日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は厚生労働省『人口動態調査』から「日本人の死因」に焦点をあてていきましょう。
1日で3750人が亡くなりました…「日本人の死因」最新調査 ※画像はイメージです/PIXTA

日本人の死因…三大疾病で50%超え

死亡者の原因について見ていきましょう。死因として最も多いのが「悪性新生物<腫瘍>」、いわゆるがんで、37万8385人、全体の27.5%を占めます。日本人の4人に1人以上ががんで亡くなっている計算です。続くのが、高血圧性を除く「心疾患」で20万5596人、全体の14.9%。三大疾病のひとつ、「脳血管疾患」は4番目で7.5%。それを上回るのが「老衰」。高齢化の進展で昨今増えている死因です。

 

【日本人の「死因」上位10】

1位 悪性新生物<腫瘍>(37万8385人)

2位 心疾患(高血圧性を除く)(20万5596人)

3位 老衰(13万2440人)

4位 脳血管疾患(10万2978人)

5位 肺炎(7万8450人)

6位 不慮の事故(3万8133人)

7位 腎不全(2万6948人)

8位 自殺(2万0243人)

9位 肝疾患(1万7688人)

10位 糖尿病(1万3902人)

 

出所:厚生労働省『人口動態調査』より

 

男女別に見てみると、男女ともにトップは「悪性新生物<腫瘍>」で、それに続くのも高血圧性を除く「心疾患」。性差が如実なのが「老衰」で、女性の3番目の死因に対して男性の場合は5番目。人数にして、女性は男性の2.7倍にもなります。女性のほうが平均寿命は長く、天寿をまっとうしている人が多いということでしょう。

 

【日本人男性の「死因」上位10】

1位 悪性新生物<腫瘍>(22万0989人)

2位 心疾患(高血圧性を除く)(9万9304人)

3位 脳血管疾患(5万0390人)

4位 肺炎(4万4902人)

5位 老衰(3万5779人)

6位 不慮の事故(2万1944人)

7位 腎不全(1万3961人)

8位 自殺(1万3588人)

9位 肝疾患(1万1648人)

10位 糖尿病(7767人)

 

【日本人女性の「死因」上位10】

1位 悪性新生物<腫瘍>(15万7396人)

2位 心疾患(高血圧性を除く)(10万6292人)

3位 老衰(9万6661人)

4位 脳血管疾患(5万2588人)

5位 肺炎(3万3548人)

6位 不慮の事故(1万6189人)

7位 腎不全(1万2987人)

8位 自殺(6655人)

9位 糖尿病(6135人)

10位 肝疾患(6040人)

 

出所:厚生労働省『人口動態調査』より

 

また都道府県別に死因をみていくと、ほとんどが「悪性新生物<腫瘍>」「心疾患」「老衰」「脳血管疾患」の順。例外は「岩手県」(3位「脳血管疾患」、4位「老衰」)、「大阪府」(3位「肺炎」、4位「老衰」、5位「脳血管疾患」)、「鳥取県」(2位「老衰」、3位「心疾患」)、「徳島県」「佐賀県」(4位「肺炎」、5位「脳血管疾患)の5つの自治体のみでした(関連記事:『【2001年】日本人の「死因」調査…都道府県別上位10』)。

 

日本人の死因を見ていくと、性差や地域差が見られました。昨今は新型コロナウイルスの脅威にさらされていますが、三大疾患のボリュームは半数を占めています。これらの病気に日々備えることが重要であることに変わりはないようです。