今回は、住宅の建築トラブルが闇に葬られる理由を見ていきます。※本連載は、NPO法人ハウジングネットコンシェルジュの代表理事である佐々木孝氏の著書、『誰も教えてくれないマイホーム建築の罠』(太陽出版)の中から一部を抜粋し、住宅業界に横行する「悪習」を明らかにし、住宅を建設する側として押さえておきたい対処術をご紹介します。

業者に対して圧倒的有利な「住宅建築に関するルール」

住宅トラブルの実態はなぜこれほど社会に浸透していかないのか? それは、被害者たちが泣き寝入りするケースが圧倒的に多いからです。

 

高いお金を支払ったにもかかわらず、とんでもない家を建てられたとしたら、誰だって裁判してでもお金を取り戻したい、家を作り直したいと考えるでしょう。しかし裁判を起こす場合、家づくりに失敗してお金を失った状態で、さらに裁判の費用もねん出することになるのです。この現実に、みな腰が引けてしまいます。

 

さらに、住宅建築に関する現在のルールが、業者に対して圧倒的に有利に設定されていますので、裁判を起こしても、まず勝てません。そして結局、泣き寝入りしてしまうのです。これでは住宅トラブルに関する情報が、社会に拡散していくはずがありません。

 

家を建てたら、親兄弟、親友たちからこぞって祝福されます。でも、祝福してくれる周囲のひとたちに対して「でも失敗したんだよ」なんて、なかなか言えないものなのです。

「ステマ」の横行も要因のひとつ

近年はインターネットがすっかり普及しました。検索すれば大抵の情報が、誰でも手に入れられる素晴らしい時代です。しかし、住宅トラブルに関する情報だけは、なかなかはっきりとした実態が見えてきません。これは、ステルスマーケティングによる、情報のかく乱が行われているからだと思います。いわゆる「ステマ」です。

 

住宅業界の宣伝サイトや、建築関係者が書きこんでいるブログは数多くありますが、こうしたサイトに書かれている情報は玉石混交、真贋入り乱れた混沌状態です。

 

自社に対しては良い情報などを掲載し、ライバル会社に対してはネガティブな情報を書き込みます。さらに、コメント欄にも、施主を装っていろいろな書き込みをしていると考えられます。文字通り、どの情報を信じていいのか、専門家でも戸惑ってしまうほどなのです! こうした状況では、詐欺にあった被害者の声など、簡単には見つけてもらえないでしょう。

 

もっとも残念なのは、良心的で優れた住宅メーカーの情報も、混沌としたインターネットの中にうずもれてしまっていることです。

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