株式会社シティネット オーガニックハウスモデルルームにて

長らく続く低金利のもと、高い人気を誇る国内不動産投資だが、安定的な賃貸需要が見込めるとされる東京都区内も、実は既に「レッドオーシャン」になりつつある。本連載では、株式会社シティネット執行役員・柴田文治氏に「横浜」「新築」「木造」の3つのキーワードを軸とした物件選びについて聞いていく。今回は、具体的な注目物件について伺った。

物件に利益を生みださせるための「企画力」とは?

――投資物件を扱っている不動産業者はたくさんあります。その中で、シティネットのアドバンテージはどこにあるのでしょうか?

 

柴田 まず第1回でも少し触れた、仕入れ段階でのネットワークを駆使した情報力、そうして仕入れた物件を、入念なリサーチに基づいて効率的な投資物件として組み立てるリサーチ力・企画力です。そして最後は、投資家と金融機関を結びつける際のファイナンス力、この3点です。もっとも、ファイナンスについては、投資家の方の基本的な属性が最大の要素ではあります。

 

 

――企画力とは、具体的にはどんなことなのでしょうか?

 

柴田 一口でいえば「投資家が運営して利益を生みだす物件」ということです。気をつけなければならないのは、表面利回りだけでは見えないことです。たとえば、一戸あたりの専有面積を小さくして部屋数を増やせば、満室時の利回りは当然上がります。しかし、13~14平米といったアパートで2回転3回転と入居者に入ってもらえるかというと、厳しいですよね。私たちはそのような物件は作らないようにしています。

 

たとえば、相鉄線の西谷駅から、徒歩15分くらいの物件では、バイクの駐車スペースを広く取って、「バイカーズアパート」としました。大型バイクに乗るような若い方なら、駅から遠いことも気にならないし、それよりもバイクを停められるスペースがあったほうが嬉しいだろうと考えました。そして、そのバイクスペースには屋根をつけませんでした。新築時は物件力があるので、それでも満室になりますし、もし将来的に物件力が落ちたとしても、屋根がないためコンテナを置くなどといった対策がとれます。おかげさまで、2017年10月時点で満室稼働中です。

 

バイク置き場
バイク置き場

金利0.6%台のローンを引いた大田区のアパート

また、これは東京ですが、大田区南雪谷の雪が谷大塚駅徒歩5分の新築アパートは、23区内であるにもかかわらず、積算評価が100%近く、ほぼフルローンの金利0.69%で融資を受けることができました。投資案件として魅力が非常に高いので、1億2,000万円の物件でしたがすぐに売れました。完成後すぐに満室稼動となり、オーナー様にも非常に喜んでいただきました。現在、そのオーナー様からアパート建築の見積もり依頼をいただいているところです。

 

アパート外観
アパート外観

 

あるいは、西横浜駅から徒歩9分の物件は、8世帯のアパートで、物件価格は6,980万円です。近隣と比べてかなりお値打ちです。これは前面道路の水道管が細く、8世帯分の水道を引けませんでした。かといって、戸建てにするには少し広すぎる。そこで、受水槽をつけて水道を引くことにしました。もちろん、費用がかかるのですが、そのコストを含んだNOIを計算すれば十分に利益がでることがわかります。

 

 

[図表]物件の収益シミュレーション

出典:シティネット作成資料
出典:シティネット作成資料

 

――シティネットの企画によって、売り主、投資家のどちらにもメリットがあるということですね。

 

株式会社シティネット 執行役員柴田文治 氏
株式会社シティネット 執行役員
柴田文治 氏

柴田 そこが一番重要なポイントです。横浜の不動産業界という狭い世界で、悪い評判がたてば、あっという間に追いだされてしまいますからね。うちだけが儲かるという仕組みでも駄目ですし、売り主さんだけが儲かる、投資家さんだけが儲かる、ということでも駄目なんですね。関係者のだれにとってもメリットがあるような仕組みを考える。そしてみんなで儲けて幸せになる。それが大切です。だから、リピートで買っていただける投資家の方もたくさんいます。本当にありがたいことだと感謝しています。

取材・文/椎原芳貴(ハビタス) 撮影/永井浩
※本インタビューは、2017年10月6日に収録したものです。