(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産投資に失敗する原因は、儲からない物件をつかまされていることにあります。本稿では、投資初心者のための物件購入の基礎知識として、収益不動産の種類やそれぞれの特徴、新築と中古のメリット・デメリットを見ていきましょう。

不動産投資で儲けるには「適切な物件選び」が不可欠

ひと口に不動産投資といっても実はいろいろな物件種別があり、どれを選ぶかによって得られるメリットや注意点が違ってきます。

 

収益不動産としての物件種別は大きく次の4つに分けられます。

 

●1棟マンション

●1棟アパート

●区分マンション

●戸建て

 

不動産投資を行う目的や自分の資金力などに応じて適切な物件種別を選ばないと思うような結果は得られません。

1棟マンション:資金力のある投資家向け

収益不動産のなかでは購入価格が高く、かなりの資金力が必要です。またほかの物件種別より利回りが低く、固定資産税や修繕費といったランニングコストが高い点には注意が必要です。

 

一方、鉄筋コンクリート造など建物がしっかりしていて耐用年数が長く、安定した賃料を長期間、確保しやすいといえます。低金利で長期融資を組みやすい傾向もあります。

 

都市銀行や地方銀行から長期的な融資を受けながらじっくり投資をしていきたい資金力のある投資家向けといえます。

1棟アパート:初心者向きだが、融資のハードルは高め

不動産投資では最も人気が高い物件種別です。価格帯も手頃でランニングコストも低く、将来は建物を解体して更地としての売却も行いやすいのが特徴です。そのため投資額を抑えつつキャッシュフローを優先したいといった不動産投資をこれから始める人に向いています。

 

ただし、金融機関から融資を受けるハードルが高めです。新築の場合、都市銀行や地方銀行も積極的に融資を行いますが、古くなると信用金庫や信販会社などに融資先が限られてきます。さらに融資期間は1棟マンションや区分マンションに比べて短くなる傾向があります。

区分マンション:投資初心者やリスクを抑えたい人向け

分譲マンションの1住戸を購入して貸し出すものです。分譲マンションでは各住戸がそれぞれ独立して所有権(区分所有権)の対象となっており、投資用に購入できます。1住戸なので当然、1棟マンションより必要資金は少ないですし、立地の良いものが多いのでいったん入居者が退去しても、次の入居付けをしやすいのが特徴です。

 

ただし区分マンションの場合、ローンを利用できるのが主に信販会社となります。また、管理組合に対して毎月、修繕積立金や管理費を支払わなければならずランニングコストもかかるため、キャッシュフローがかなり厳しくなります。

 

さらに、フルローンに近い資金計画で区分マンションを購入している個人投資家に対して金融機関は厳しい評価をするので、物件を買い増していくといった規模拡大のハードルが高くなるので注意が必要です。

 

とはいえ節税目的や手頃な価格で好立地に物件をもてるため、不動産投資初心者の人やリスクを最小限に抑えたい人には向いています。

戸建て:投資用だと融資は難しめ。DIYが得意な人向け

戸建ては1棟マンション、1棟アパートよりは少ない資金で始めやすく、ターゲットとする入居者がファミリー層であるため長期的な入居が見込めるのが特徴です(2年契約を更新していく形をとります)。

 

ただし、投資用としては金融機関の融資が難しく現金での購入になることが多くなり、ほかの物件種別に比べるとレバレッジをかけにくいといえます。その分、資産を増やすのに時間がかかるので注意が必要です。

 

また、1棟マンション、1棟アパートに比べると、賃料収入に対する修繕費用の割合が高くなる傾向があり、管理を不動産会社に任せるとさらにその傾向が強まります。戸建てはDIYを積極的に行える人に適しています。

種別だけでなく、新築か中古かも重要

不動産投資の投資対象としては、アパートであれマンションであれ、新築と中古の違いも重要です。

 

まず新築物件のメリットとデメリットとして挙げられるのは、次のような点です。

 

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<新築のメリット>

●修繕費が当面かからない(支出が抑えられる)

●金融機関の評価が出やすいので長期のローンを組める(キャッシュフローが良くなる)

●建物や設備が新しく入居者が付きやすい(空室になってもすぐ埋まる)

●建物価格の割合が大きく減価償却費が取りやすい(節税効果が高い)

 

<新築のデメリット>

●利回りが低い

●担保価値が出づらい

●全戸空室からのスタート

●家賃の下がり幅が大きくなりやすい

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新築は低金利の金融機関で長期ローンを組む人が多く、入居付けもしやすいため、安定的に稼働させやすいといえます。

 

一方、利回りが低く、築年数が経ってくると家賃の下がり幅が大きくなるという点に注意が必要です。1棟目や2棟目で安定的に稼働させて不動産投資の基盤をつくりたい人に向いています。

 

続いて、中古物件のメリットとデメリットです。

 

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<中古のメリット>

●利回りが高い

●積算が取れている物件もある(金融機関の評価が出やすい=ローンを多く借りられる)

●家賃の下落幅が小さい

●新築より立地の良い物件が出てくる

●入居者がすでに入っていることがある

 

<中古のデメリット>

●ローンを長期で組むことが難しい(キャッシュフローが厳しくなりやすい)

●入居付けに新築より手間がかかることが多い

●修繕費が発生する

●長期間の減価償却を取れないケースも多い

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中古は新築より長期のローンを組みづらく、修繕費用も発生しやすい点には注意が必要です。しかし利回りが高いため、長期のローンを組むことができればむしろキャッシュフローが良くなります。

 

入居付けは新築より手間がかかることが多いため、その分の労力は必要です。あえて空室が多く修繕もまったく行っていない物件を安く買って、再生物件として運用するケースも見られます。

 

新築と中古のメリットとデメリットは異なるため、物件を組み合わせながら運用していくのもいいと思います。

 

 

會田 和宏

株式会社あおば不動産販売 代表取締役

 

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※本連載は、會田和宏氏の著書『勝てる! 不動産投資~投資初心者のための物件購入の基礎知識~』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

勝てる!不動産投資 ~投資初心者のための物件購入の基礎知識~

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會田 和宏

幻冬舎メディアコンサルティング

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