日本人向けのテキサス不動産販売を本格始動
世界最古のオークションハウス「サザビーズ」は、1744年にロンドンで設立されました。オークションの分野における実績・知名度はいうまでもありませんが、実はこのサザビーズ、世界各国の不動産取引の場においても存在感を示していることをご存じでしょうか。
サザビースは1976年、不動産部門として「サザビーズ インターナショナル リアリティ」を立ち上げ、フランチャイズによる国際的な不動産事業展開をスタートしました。このサザビーズ インターナショナル リアルティは現在、世界72の国・地域に960のオフィスを構える国際的不動産ネットワーク企業に成長しています。特にアメリカでは非常に大きな実績と知名度があり、2017年には米国で最も信頼される住宅不動産ブローカー(Lifestory Research社調べ)に選ばれました。
そのサザビーズ インターナショナル リアルティの、日本におけるフランチャイジーが「リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ」です。母体は、東京・神奈川・ハワイ、そしてシンガポール・フィリピン・タイなどの東南アジアで事業展開をしている総合不動産会社「リストグループ」となります。
リスト サザビーズ インターナショナル リアルティでは今回、アメリカ国内におけるサザビーズブランドの極めて高い認知度・信頼度、そして不動産売買力に基づき、さらにはリストグループがこれまで築いてきた不動産投資のノウハウを加え、日本人のためのアメリカ・テキサス州の不動産投資プロジェクトを立ち上げました。
日本人投資家の関心が依然高い「償却メリット」
ここ数年、日本国内の高所得者や資産家の間で、アメリカ不動産投資が大変な人気を呼んでいます。その背景には、投資に対するインカムゲインやキャピタルゲインの期待がもちろんあります。特にキャピタルゲインについては、長期的な人口減少が続く日本の場合、総体で見れば今後も不動産の値上がりは期待薄な状況が続くと思われます。それに対して、先進国にもかかわらず人口が増加しているアメリカでは、全米平均で毎年4%強の不動産価格の値上がりが現在でも続いています。
また、そのような収益への期待以上に、日本とアメリカの不動産税制(減価償却制度)の差異を利用したメリットにも目を向ける富裕層が少なくありません。この点について、簡単に説明しておきます。
まず前提として、アメリカでは良質な住宅(建物)をリノベーションしながらよりよいものに作り替えて、資産価値を維持、向上させ、売買するという考え方が一般的です。そのため、不動産を土地と建物に分けた場合、建物部分の評価額が経年によって下がりにくく、場合によっては上がることもあります。一方、ニューヨーク市などの一部都市を除けば、国土が広いため、住宅地でも基本的に地価は高くありません。
そこで、1軒の不動産全体として見た場合に、築年が古い物件であっても、土地価格に対する建物評価額は比較的高いままなのです。日本では一般的に、木造住宅の法定耐用年数である22年を超えれば、建物の評価はほぼゼロになります。ところがアメリカでは、これが7割を超えていることも珍しくありません。
また、アメリカの不動産であっても、日本の居住者が購入した場合、日本で支払う税金については日本の税制が適用され、木造住宅の法定耐用年数である築22年を超えていれば、4年間での減価償却が可能になります。たとえば、8,000万円の物件を購入し、その建物評価額が5,600万円(70%)だとすれば、毎年1,400万円(4年間で5,600万円)の減価償却費が経費として計上可能になり、その分の所得税・住民税を減らすことができます。実際には、建物の評価割合が80~90%になることも、まれではありません。
ただし、減価償却をすれば住宅の簿価は下がります。上例では、4年間で5,600万円の減価償却後には、簿価は2,400万円になっています。仮に、この物件が購入時と同じ価格で5年後に売れたとすると、売却価格8,000万円-簿価2,400万円=5,600万円の利益(譲渡所得)が発生し、その部分には課税が生じます(簡略化のために手数料などは除外)。しかし、購入から5年を過ぎてからの売却であれば、長期譲渡所得として税率20%となり、所得税+住民税の最高税率55%より35%も税率が低くなります。
以上が、アメリカ不動産投資による償却メリットの概略です。しかし、ここで注意しなければならないのは、そもそもの不動産価格が割高で、売却時に大きく値下がりしてしまう、あるいは買い手がつかずに売るに売れないといった物件だと、上記のスキームは絵に描いた餅となることです。
アメリカ不動産投資に際して重要なのは、まず良質で実需が存在する不動産物件を適正な価格で購入する。そして、それをきちんと管理、運営でき、出口では売却もできるネットワークを持つ販売会社を利用することです。では具体的にどうすればよいのか、次回以降詳しくご説明します。