北海道の住宅地地価…上昇率で注目のエリアは?
地価でみると札幌の独占状態でしたが、前年との変動率で、注目の住宅地を見ていくと、異なる様相を呈します。トップは「虻田郡倶知安町字山田」で、前年比25.0%増。近年、外国人富裕層から人気を集めている「ニセコ」の山麓にあたるエリア。このコロナ禍でさすがに外国人観光客の姿は見られませんが、不動産販売は依然として好調。地価の上昇にもしっかりと反映されています。
第2位は「北広島市共栄町1丁目10番3」。JR「北広島」駅から徒歩で20分、車で5分ほどの住宅地です。北広島市は札幌市と隣接し、札幌のベッドタウンとして発展。2023年には「ボールパーク」が開業し、プロ野球チーム・日本ハムファイターズが本拠地となる予定。分譲マンションなども建設が進み、期待が高まっています。
上昇率では、北広島市のほかにも、恵庭市や江別市など、札幌市に隣接するエリアが目立ちます。東京と同じく、一極集中が続く札幌では、その周辺で宅地開発が進み、“札幌圏”を形成しています。不動産価格の高騰が続く札幌の都心を避け、ゆったりとした郊外に目を向ける人の受け皿になっているのです。
【北海道住宅地の地価対前年変動率ベスト10(住宅地)】
1位 北海道虻田郡倶知安町字山田83番29(25.00%)
2位 北海道北広島市共栄町1丁目10番3(17.70%)
3位 北海道北広島市東共栄2丁目20番5(15.60%)
4位 北海道北広島市美沢3丁目4番8(15.20%)
5位 北海道虻田郡倶知安町南3条東1丁目16番9外(13.80%)
6位 北海道北広島市北進町3丁目3番4(12.50%)
7位 北海道虻田郡倶知安町北7条西2丁目2番28(10.80%)
8位 北海道北広島市朝日町4丁目3番10(10.70%)
9位 北海道恵庭市(恵庭駅西口9街区9)(10.20%)
10位 北海道苫小牧市拓勇東町6-11-25(9.70%)
出所:国土交通省2021年公示地価(1月1日時点)より
(かっこ)内は対前年変動比
札幌市の一極集中が如実に反映されている、北海道の地価ランキング。しかし上昇率では、札幌市の周辺地域や、いまや世界的スノーリゾートであるニセコ周辺の存在感が光ります。これらの地域の盛り上がりが一過性のもので終わるのか、今後も注目です。