が剥がされました。12月13日、米労働省は建物の崩壊について、米労働安全衛生局による調査が開始されたと発表しました。

 

本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。