時間にとらわれなくないから、生活の足しにしたいから、他に仕事がないから……さまざまな事情でパートタイムで働く人たちが、全国に1,500万人ほどいます。その給与事情を、厚生労働省の統計資料からみていきましょう。
都道府県「パートの時給」ランキング…1位「東京都」と47位「宮崎県」の残酷な賃金格差 (※写真はイメージです/PIXTA)

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パート含む短時間労働者…待遇改善へ

1月21日、新たに1都12県が蔓延防止等重点措置の適用となりました。すでに適用となっていた広島、山口、沖縄と合わせて、16の地域へと拡大したことになります。

 

このコロナ禍により、飲食店などを中心にパートやアルバイトといった短時間労働者の雇止め、解雇が相次ぎ、生活苦に陥る人が増加しました。

 

「短時間労働者」は、健康保険・厚生年金保険の適用範囲拡大により定義された雇用形態で、通常の労働者よりも1週間の所定労働時間が短い労働者のなかでも、以下の条件に当てはまる人のことをいいます。

 

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 1年以上の雇用見込がある
  • 月の給料が88,000円以上である(残業手当や通勤手当、ボーナス等は含まない)
  • 学生でない(夜間、通信、定時制を除く)
  • 特定適用事業所、任意特定適用事業所等で働いている

 

これらの条件に当てはまっていれば、パートタイマーやアルバイト、契約社員などと、呼称は異なっていても短時間労働者に該当します(本記事では便宜上、以降、パートタイムと称します)。

 

また2020年5月に成立した年金制度改正法により、パートタイムの社会保険適用が今年の10月から段階的に拡大されます。まず、現在、被保険者の総数が常時500人の特定適用事業所の要件が、常時100人超の事業所へと変更。また勤務期間の要件も「雇用期間が継続して2ヵ月以上使用される、または使用される見込みであること」へと変更となります。さらにその2年後には、被保険者の総数が常時50人超の事業所へと変更になります。

 

2021年4月からは、中小企業も「パートタイム・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)」の対象に。正社員(無期雇用フルタイム労働者)と非正規社員(有期雇用パートタイム労働者)の待遇格差解消を目指すもので、中小企業も早めの対応が求められています。