超高齢化、人口減少が問題となっている日本で、年々増え続けているのが障害者の数。それらの人々を受け入れる施設は圧倒的に不足しており、早急な対策が必要とされている。本連載では、同じように社会問題となっている保護犬・猫の殺処分問題の解決に取り組んでいる株式会社ケアペッツ代表取締役の藤田英明氏に、「ペットと暮らす障害者グループホーム」事業の可能性について伺った。第4回目のテーマはFCよりも高収益な開業・増店スキームの全容。

「動物と一緒に働ける」ことがモチベーションに

「わおん」のような障害者グループホームを運営するに当たって、どうしても気になるのは「必要な人材を確保できるかどうか?」という点でしょう。

 

前回も説明したように、障害者グループホームにはサービス管理責任者を置くことが法律で義務付けられています。サービス管理責任者になれるのは、介護福祉士などの資格を持っていて、法律に定められた一定年数以上の経験を持っている人材のみですが、この条件に当てはまる人を一般の人が普通に探すのは容易ではありません。障害者の数は年々増えているのにグループホームの供給が追い付かないのは、人材不足がボトルネックになっている側面もあります。

 

その点「わおん」なら、人材確保にはほとんど苦労しません。実際、私たちが直営で運営する「わおん」は、サービス管理責任者を募集するとすぐに10~20人の応募が集まります。その理由は「動物と一緒に仕事ができる」からです。

 

福祉に携わる人々の中にも動物好きの人はとても多く、ワンちゃんやネコちゃんに囲まれながら仕事ができるということは就職の大きなモチベーションになるようです。GoogleやAmazon、IBMなどでも実際に行われています。また、これはあくまでも私見ですが、動物好きの人材は、介護にかける熱意やホスピタリティが高い方が多いようです。つまり、たんに人を集めやすいだけでなく、優秀な人材を確保できるわけです。実際、直営の「わおん」のサービス管理責任者はパソコンは苦手ですが、福祉分野20年のプロフェッショナルで、名古屋から千葉まで引っ越してきました。

 

もちろん、人材の採用や研修については私たちが全面的にバックアップします。人材確保がスムーズなら早期に開所できるので、無駄な運転資金を費やすこともありません。結果的に黒字化が早まるわけです。参画された北海道の企業は、募集開始後7日で30名以上の応募がきています。

費用負担を抑えるレベニューシェア方式を採用

「わおん」はオーナー募集に当たって、従来のFC(フランチャイズ)方式とは異なるレベニューシェアという方式を考案し、運用しています。これは、運営のためのオーナーが支払うお金をなるべく少なくして、より多くの利益を得ていただくための方式です。一方で、開発側の私たちも「コンテンツを常に開発しよう!」というモチベーションが上がり、サービスを改善し続けることができます。

 

具体的には、表3のようにさまざまなコンテンツを用意し、そのなかからオーナーが必要なものだけを選んで利用する仕組みとなっています。選んだコンテンツについては費用をいただきますが、それ以外については一切かかりません。

 

【表3】

 

通常のFC契約には、オーナーにとって必要のない支援までFCパッケージとして含まれ、費用負担を大きくするケースが多いものです。それを解消するために、必要最小限のコンテンツだけを選んでもらえる仕組みを採り入れたのです。これによって、私たちは収益の3%だけをいただき、オーナーの手元には97%の収益が残ります。97%のなかからコンテンツを使うも使わないも自由です。

 

もちろん、「福祉事業はまったく初めて」という方のためには、必要最低限のコンテンツをワンパッケージにした「総合開業支援コンテンツ」(1ユニット200万円)も用意しています。市場調査からコンセプトづくり、物件探索、役所に申請する書類の作成、人材の採用・研修など、包括的な支援を行いますので心配はありません。

 

「わおん」のビジネスモデルでは、本連載でもお伝えしたとおり、6店舗単位での展開が利益を最大限に伸ばします。増店していくにあたってのコンテンツもご用意していますし、経験を積むことで、不要になるものもあるでしょう。フランチャイズとは違い、それらをオーナーが自由選択することを可能にしたのが、このレベニューシェアモデルなのです。

 

5年後に1万ヵ所を実現するため、より多くの投資家の方々に「わおん」のオーナーになっていただきたいと思っています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

取材・文/渡辺 賢一 
※本インタビューは、2018年9月7日に収録したものです。