ネイチャーグループは、資産運用・資産承継の分野において、日本最大級のコンサルティングファームである。本企画では、代表税理士・芦田敏之氏へのインタビューを通じて、同グループが富裕層から圧倒的な支持を集める理由を探っていく。第4回のテーマは、国内不動産投資について。海外不動産を活用した節税スキームの規制が進む中、改めてその魅力と活用法について話を聞いた。


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海外中古不動産の魅力がダウンするのは否めないが…

日本から海外の賃貸不動産に投資していた人の多くは、あえて法定耐用年数を超えている中古物件に狙いを定めていた。そのような場合には「簡便法」によって耐用年数を見積もることができ、わずか数年で一気に減価償却費を計上できるからだ。

 

家賃収入を上回る減価償却費を計上することで不動産所得において損失が発生し、他の所得と損益通算して所得税額を抑えてきたわけだ。しかし、当連載の第1回で詳しく述べた通り、与党がまとめた2020年度税制改正大綱に従って見直しが進められると、簡便法によって算出した耐用年数に基づく減価償却費は生じなかったものとみなされ、その部分を他の所得と損益通算できなくなる。

 

改正された税制が適用されるのは2021年分からで、以降は海外中古不動産の魅力がいささかダウンしてしまうのは否めない。だからといってまったく妙味が失せてしまうわけではない。日本国内では得がたい利回りをもたらすケースも多いし、海外では築古物件の人気が相対的に高いことから安定的な需要も期待できる。

 

また、たとえば米国にはジョイントテナンシー(合有不動産権)というスキームがあり、これを用いれば夫婦の共有名義で不動産を所有することも可能だ。そうしておけば、夫に先立たれた場合も同不動産は遺産として扱われないのでプロベートを逃れられる。

 

「プロベートは米国や英国、カナダ、オーストラリア、シンガポールなどで導入されている制度で、被相続人が死去すると裁判所が指名した遺産管理人が相続財産を管理し、相続人の判定や遺産の換金方法・分配方法などについて考察します。原則として裁判所が許可を下すまでは、いずれの相続人も相続財産には手をつけることができません。日本の相続税の申告期限は被相続人が亡くなったのを知ってから10ヵ月以内ですが、それまでにプロベートが完了しないケースも少なくありません」

 

こう説明するのは、創業当初から国際税務に特化したサービスを展開してきたネイチャーグループの芦田敏之代表税理士である。海外にはそういった厄介な制度がある一方で、日本には存在していない有益なスキームも活用できるわけである。

 


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「資産承継」においては税金対策にもフォーカスする

ネイチャーグループは数多くの海外大手金融機関アドバイザーも務めているうえ、ファイナンシャルアドバイザリーを手掛けるネイチャーFASを傘下に有し、顧客のニーズやプロフィールに応じてグローバルな視野のポートフォリオを提案できるのが強みだ。ただし、目を向けているのは海外ばかりではなく、不動産をはじめとする国内の投資対象も必要に応じて提案の中に加えるという。

 

税理士法人 ネイチャー国際資産税 代表税理士・芦田敏之氏
税理士法人 ネイチャー国際資産税 代表税理士・芦田敏之氏

「私たちはお客さまのライフステージに応じて『資産形成期』と『資産承継期』に区別し、異なる提案を行っています。『資産形成期』では大きく増やせる可能性についてお客さまとともに考えてまいりますが、『資産承継』においては税金対策にフォーカスすることが前提となってきます。

 

個人の所得にしておくと最大55%もの税金が徴収され、相続税も合わせるとわずか20%しか手元に残らないというマイナスのインパクトを軽減することが求められてくるのです。国内の不動産は、そのための選択肢となってきます」(芦田氏)

 

課税のインパクトを抑える手立てとなってくるのが、資産管理会社の設立と不動産の所有である。まず。当連載の第2回(富裕層にとっては常識?「資産管理会社」設立の優位性とは)でも触れたように、個人の所得税よりも法人税のほうが最高税率は低くなっている。

 

そして、不動産を取引するうえでも、個人ではなく資産管理会社のような法人経由のほうが有利に働く。たとえば、個人が所有していた不動産を売却してキャピタルゲイン(譲渡益)が発生した場合、課される税率は不動産の所有期間によって異なる。

 

5年超に達していれば「長期譲渡所得」とみなされ、15.315%の所得税と5%の住民税(合計20.315%)となるが、5年以内の場合は「短期譲渡所得」として扱われ、30.63%の所得税と9%の住民税(合計39.63%)に税率がアップする。約20%も税率が違ってくるので、個人で所有する場合にはよほどのキャピタルゲイン(譲渡益)が見込まれない限り、5年以内の売却は念頭におかないほうがいい。

 

その点、法人所有の場合はすぐに転売しても個人所有のケースよりも税負担が軽い。地価の上昇とともに国内不動産の利回りは低下しているが、現金・預貯金よりも相続税評価額が大幅に低くなることを踏まえれば、特に「資産承継期」には重要な役割(=より多くの資産を次の代に残すこと)を果たす資産となってくる。

 


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ポートフォリオの現状を徹底的に分析、サポートする

「私たちが徹底しているのは、お客さまのポートフォリオの内訳とそれぞれの現状・将来性をすべて可視化したかたちで分析することです。複数の国内不動産を所有しているケースなら、○○にあるこの物件は○%の実質利回りになっているが、将来的には需要が減ることが予想される一方、○○にある物件は○%の実質利回りで前者よりも劣るものの、長く堅調な需要が見込まれるなどといったように、とことん可視化するわけです。そのうえで、この物件は売って別のものに買い替えれば資産全体の収益性と安定性がどのように改善するかといった提言を行い、ポートフォリオの見直しを図っていきます」(芦田氏)

 

このように、ネイチャーグループが提供しているサービスは単なる税務処理だけにとどまらない。顧問税理士とやりとりするのは各種税金を申告するタイミングだけに限定されがちだが、芦田氏たちの場合はまったく異なるという。

 

「税務当局から指摘を受けないように適切に税務申告を行うのは当然の話で、私たちはさらにその先のことを考え、いかにしてお客さまの資産を保全し、上手く運用していくのかについてサポートを行っていきます。したがって、私たちの業務には終わりがありませんし、お客さまとも末永く密に接していくことになります」(芦田氏)

 


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取材・文/大西 洋平 撮影(人物)/永井 浩
※本インタビューは、2019年12月9日に収録したものです。

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