オペレーティングリースの導入で自社株評価を引き下げる方法

前回は、投資金額が高額となる「オペレーティングリース」を導入するタイミングについて説明しました。今回は、非上場会社の株式贈与にオペレーティングリースの活用が役立つ理由を見ていきます。

株式の評価額が低くなれば贈与税は軽減

非上場会社の株式を贈与するときなどは、贈与税などを考えれば株式の評価額が低いほうが有利です。そんな場合にも、大規模な投資による航空機のオペレーティングリースは役立つ可能性があります。

 

例えば、社長である父親が株式を100%所有する非上場会社(従業員120名、一般の会社)の株式をその会社の役員である子に贈与するとします。この場合の株式の評価は、どのように行うのでしょうか。

 

父親の会社の株式は、原則、類似業種比準方式により評価します。類似業種比準方式では、事業内容が類似する上場会社の平均株価に比準して会社の株式価額を求めます。1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額の三つについて、父親の会社と類似会社を比較して、その比準割合を求めて、それを類似会社の平均株価に乗じます(図表1)。

 

【図表1 類似業種比準価額】

利益を大きく引き下げるオペレーティングリースの導入

では、父親の会社の株価を引き下げるためには、どうしたらいいでしょうか。

 

類似業種比準価額の計算式を見ると、株価を引き下げるためには、配当や簿価純資産に比べて、3倍の加重がされている利益を引き下げることが最もインパクトが大きいことがわかります。

 

そこで、オペレーティングリースを活用した対策の出番です。仮に、対策前の状況として、評価会社の配当(B)=類似会社の配当B、評価会社の利益(C)=類似会社の利益C=2000万円、評価会社の簿価純資産(D)=類似会社の簿価純資産D=6億円とした場合、計算式の分子は、1+1×3+1=5となります。

 

次に、株価の引き下げ対策として、1年で減価償却できる中古ヘリコプターを5億円で取得して、賃貸収入が5000万円と仮定します。評価会社の利益は、2000万円+5000万円−5億円=4億3000万円の赤字になります。また、評価会社の簿価純資産は、6億円−4億3000万円=1億7000万円になります。

 

これらから、計算式の分子は、1+0×3+0.28=1.28となり、株価を74.4%(=1−1.28÷5)引き下げています。このように、オペレーティングリースは非上場株式の株価引き下げにも威力を発揮することが期待できます(図表2)。

 

【図表2 オペレーティングリースで株価引き下げ】

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『スゴい「減価償却」』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
本連載の内容に関しては正確性を期していますが、内容について保証するものではございません。取引等の最終判断に関しては、税理士または税務署に確認するなどして、ご自身の判断でお願いいたします。

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連載航空機・ヘリコプターで大規模投資・短期償却するオペレーティングリースの活用術

杉本俊伸税理士事務所 所長・税理士

1967年宮城県生まれ。中央大学法学部を卒業後、国税庁入庁。大曲税務署長、関東信越国税局調査査察部国際調査課長、ハーバード大学ロースクール、財務省主計局主計官補佐、国税庁資産課税課課長補佐、税務大学校研究部主任教授兼国税庁国際業務課、東京国税局調査第三部長等を経て、2013年12月退官。2001年米国公認会計士資格合格。東京国税局の調査部長として大企業の税務調査を指揮したほか、国税庁では全国国税局の資産課税事務の指導監督などを経験。現在は相続・事業承継、税務調査対策、国際税務に関するコンサルティングに取り組んでいる。

著者紹介

スゴい「減価償却」

スゴい「減価償却」

杉本 俊伸+GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

「減価償却で節税」とはよく聞きますが、課税と節税の仕組みを十分に理解して使いこなせている人は多くありません。 減価償却を活用するポイントは、タックスマネジメントです。タックスマネジメントとは、税額や納付のタイミ…

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