日々さまざまなイベントが開催されていますが、イベントの主催者にとって悩みのタネとなるのが「出演者のギャランティ」です。ギャランティの金額は出演者や案件の種類によって変わることから、都度交渉が必要な難しい問題です。主催者は、予算と折り合いをつけながら、どのようにコンテンツの魅力をより高めてくれるゲストを探しているのでしょうか。株式会社トキ・テックの代表取締役社長として多くのイベントを手がける土岐龍馬氏が、これまでの経験則から著名人の「イベント出演料」事情を解説します。
新人タレントなら1回3万円…大御所有名人、驚愕の「イベント出演料」

著名なゲストを呼びたい!…具体的なギャランティ額

仮に、ある程度しっかりとした商業イベントで1日スケジュールを押さえるような出演を依頼するとします。

 

案件によってばらつきがあるものの、私の経験則では、駆け出しのタレント(芸人、アイドル、モデル)で3万円〜30万円、たまにテレビなどで見かける売り出し中のタレントなら30万円〜50万円、テレビでよく見る売れっ子であれば50万円~数百万円、いわゆる大御所と呼ばれるタレントは三桁では収まらない金額になるケースもあります。

 

セミナーや講演で活躍する文化人は、個人のスタンスによるところが大きく、それなりに有名でも30万円で引き受けてくれる人もいます。ただ、メディアへの露出度が高い人はやはり金額もそれなりで、100万円を超えることもあります(これらはイベントでの場合で、テレビやSNS広告、Web掲載は金額が変わる)。

 

いわゆる「無名」でも…イベントの魅力をより高めるゲスト選びを

 

また一方で、ゲストが無名であったとしても、イベント内容にぴったりの専門的な解説ができたり、ターゲットとしている層に響く話ができたりするなら十分、招く意味があります。最終的には参加者が楽しみ、満足すればいいのです。

 

ゲストの知名度や影響力はもちろんあるに越したことはありませんが、それよりも重要なのは、イベントの内容とゲストがかみ合っているかどうかです。

 

私の経験からいっても、パンに関わるイベントを開催した際、パンの業界ではそれなりに知られていたけれど、一般的には無名であった、パンに詳しいインフルエンサーをキャスティングしたところ、イベントは大いに盛り上がり、大成功を収めました。

 

予算があるからと闇雲に著名人にオファーを出すのではなく、コンテンツの魅力をより高めてくれるパートナーとなるゲストを探すことが大切です。

 

 

土岐 龍馬

株式会社トキ・テック

代表取締役社長