「資産100億円の形成には節税や賃貸経営、そして資産運用についてのあらゆる基本原則を理解することが欠かせない」と語るのはアサヒグローバル株式会社、ゴールドトラスト株式会社、ゴールドエイジ株式会社取締役会長で、自らも年間家賃収入7億円のオーナーでもある久保川議道氏です。本連載では、その唯一無二ともいえる「賃貸経営」と「資産運用」を中心とした資産形成における久保川氏の独自のメソッドや考え方をブログから抜粋し紹介します。今回は、土地活用の「6大戦略」について解説します。※この記事は久保川議道氏のブログ『会長のひとりごと』Vol.38(2016年2月)から抜粋、編集したものです。

人間の「欲・得・利益」が出ると会社は倒産する⁉

世の中の全ての仕事や事業には「法則」や「原理原則」があります。仕事や事業に成功する人は必ずこの法則を守って実行しています。逆に失敗する人はこの法則を知らない人か、または知っていても実行できない人ですね。

 

私も24歳で独立して今年で40年が経ってしまいましたが、40年間を振り返ると私の知っている「社長さん」はほとんど居なくなってしまいましたね。全員、倒産か廃業してしまいました。

 

会社の寿命は10年で6%、100社中6社。20年で0.3%、1,000社中3社、30年で0.03%、10,000社中3社しか生存できません。それ以外は倒産ですね。恐ろしい数字ですが正しい数字です。それだけ世の中には「成功する経営者」が少ないのです。または10年ぐらいは何とか成功しても20年、30年、長くは続かず失敗して倒産廃業してしまうのですね。

 

さて何故でしょう…? 一言で言うと、それは「人間」だからです。「神様」ではないので人間には必ず「欲」「得」「利益」がありますから、それが出ると会社は倒産するのです。「お客様に奉仕すること以外の、売上や利益や何店舗達成、などの目標が高い会社」は倒産するということです。

 

しかし人間ですからつい頑張ってしまって、売上増や店舗数を増やそうと努力してしまいますね。さてそこで出てくるのが、間違いをいつも犯す人間に必要なことが「法則」「原理原則」を知って守ること、それを実行することとなります。人間が間違いを犯さないためには、規則や法律を作っておいて、それを守ることしかありません。

 

「法則・原理原則・規則・法律」を作り、守り、実行

どんな仕事でも同じですが、ここでは「土地活用事業」を例にお話しします。

 

まず①事業の「目的」を作ります。「土地活用事業で世のため人のために奉仕する」などですね。

 

②次に「目標」です。土地活用事業をすることによって目指す目標は、例えば私の場合は「家族の幸せと財産づくり」が目標となります。ですから家族が反対して喧嘩するぐらいなら土地活用はしません。そして苦労して赤字になることもしません。あくまで家族が仲良く健康に暮らして、そのあと財産が増えることが目標となります。

 

③目標ができると次に「定量評価」の売上や入居率や収益などと、「定性評価」の入居者満足やご紹介や設備のグレードなどで、目標数値を達成するための計画を作るのです。④この計画を作るためには事業の「方針書」や「戦略」を先に作ってからとなります。

 

さて私の土地活用の「6大戦略」とは何でしょうか…?  それは(1)「勝てる理念・目的」戦略です。ここでしっかりとドラッカー先生の言われる「5つの質問」に答えを出すのです。我々の「使命」は何か。「顧客」は誰か。顧客にとっての「価値」は何か。「成果」は何か。「計画」は何かの答えをひねり出しますね。この経営で一番大切な作業を私は「法則・原理原則」と呼んでいるのです。

 

さて次に(2)「勝てる現状把握」をします。日本の空室30%時代の分析と市場における競合他社にいかに勝つかの分析です。

 

(3)次に「勝てるスタート」です。負けるスタートをした賃貸経営者はどんな努力をしても負け続けるしかありませんね。それはもう建物を建て直すことはできないからです。

 

(4)「勝てる賃貸経営」では20年30年経った古いアパマンでも家賃を上げて満室にする戦略の実行です。日本では私しか言わない「築年数別賃貸経営」をしっかり勉強してください。

 

(5)「勝てる資金運用」アインシュタイン博士が20世紀最大の発見は「複利だ」と言われたのは間違いありません。1億円は10年で6.2億円になるのです(20%複利)。

 

(6)最後は「勝てる100年」3代先100年先の土地活用も日本では私だけが大きな声で言っていますが、誰も真面目に聞いてくれません。残念なことですね。

 

これらの「法則・原理原則」「規則・法律」を自分で作って、守って、実行するのです。私は人間がこの世で成功する、成功し続ける方法はこれ以外ないと確信しています。間違いでしょうか…?