マンハッタンの「コープ」とコンドミニアムの違いとは?

マンハッタンの区分所有は、一般的なマンションである「コンドミニアム」と、入居審査が厳しく使用にも条件がつく「コープ」とに大別されます。今回は、「コープ」の概要と投資物件とする際の留意点などを見ていきます。

有名セレブでも審査に落ちることのある「コープ」

マンハッタンの区分所有は大きく分けて「コンドミニアム」と「コープ」に分類されます。

 

コンドミニアムはいわゆる分譲マンションなのですが、コープはニューヨークメトロポリタン地域に特に多く見られる制度です。

 

 

コープは「Cooperative Apartment」の略で、ビル全体が管理組合とシェアホルダーによって構成される非営利法人であるため、コープの所有者に部屋の所有権はなく、部屋の大きさに応じた割合の株式を取得して、居住権を有することになります。

 

コープは、マンハッタンを中心にクイーンズ、ブルックリン、ニュージャージーやロングアイランド、ウエストチェスター地区でも数多く存在しており、マンハッタンでは中古住宅の70%がコープだと言われています。

 

コープの歴史は1800年代半ばまでさかのぼります。当時はホームクラブと呼ばれており、所有形態よりも社交的な意味合いが強かったそうです。その名残もあってか、コープの購入希望者は管理組合による厳正な審査をパスしなければなりません。特にセントラルパーク付近やアッパーイーストの高級コープでは審査が厳しく、職歴、推薦状、資産残高など多くの書類を提出し、面接が行なわれます。

 

審査基準はコープによって異なりますが、重要なのは「月々の管理費を問題なく払えるか」という金銭面と、「隣人としてふさわしいか」という品格面です。

 

そのため、有名セレブでもマスコミがビルに押し寄せる可能性があるということで審査に落ちることもあります。また外国人という理由で審査に落ちる可能性もありますがこの審査基準は明示する必要がないため、落ちても理由を開示されない場合が多いです。1980年代には数多くの賃貸ビルがコープに転換されましたが、その中には比較的審査が簡単なビルディングもあります。

コープの新しい形態「コンドップ」は賃貸しやすい

投資家が一番気をつけるべき点はコープはルールが非常に厳しいということです。基本的にコープ所有者のほとんどが自己使用目的のため、賃貸ができなかったり、可能であってもルールが厳しく設定されています。またセカンドハウス使用や両親から子供へ譲渡する形の売買も禁止されていることがあります。

 

コープの所有者は不動産を所有しているわけではないため、個別に固定資産税を払うことはありません。毎月支払うメンテナンス(共益費)費の中に固定資産税が含まれています。メンテナンスのうち固定資産税の割合がどの程度かはビルによって異なるので、確定申告の際には確認が必要です。

 

このように、制約が多いことからコープという形式は80年代以降の新築はほとんどなく、それ以前に建てられたビルのみでした。

 

ただ、近年では「コンドップ」と呼ばれる新しいタイプのコープが見られることがあります。コンドップとは、所有形態はコープですが、賃貸などビルのルールはコンドに近い、賃貸しやすい形となっています。コンドよりも値段が安く賃貸もしやすいことから投資家でも購入される方がいますが、これは借地権の場合が多いので、ビルのルールと土地の賃貸契約の詳細を確認する必要があります。

 

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連載「ニューヨーク不動産」投資の最新事情

Relo Redac, Inc.  住宅部門バイスプレジデント

リダック住宅部門責任者。ニューヨーク州、コネチカット州、ニュージャージー州、マサチューセッツ州の不動産取引責任者(Broker)ライセンス保持者。
ニューヨーク不動産協会会員。米国不動産歴28年。兵庫県生まれ。1988年よりマンハッタンを中心に数多くの賃貸、売買、投資を手がける。2005年より住宅部統括責任者として日米で数々のセミナーを開催。
世界の投資家が集まるニューヨークで、ブラックマンデー、9.11、リーマンショックなど、自らが体験した28年間に及ぶニューヨーク不動産市場を元に ニューヨーク不動産の強み、落とし穴、日米の商習慣の違いなどわかりやすく解説する。

著者紹介

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