前回は、為替の動きを考慮した投資リターンの計算法を解説しました。今回は、海外不動産投資で成功するための基本ポイントを見ていきます。

肝心なのは英語力ではなく「判断力」

海外不動産投資でハードルだと考えられるのが英語力です。「英語ができないから海外不動産投資は無理」と思っている人は多いでしょう。しかし、英語が話せないからといってあきらめる必要はありません。実際、海外不動産視察のスタディツアーの参加者の中にも、英語が苦手という人は結構いますが、現地で物件を視察し、納得した上で購入しています。実は日本人の英語力は、聞く力や読む力に関しては意外に高いのです。

 

 

契約書やパンフレットは英語や現地の言語で書かれていても、日本語の通じるスタッフがいれば、日本語で質問することができます。納得できるまで話を聞いて、最終判断すれば、問題はありません。

リスク要因は慎重に検討する必要があるが・・・

投資に絶対確実はありません。海外不動産投資においても最悪の事態を想定しておくことが「後悔しない投資」を実現します。

 

例えば、テナントが入らない、価格が下落する、円高になる、建物に瑕疵がある……など、リスクを考えればキリがありません。またローンを借りていると変動金利の場合は金利上昇リスクもありますし、新興国には国自体のリスク(カントリーリスク)も存在します。投資家層が広がればそれに比例してトラブルも増えていきます。以前もカンボジアで日本人投資家を相手にした大規模な投資詐欺事件が報じられました。

 

 

不動産取引に限らず、シェールガスやメタンハイドレートといった新たなエネルギー資源、ダイヤモンドやレアメタルといった希少資源、さらに天然ガス施設の運用権や、水資源開発会社の社員となる権利を対象とする投資などでも、詐欺のような被害が頻発しています。リターンだけを見て安易に投資を始めるのではなく、リスクも認識することが投資の原則です。

 

リスク要因を慎重に検討する必要のある海外不動産投資ですが、リスクを考えすぎるあまり、いつまでも待っていてはチャンスが逃げていきます。すでにマレーシアの首都中心部の物件は、円安と現地価格の上昇で円ベースでの価格が上昇し、外国人に対する投資規制の導入も相まって、なかなか手の届かない価格になりつつあります。また、2014年4月時点では、フィリピンやカンボジアなどはまだ1000万円程度で投資を始めることができますが、今後物件価格が上昇すれば、投資対象として手が出せなくなる可能性があります。

 

矛盾するようですが、「慎重かつ大胆」に行動することが、海外不動産投資には大切なのです。

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『究極の海外不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は著者の個人的な見解を示したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

究極の海外不動産投資

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