税金 オペリー 減価償却
連載航空機・ヘリコプターで大規模投資・短期償却するオペレーティングリースの活用術【第3回】

オペレーティングリース取引と「税務上のリース取引」の違い

オペレーティングリース

オペレーティングリース取引と「税務上のリース取引」の違い

前回は、航空機、ヘリコプターが優良資産といわれる理由について説明しました。今回は、オペレーティングリースの取引における留意点について見ていきます。

貸主は減価償却費を計上できない税務上のリース取引

オペレーティングリースの仕組みを活用すれば、個人や法人の税額をタックスマネジメントでコントロールすることが可能です。ただし、税法は、リース取引を「税務上のリース取引」と「その他のリース取引(いわゆるオペレーティングリース取引)」に分けていることに注意しなければなりません。

 

税務上のリース取引に該当すると、資産の賃貸借取引ではなく、売買取引があったものとして取り扱われることになります。資産の売買取引があったということになると、減価償却費を計上できるのは、リース資産の借り主になってしまうのです。当然ながら貸し主は減価償却費を計上できません。

 

それでは一体、どのような取引が税務上のリース取引に該当するのでしょうか。簡単にまとめると、資産の賃貸借で次の二つの要件に該当するものです。

 

①賃貸借期間の中途において契約の解除をすることができないもの又はこれに準ずるもの(ノンキャンセラブル)

 

②賃借人が賃貸借資産からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、賃貸借資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているもの(フルペイアウト)

 

なお、「賃貸借資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているもの」とは、契約を解除することができないとされている賃貸借期間中に支払われる賃借料の合計額が、その賃貸借資産の取得のために通常要する価額(事業の用に供するために要する費用の額を含む)のおおむね90%を超える場合をいいます。

税務上のリース取引に該当する条件とは?

要するに、税務上のリース取引とは、

 

①賃貸借期間中の中途解約禁止

②賃借人が賃貸借資産から利益を得ている

③賃借人が契約解除禁止期間中に、賃貸借資産の取得価額の90%超の賃借料を支払う

 

ことを満たしている取引です。

 

これらの要件のうち、どれか一つでも満たさない賃貸借取引が、オペレーティングリース取引ということになります。なかでも代表的なケースは、二つです。

 

一つは、賃貸借期間中の中途解約が可能な賃貸借取引です。

 

もう一つは、契約解除禁止の賃貸借期間中の賃貸収入の合計額が、その賃貸借資産の取得価額(付随費用を含む)の90%以下になるように、賃貸収入を設定する賃貸借取引です。この場合、賃貸収入で賃貸借資産の取得価額の90%以下しか資金回収が図れないことになりますので、貸し主が投資額を回収できるかどうかは、賃貸借資産の譲渡価額次第ということになり、資金回収リスクを貸し主が負うことになります。

 

【オペレーティングリースを使った節税額のイメージ(法人)】

(設例)
●新品のヘリコプター
期首購入(使用期間12カ月)、同時に事業供用
取得価額:5億円
耐用年数:5年
賃貸期間:5年
賃貸収入:5000万円/年度
6年後に2億5000万円で売却
法人税実効税率:35.64%と仮定


■法人税等の節税(課税繰延)効果(単位:万円)

1年目(5000-20000)×35.64%=▲5346
2年目(5000-12000)×35.64%=▲2495
3年目(5000-7200)×35.64%=▲784
4年目(5000-5400)×35.64%=▲143
5年目(5000-5400)×35.64%=▲142
1~5年目の累積節税(課税繰延)額=▲8910万円

6年目(2億5000万円-1円)×35.64%=8910万円


(注) 実際には、投資リターンを得るためには、賃貸収入+売却額>投資額とする必要
がある。

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『スゴい「減価償却」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載の内容に関しては正確性を期していますが、内容について保証するものではございません。取引等の最終判断に関しては、税理士または税務署に確認するなどして、ご自身の判断でお願いいたします。

杉本 俊伸

杉本俊伸税理士事務所 所長・税理士

1967年宮城県生まれ。中央大学法学部を卒業後、国税庁入庁。大曲税務署長、関東信越国税局調査査察部国際調査課長、ハーバード大学ロースクール、財務省主計局主計官補佐、国税庁資産課税課課長補佐、税務大学校研究部主任教授兼国税庁国際業務課、東京国税局調査第三部長等を経て、2013年12月退官。2001年米国公認会計士資格合格。東京国税局の調査部長として大企業の税務調査を指揮したほか、国税庁では全国国税局の資産課税事務の指導監督などを経験。現在は相続・事業承継、税務調査対策、国際税務に関するコンサルティングに取り組んでいる。

著者紹介

連載航空機・ヘリコプターで大規模投資・短期償却するオペレーティングリースの活用術

スゴい「減価償却」

スゴい「減価償却」

杉本 俊伸+GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

「減価償却で節税」とはよく聞きますが、課税と節税の仕組みを十分に理解して使いこなせている人は多くありません。減価償却を活用するポイントは、タックスマネジメントです。タックスマネジメントとは、税額や納付のタイミン…

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