都道府県別「介護が必要な人」の割合が高いのは?
現在、日本ではさまざまな課題を抱えていますが、そのなかでも「高齢化」は経済に及ぼす影響が大きいとされています。
内閣府では高齢化が及ぼす主な影響として「経済規模の縮小」「基礎自治体の担い手の減少、東京圏の高齢化」「社会保障制度と財政の持続可能性」「理想の子ども数を持てない社会」の4つをあげていますが、特に気になるのは「社会保障」ではないでしょうか。
高齢者1人に対して現役世代(生産年齢人口)が何人で支えているのかを考えると、1960年では11.2人でしたが、1980年には7.4人、2014年では2.4人となり、2060年には高齢者1人に対して現役世代が約1人となるといわれています。ちなみに高齢者と現役世代の人口が1対1に近づいた社会は、「肩車社会」といわれていますが、このような社会が現実的に到来しようとしているなか、社会保障費の給付と負担のアンバランスは一層、鮮明になっていきます。
厚生労働省『令和元年度介護保険事業状況報告』によると、要介護(要支援)認定者は全国で約668万人。都道府県別にみていくと、最も多いのが「東京都」約62万人。「大阪府」約52万人、「神奈川県」約41万人、「北海道」約33万人、「兵庫県」約31万人と続きます。
一方で総人口に対する割合を見ていくと、最も高いのが「秋田県」で総人口に対する要介護(要支援)認定者の割合は7.66%。「和歌山県」7.41%、「島根県」7.19%、「愛媛県」7.02%、「徳島県」6.85%と続きます。
【都道府県「要介護率」上位10】
1位「秋田県」7.66%
2位「和歌山県」7.4%
3位「島根県」7.19%
4位「愛媛県」7.02%
5位「徳島県」6.85%
6位「高知県」6.82%
7位「長崎県」6.70%
8位「山口県」6.68%
9位「岩手県」6.57%
10位「北海道」6.46%
出所:厚生労働省『令和元年度介護保険事業状況報告』より作成