一見すると同じなのに、知らず知らずにして生じている給与格差。男女、学歴、企業規模、雇用形態……さらに地域によっても、給与は大きく異なります。総務省のデータから「全国1741市区町村の給与格差」をみていきましょう。
全国市区町村「平均年収」ランキング…順位に異変!?上位常連「高所得の村」に何が起きたのか (※写真はイメージです/PIXTA)

1741市区町村の平均年収「東京都がトップ10を独占」そのなかで…

総務省『令和3年度課税標準額段階別所得割額等に関する調』から東京特別区、それぞれの最新の平均年収を算出したところ(関連記事:『東京23区年収ランキング…1位「港区」と23位「葛飾区」、思わず唖然とする給与格差』)、23区といっても、都心とその周辺部では、平均年収に大きな差があることがわかりました。

 

*令和3年7月1日における全市町村の課税の状況等を集計編さんしたもの

 

その要因のひとつといえるのが就業構造。いわゆるホワイトカラーの多い都心部と、ブルーカラーも多い周辺部。さらに不動産価格の高騰が顕著な都心部では、そもそも高所得者でないと住むことさえできない……そんな地域ごとの実情が平均年収にも如実に表れていました。

 

では範囲を全国に広げてみていきましょう。全国1741市区町村のトップは、「東京都港区」1,184万6,562円、最下位は「秋田県上小阿仁村」221万2,633円で、その差、963万円にもなります。

 

さらに1741市区町村の年収、平均値は299万1,179円、中央値は289万8,332円でした。ちょうど平均値あたりになるのは、683位「福岡県須恵町」299万1,458円、684位「北海道北見市」299万0,814円。ちょうど中央値にあたりになるのは、870位「青森県弘前市」289万8,502円、871位「岐阜県高山市」289万8,332円。

 

一部の市区町村の平均年収は非常に高額ですが、たいていの市区町村の平均年収は200万~300万円代に集中しています。

 

では上位に注目してみましょう。トップ10はずらりと東京都の区市が並びました。そのなかで唯一東京都以外でランクインしているのが、「兵庫県芦屋市」712万4,560円。トップ10の常連で、いわずと知れた関西のお金持ちの住む街。特に昭和初期に開発された「六麓荘町」は、日本で唯一、本当のお金持ちが住む街として、格別な扱いをされています。

 

【市区町村別「平均年収ランキング」ベスト10】

1位:東京都港区 11,846,562円

2位:東京都千代田区 9,851,789円

3位:東京都渋谷区 9,116,523円

4位:東京都中央区 7,124,560円

5位:兵庫県芦屋市 7,013,727円

6位:東京都目黒区 6,387,933円

7位:東京都文京区 6,241,259円

8位:東京都世田谷区 5,721,772円

9位:東京都新宿区 5,614,122円

10位:東京都武蔵野市 5,423,873円

出所:総務省「令和3年度課税標準額段階別所得割額等に関する調」より