(※画像はイメージです/PIXTA)

副業でこれから不動産投資を始めようという方、特に会社員の方は、これまで勤務先が税金の支払いを行なっていたため、これまで一度も確定申告の経験がないという人も少なくありません。家賃収入が年間20万円を超える場合、確定申告義務が発生するので、不動産投資を行う場合、確定申告はほぼ間違いなく必要になります。そこで本記事では、オープンハウスのウェルス・マネジメント事業部が、副業不動産投資かが知っておくべき、確定申告の初歩的知識を紹介します。

そもそも「確定申告」はどのような手続きなのか

確定申告とは、その人が支払う税額を決めるために、1年間で得た所得を確定させるための手続きのことをいいます。より噛み砕いていうなら「1年間でどれくらいの儲けが出たか?」を税務署に報告する手続きです。

 

会社員の場合は基本的に、会社が毎月の給料から源泉徴収を行い、また年末調整なども行ってくれるため、確定申告を個人で行う必要はありません。

 

そのため確定申告が必要なのは、主に個人事業主やフリーランス、あるいは副業をしている会社員などです。不動産投資で副収入を得る会社員もここに該当します。申告のやり方によっては、損をしてしまったり、脱税につながったりすることもあるので、しっかり把握して対応する必要があります。

不動産投資をする場合は「青色申告」一択?

確定申告には所得が少額な人向けの簡易申告制度である「白色申告」と、申告の手間はややかかりますが、税制上の優遇措置がある「青色申告」の大きく2種類があります。不動産投資家の場合は、節税効果が大きい青色申告を選んで損はありません。

 

青色申告にはさまざまなメリットがありますが、不動産投資家にとって特に大きなメリットとなるのが以下の3点です。

 

・最大65万円までの特別控除が受けられる
・赤字を3年間繰り越せる
・PCやカメラなどを経費として計上できる

 

デメリットとして、青色申告は原則として複式簿記で記帳せねばならないなど、記帳の難しさが挙げられます。しかし、2014年からは白色申告でも帳簿の提出が必要になったため、青色申告と白色申告でそこまで手間の大きさは変わらなくなりました。また最近では確定申告ソフトなども多数リリースされているため、そうしたツールを活用することで、手間は大幅に軽減されます。

 

こうしたことから見ても、不動産投資を行う場合は青色申告を選ぶに越したことはないといえるでしょう。

青色申告は税務署に「開業届」を提出する必要がある

不動産投資家にとってメリットの多い青色申告ですが、一点忘れないようにしておきたいのが事前申請です。

 

白色申告の場合、事前申請は特に必要ありませんが、青色申告は所轄の税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」2つの書類を提出する必要があるので注意しましょう。これらの提出を忘れると、自動的に白色申告での申請となってしまいます。申請に費用はかからず、開業したことが外部に公表されるわけでもありませんので、安心して申請いただいて大丈夫です。

 

ちなみに開業届を出すデメリットとして、扶養から外れてしまう可能性が高いことが挙げられますが、世帯主の副業の場合は特に気にする必要はありません。また開業届を提出することで「個人事業主」として扱われるため、失業手当が受け取れなくなることもデメリットとしてあります。しかし、不動産投資で所有物件からの安定した副収入がある場合は、十分許容できるデメリットといえそうです。

 

開業届は開業日から、1ヵ月以内に提出することが推奨されています。とはいえ個人事業主の場合、「開業日がいつなのか明確にはわからない」というケースが多いため、ある程度、任意に開業日を設定することもできます。

 

いずれにせよ、書類の記入や税務署での受付処理は、それぞれ数分で終わる程度の作業なので、青色申告を行いたい場合は、面倒くさがらずに早めに手続きを済ませてしまうことをおすすめします。
 

 

本記事は、富裕層のためのウェブマガジン「賢者の投資術」(Powerd by OPEN HOUSE)にて公開されたコラムを、GGO編集部にて再編集したものです。