国民年金の月々の保険料は、2023年度(令和5年4月~令和6年3月まで)1万6,520円。学生だと納付が難しいという場合も。そこで利用したいのが「学生納付特例制度」ですが、制度を勘違いし、知らず知らずに「年金減額」の危機に直面しているケースも。みていきましょう。
お金がありません!生活苦の20歳・男子学生を救う「学生納付特例制度」だが…勘違いが生む「年金減額」の悲劇 (※写真はイメージです/PIXTA)

親世代よりも厳しい「大学生のお財布事情」…国民年金保険料なんて払えない!

全国大学生活協同組合連合会『第58回学生生活実態調査』(調査実施時期:2022年10~11月)によると、自宅生の生活費(収入合計)は6万4,350円と、前年から720円増加。一方で、下宿生の「収入合計」は12万4,290円と990円減少しました。

 

下宿生の収入について見ていくと、「仕送り」は6万7,650円と前年から4,230円の減少。これは1982年以降最少額だといいます。また仕送り「0円」は8.3%、「5万円未満」は18.4%。下宿生の4人に1人は「仕送り0~5万円未満」で生活をしています。さらに「アルバイト」は3万2,340円で前年から3,210円の増加。「奨学金」は2万0,640円でした。

 

次に支出について見ていくと、「支出合計」は12万3,630円と前年から1,410円の減少。「食費」は2万4,130円、「教養娯楽費」は1万3,270円、「貯金・繰越金」は1万2,970円。仕送りが減る一方、コロナ禍からの行動規制緩和により、それに伴う費用は増加。その分、食費や貯蓄が減少しました。

 

支出を抑えて頑張っている大学生。しかし払わないといけないお金も。たとえば国民年金の保険料。

 

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満で、厚生年金保険に加入していない人は、国民年金の第1号被保険者(自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人など)か、第3号被保険者(厚生年金、共済組合に加入している人に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者かつ、年収が130万円未満の人)となります。専業主婦(夫)は、配偶者が加入している厚生年金や共済組合が一括して保険料を負担しますが、国民年金第1号被保険者は毎月、保険料を納めなければなりません。

 

2023年度、国民年金保険料の金額は、月1万6,520円。前述のとおり、国民年金保険料を払うのは20歳になってからで、おおむね20歳の誕生日から2週間以内に「基礎年金番号通知書」や「国民年金保険料納付書」、返信用封筒などが手元に届きます。保険料の納付は、「国民年金保険料納付書で金融機関やコンビニで納付」「スマホアプリで電子決済」「口座振替」「クレジットカード」の4種類から選ぶことができます。

 

浪人せずに進学していれば、大学2年時に20歳を迎え、最大3年間、学生でありながら保険料を払う必要が出てきますが、親世代よりも厳しいお財布事情のいまどきの大学生。月々1万6,520円の出費はかなりのものです。