(※写真はイメージです/PIXTA)

最終的に不動産投資の成功は、毎月の賃料収入(インカムゲイン)と売却時の利益(キャピタルゲイン)を合計したトータルの収益がどれだけプラスになるかによって決まります。不動産投資の成功の鍵は収支計画にあるといっても過言ではありません。収支計画を見るに当たっては、競合物件の価格や利回り、地価の動向など周辺の相場を理解しておくことも重要です。本稿にてポイントを見ていきましょう。

競合物件の価格・利回り

競合物件の利回りは築年数や価格帯によるばらつきがありますが、レインズをはじめさまざまな情報源から売却物件の売出価格、賃貸物件の募集賃料などを大量に集めることで、かなり正確に推測できるようになっています。

 

例えば、収益物件の情報サイトとして知られる「健美家」では、毎月収益物件 市場動向マンスリーレポートを公表しています(図表1)。これを見ると、区分マンション、1棟マンション、1棟アパートについての価格の推移と、全国と8つのエリア別に利回りの価格の推移が分かります(登録物件ベース)。

 

出所:『健美家』より
[図表1]「健美家」の「収益物件 市場動向マンスリーレポート」 出所:『健美家』より

 

これはエリア全体の平均的な動向についてですが、不動産会社によっては個別物件の最寄り駅圏にまで絞ったデータを提供してくれるケースもあります。こうした情報は、購入を検討している物件の出口戦略を考える際にも役立ちます。

地価

不動産投資における出口戦略を大きく左右するのが土地の価格(地価)です。

 

日本では法律上、土地と建物はそれぞれ別の不動産として扱われ、築年が経つにつれて建物の評価額が下がる傾向があるのに対し、土地(地価)は経済状況などに左右されるもののエリアや立地によっては値上がりすることもあります。

 

地価下落が生じにくいエリアでは売却価格を想定しやすく、また賃料の利回りが一定以上あれば十分投資に値するといえます。一方、地価の下落が顕著なエリアでは、土地の下落分を賃料の累積で補う必要があるため資金回収に時間がかかり、投資判断はより慎重に行うべきです。

 

そもそも、地価にはいくつか種類があります。

 

【①取引価格】

実際に不動産市場で取引された価格で、実勢価格や市場価格とも呼ばれます。米国ではいつ、どの物件が、いくらで取引されたかがオープンになっていますが、日本ではエリアごとに業界関係者の間での噂レベルです。それでもエリアごとの取引価格の動向については、不動産会社に聞くのがいちばん手っ取り早いといえます。

 

国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」を見るのもよいです(図表2)。掲載されている取引価格情報は、国土交通省が不動産の取引当事者を対象に実施したアンケート調査の結果などをもとに、物件が容易に特定できないように加工した上で四半期(3ヵ月)ごとに公表しているものです。

 

出所:国土交通省公式ホームページより
[図表2]国土交通省の「土地総合情報システム」 出所:国土交通省公式ホームページより

 

【②公示地価(公示価格)】

これは一般の土地取引の目安や公共用地の取得価格算定の基準とするため、国土交通省が全国で選定した約2万6000ヵ所の土地(標準地)について、毎年1月1日時点における1m2あたりの価格を調査し、3月下旬に公表しているものです。

 

調査は不動産鑑定士が実際の取引事例をもとに、売り急ぎなどの特殊な事情を除き、また建物のない更地としての価格を鑑定しています。取引価格(実勢価格)にかなり近いものの、個別のケースではさまざまな事情が影響します。公示地価については、国土交通省のホームページから調べることができます。

 

【③基準地価】

基準地価は、都道府県が選定した約2万1000ヵ所の基準地について、毎年7月1日時点での1m2当たりの更地価格を調査したもので、毎年9月下旬に公表されます。

 

公示地価とともに取引価格(実勢価格)に近い地価データとして利用されています。

 

なお、公示地価は基本的に市街地など都市計画区域を対象としているのに対し、基準地価は都市計画区域外も含まれるため郊外の土地価格の参考になります。

 

基準地価についても、国土交通省のホームページから調べることができます。

 

【④固定資産税評価額】

各市区町村が固定資産税の税額を算定する基準とするため、土地と建物などについて定めているもので、3年に1度見直し(評価替え)が行われます。土地の固定資産税評価額については公示地価や基準地価の7割を目途としています。

 

固定資産税評価額は、不動産の所有者に毎年送付される固定資産税の納税通知書(課税明細書)で確認できます。また、地元の自治体にある固定資産課税台帳を閲覧する方法もありますが、閲覧できるのは固定資産税の納税義務者、相続人、借地人・借家人などに限られます。

 

【⑤相続税路線価】

国税庁が都市部などの土地について相続税や贈与税の税額を計算する基準とするため、毎年公表しているものです。

 

具体的には、毎年1月1日時点における主要路線(道路)に面した宅地等の1m2あたりの金額です。相続税や贈与税の計算においては、それぞれの土地が面した道路の路線価を調べ、土地の面積をかけます。さらに土地の形状や周辺状況によって、一定の割合で加算したり減額したりします。

 

相続税路線価は②の公示地価や③の基準地価の8割を目途としています。ただ、大都市圏や都市の中心部ほど実際の取引価格(実勢価格)より低く、地方や郊外は逆に実際の取引価格(実勢価格)との差が小さいといわれます。

 

とはいえ相続税路線価は全国の都市部をほぼカバーしており、不動産投資においては重要な役割を果たしています。

 

例えば、物件価格は土地建物を合わせた金額であるのが一般的ですが、相続税路線価に土地面積をかけたものを土地部分の価格の一つの目安とすることができます。あるいは、金融機関からローンを借りる際の審査では、土地の担保評価について路線価を目安にするケースが多いです。さらに、過去から路線価がどう変わってきたかを見ると、そのエリアでの地価の動きが分かります。

 

なお、全国各地の相続税路線価は国税庁のホームページから誰でも簡単に調べることができます(図表3)。

 

出所:国税庁公式ホームページより
[図表3]国税庁の路線価図・評価倍率表 出所:国税庁公式ホームページより

 

 

會田 和宏

株式会社あおば不動産販売 代表取締役

 

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※本連載は、會田和宏氏の著書『勝てる!不動産投資~投資初心者のための物件購入の基礎知識~』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

勝てる!不動産投資 ~投資初心者のための物件購入の基礎知識~

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會田 和宏

幻冬舎メディアコンサルティング

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