(※画像はイメージです/PIXTA)

いまだ終息見えぬ新型コロナウイルスの感染拡大。本記事では、オープンハウスのウェルス・マネジメント事業部が、米国における「新型コロナウイルス感染拡大」の現況を解説します。

アメリカの死亡者500人のうち1人は、コロナが原因

今週までで、全米の新型コロナウイルスの累計死亡者数は66万3000人を超えました。これは死亡者のうちおよそ500人に1人が新型コロナウイルスが原因だったことを意味しています。

 

南カリフォルニア大学ケック医学校の臨床教授であるジェフリーD・クラウスナー氏は次のように述べています。「予想していた通り、感染の拡大が完全に制御できない状態になった」

 

検査、マスクの着用、ソーシャルディスタンス、集会の制限といった対策の目的は、新型コロナウイルスのワクチンが完成するまでに感染力の高いウイルスの拡散を遅らせることにありました。

 

しかし、ワクチンが登場しても、十分な数の人々が予防接種を受けることができず、死亡者数は増加しています。

 

新型コロナウイルスの死亡者数は想像を絶するものですが、それ以上に驚くべきことは、黒人、ラテン系、アメリカインディアン、アラスカインディアンなどのマイノリティーにおける、30代、40代、50代の致死率の高さです。

 

一般時には40歳から64歳までの若年層の死亡率はかなり低いため、人種間の不平等がさらに広がることが懸念されます。

 

18歳から39歳までの労働年齢のなかでも若い層では、人種による死亡率の差がさら大きく、黒人とヒスパニック系白人では3倍以上、ネイティブアメリカンにいたっては9倍近くであることが分かっています。

 

人種差別と健康について研究しているミシガン大学のエンリケ・W・ネブレッド・ジュニア教授は「これらの問題のいくつかは構造的な問題であり、社会の構造のなかに組み込まれているものだ」と述べています。

今年11月よりワクチン接種完了者の入国受け入れを再開

アメリカは、新型コロナウイルスの渡航制限をまもなく緩和し、英国やEUなどからの渡航を再開します。

 

米国では昨年初めから厳しい渡航制限が行われていましたが、11月以降、制限が緩和されます。外国人旅行者は、ワクチンの接種を完了すれば米国へ渡航でき、空港で検査と接触歴追跡を受ければ入国が可能になります。この動きは、ヨーロッパの同盟国からの大きな要求に応えるもので、制限によって離れ離れになった家族や友人と再会できることを意味しています。

 

ホワイトハウスの新型コロナウイルスコーディネーターであるジェフ・ザイアンス氏は、月曜日にこの新しいルールを発表し、次のように述べました。

 

「これは国単位ではなく、個人をベースにしているので、より強固なシステムになっています。最も重要なことは、米国に渡航する外国人は完全なワクチン接種が求められるということです」

 

外国人旅行者は渡航前にワクチン接種の証明を行い、渡航後3日以内に新型コロナウイルスの検査で陰性の結果を得て、連絡先を提示する必要があります。

 

本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。