初心者でも気軽に投資を始められる「投資信託」。プロに運用をお願いして収益を挙げてもらう仕組みで、1000円や1万円から買える商品も多くあります。そこで「投資信託をするなら、どこで、なにから始めるのが良いのか?」について、元国税専門官が解説します。※本連載は、小林義崇氏の著書『すみません、金利ってなんですか?』(サンマーク出版)より一部を抜粋・再編集したものです。
「初心者にこそ投資信託がおすすめなワケ」元国税専門官が解説

この記事の登場人物

<プロフィール>

小林さん:元国税専門官、フリーランスライター。都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事していた。お金のプロ。

 

梅田さん:社会人6年目を迎える28歳・会社員。「お金のことが全然わからない」ことに危機感を抱き、プロに洗いざらい聞くことを決めた「お金の素人」。

初心者向け!1000円からプロに任せられる“投資信託”

梅田さん:お金関係のワードって難しいものが本当に多い…。

 

小林さん:たしかに、見たり聞いたりしただけだと意味がわからない言葉は多い気がします。

 

梅田さん:たとえば「投資信託」という言葉も、投資に関係ありそう、とは思うんですが、どういうものなんでしょう?

 

小林さん:投資信託とは「投資を“信じて託す”こと」。言い換えると「投資をお願いする」という意味です。つまり「自分で投資をする代わりに、投資の専門家であるファンドマネジャーに、株など複数の商品の投資・運用をお願いすること」です。

 

梅田さん:自分で株を売買するのとは違うメリットがあるんですか?

 

小林さん:自分で投資をする際は、どのような金融商品を、どのタイミングで、どれくらい買うのか、決断する必要がありますよね。買ってからも逐一チェックしなくては、良いタイミングで売れません。もちろん「それが楽しみ」という人もいるでしょうが、「時間をかけられない」「考えたり調べたりすることが苦手」という人だっています。

 

梅田さん:まさに僕です…。

 

小林さん:そんな人でも気軽にできる投資商品が投資信託です。また、「世界の様々な投資の対象に、少額から少しずつ投資ができる」こともメリットです。一人ひとりが出した額は少額でも、その投資信託にお金を出した人たちはたくさんいますから、合算すればかなりの額になります。なので、1人だととても買えない高額な大企業の株へも投資できたりするんです。とにかく、プロに運用をお願いして収益を挙げてもらう仕組みだと思ってもらえばいいんじゃないでしょうか。

 

(※画像はイメージです/PIXTA)
(※画像はイメージです/PIXTA)

 

梅田さん:いったいどれくらい出せば、投資信託を買えるんですか?

 

小林さん:投資信託の中には、1000円や1万円から買える商品も多くあります。もちろん、少額であればあるほど大きなリターンは望みにくくなりますが、比較的気軽に始めやすいんです。

 

梅田さん:じゃあ反対に、投資信託のデメリットは?

 

小林さん:「敏腕のプロに任せる」とはいえ、投資には常に博打的な側面がつきまといます。運用がうまくいかなくて、最初に払った分「元本」が減ることもあるでしょう。投資信託は、最初に預けたお金が保証されている金融商品ではありませんから。

 

梅田さん:プロが運用してくれるといっても、必ずしもうまくいくわけではない、そこは覚悟しておくべし…ということですね。

 

小林さん:はい。また、投資信託を買って保有している期間は、手数料がかかります。商品ごとに金額は異なりますが、高くつくものもあるので注意が必要です。つまり投資信託とは、運用のプロに株などの複数の商品への投資・運用をお願いする金融商品のこと。自分で株を選んで投資するのが不安であれば、投資信託を選ぶことでリスクを抑えられますが、確実にリターンが返ってくるとは限りませんし、人にやってもらうのですから手数料がつきます。ただ言えるのは、総じて初心者でも始めやすい、ということですね。

 

梅田さん:投資信託ってプロの投資家向きのレベルの高い話だと思っていましたが、むしろ逆なんですね。投資信託を買うときも証券会社を利用すればいいんですか?

 

小林さん:はい。ちなみに、投資信託は10年ほど前は証券会社と、投資信託の運営や管理を行う投信会社でしか買えなかったんですが、今は、銀行、保険会社、郵便局、農協など多くの金融機関で買えます。あと、窓口に行かなくても、ネット経由で証券会社や今紹介したようなところから買えるので便利ですよ。

 

梅田さん:そういう意味でも、結構取り組みやすいんですね。

 

小林さん:ちなみに、投資信託のことを「ファンド」と言うこともあります。また、投資信託をする人たちの集団、組織のことも、同様に「ファンド」と呼ぶこともあります。