税金対策の一環として注目を集めていたアメリカ不動産投資。しかし2019年12月の税制改正大綱を受け、旨味が落ちたという声も聞かれる。また、新型コロナウイルス感染拡大により4~5月の成約数が3割減となっていた(前年同月比)、不動産市場の現状も気になるところだ。本記事では、オープンハウスのアメリカ不動産事業部担当者で、毎月80棟の仕入れを担当する豊岡昴平氏に、人気YouTuberのもふ氏がインタビュー。アメリカ不動産市場について対談した動画内容をまとめている。

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【対談者紹介】

もふもふ不動産のもふ…サラリーマンで研究開発の仕事をしていたが、リーマンショックで会社がつぶれかけたのをきっかけに副業を開始。株式投資、不動産投資、ブログ、YouTubeで稼げるようになり、2019年3月末でサラリーマン退職。YouTubeでは投資や経済など役立つ情報を発信し続け、登録者25万人達成。Twitterのフォロワーは約7.5万人。もふもふしたものをこよなく愛する投資家、経営者。



株式会社オープンハウスアトランタ支社長 豊岡昴平氏…高校卒業後に渡米し、Unversity of Central Missouriを卒業。ホノルル国際空港を拠点に航空機パイロットに従事した後、人に惹かれオープンハウスに入社。仲介営業部門での経験を経たのち、ウェルス・マネジメント事業部立ち上げに伴い米国赴任。現在は全米の物件仕入れ業務の責任者を務めている。

 

 

 

もふ「今回も豊岡さんに、アメリカの不動産についてお話をしていただきたいと思います。そもそも、日本とアメリカの不動産の間には違いがあると言われます。現地におられる豊岡さんから見て、最も大きな違いとは何でしょうか?」

 

豊岡「一番の違いは、成長性でしょうか。日本は少子高齢化の傾向にありますが、アメリカはまだまだ人口が伸びていますし、GDPも増加している。物価もインフレ傾向です。これらの特徴に伴い、不動産価格や賃料が、毎年上昇を続けているのです」

 

豊岡「日本の投資家がアメリカの不動産に投資するメリットは、3つあると思います。1つめは低い空室率による安定的な賃料収入と、売却益の期待。2つめは前回(『アメリカ不動産投資の現状は?オープンハウスに聞いてみた』)お話した、タックスメリット。そして3つめは資産分散メリットです」

 

もふ「3つめの資産分散メリットについて、もう少し詳しくご説明いただけますか?」

 

豊岡「為替市場における通貨別取引高シェアの44%以上は、米ドルです。(日本円は8.4%) しかし、多くの日本人の資産ポートフォリオは日本円に集中しております。国内株や国内不動産に分散投資している方も、結局は日本円のみを保有している事になります。ですから円の価値が下落した際に備え、米ドル建ての資産を持つことはリスクヘッジになるのです」


※国際決済銀行(BIS)

 

もふ「確かにここのところ、アメリカ経済は3~4%台のインフレで推移しており、日本はデフレ傾向にあります。資産分散の一手法として、アメリカの不動産投資に注目するのはアリですね」

 

豊岡「資産を円だけで構成しておくのは良くないと思いますし、ドルだけで構成するのも良くないと思います。『ドル建ての資産を新たに加えることで、経済がどっちに振れても大丈夫な状態を作っておきましょう』というのが、私どもの提案になります」

「コロナ禍」がアメリカ不動産に及ぼした影響は?

もふ「さて現在は新型コロナウィルスの流行が、世界中に影響を及ぼしています。アメリカの場合はどうなのでしょうか? 不動産の需要や価格に、影響は出ていませんか?」

 

豊岡「弊社ではハワイ州ホノルル、カリフォルニア州ロサンゼルス、テキサス州ダラス、ジョージア州アトランタで物件を取り扱っています。そのなかで観光業に打撃を受けているハワイは、不動産にも大きな影響がありました。反面、テキサス州やジョージア州の戸建て物件の販売は好調です」

 

もふ「それはどうしてですか?」

 

豊岡「米連邦準備理事会(FRB)が、新型コロナウィルスの流行に伴い、2020年3月から『ゼロ金利政策』を開始したのです。この政策により、住宅ローンの金利が下がりました」

 

もふ「どのくらい下がったのですか?」

 

豊岡「1%程度です。これまでアメリカの住宅ローン金利は、30年固定で4%中盤程度でしたが、3%台に下がりました。買える人にとっては『今が買い時』なんですよ」

 

もふ「先ほど、テキサス州・ジョージア州の戸建ては好調とおっしゃっていましたが、政策も後押しになり、コロナ禍でも売り上げが伸びているということでしょうか」

 

豊岡「はい。また、アメリカでは、4月にロックダウンが開始されました。日本より条件も厳しく、不要不急以外の外出には、50万円の罰金が課せられたほどです。しかし不動産業は、医療やスーパーと同じく『エッセンシャルビジネス』に認定されているため、弊社も稼働し続けることができました」

 

もふ「なるほど。しかし、そうはいっても低調な時期があったのでは?」

 

豊岡「4~5月の売買成約件数は、前年の同月に比べ、7割程度にまで下がりました。ところがロックダウンが解除された後、6~7月には順調に不動産の売買成約件数が回復し、8月には前年の同月とほぼ変わらない売買成約件数へと戻ったのです」

 

もふ「低調だったのは、実質2ヵ月程度だったんですね。早い回復ですね。」

 

豊岡「ほかに驚くべき変化もありました。それは『発売から成約までの期間』です。1~7月までは前年とさほど変わらぬ日数で推移していたのですが、8月は、成約までの日数が9日間と、例年と比べても短い期間で取引されていました。」

 

もふ「販売開始から成約までの期間ですよね? そんなに早く売れてしまうのですか!」 

 

豊岡「アメリカの不動産は成約までの期間が早いです。需要が多いにも関わらず、供給数に限りがあるので、スピーディに成約に至るのだと思います。こうしたデータからも、アメリカ不動産の流動性の高さがおわかりいただけるのではないでしょうか」

 

もふ「需要に衰えは見られないということですね。物件価格はどうですか?」

 

豊岡「コロナ禍の3~5月は、前年の同月とほぼ同価格で推移していました。『アメリカの不動産は年々価格が上がる』という前提がありますので、衰退の兆候と捉えていたのです。

 

しかし6月になると上昇傾向が戻り、8月には前年同月比で7.5%上昇しました。先ほど紹介した金利引き下げが、ダイレクトに影響しているのだと思います」

 

もふ「なるほど。つまり、アメリカの不動産はコロナの影響から、予想以上のスピードで回復しているということでよろしいでしょうか?」

 

豊岡「あくまで戸建てに関しての傾向ですが、順調に回復しています」

 

次回は米大統領選の影響などについて、豊岡氏ともふ氏が意見を交換し合う予定だ。

 

↓対談動画はこちら↓

 

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