ニューヨーク不動産の購入に必要な一連の手続きとは?

ニューヨーク不動産の購入に必要となる手続きは、実際にはそれほど複雑ではありません。今回は、物件を購入するまでの一連の手続きと注意点について見ていきます。

NY不動産の購入に必要なアクションは大きく4つ

ニューヨークにおける不動産購入の手続きは、どのような流れで行われるのでしょうか。

 

実のところ、投資家の方がしなければならないアクションはきわめてシンプルで、主に下記の4つとなります。

 

 

(1)Power of Attorneyへのサインと公証

(2)契約書のサインと頭金の送金

(3)管理組合への書類の提出

(4)残金の送金

 

Power of Attorneyとは「権限委任状」です。アメリカ国外在住の投資家の多くは、わざわざ渡米して、クロージング(物件引渡し日)に出席しません。権限を委任された弁護士が代わりにサインをするようにします。

 

このPower of Attorneyですが、必ず公証(Notarization)が必要とされています。日本ではあまりなじみがありませんが、アメリカでは重要な書類に公証が求められる場合が多々あります。サイン社会のため、書類にサインをした人が本人であることを証明するために利用されています。公証人の資格を持った人は、アメリカ国内では銀行の窓口や公的機関にいるため、身分証明書を提示し、その場で必要な書類にサインするだけの簡単な手続きです。

 

日本で公証をもらうためにはアメリカ大使館か、公証役場に行く必要があります。アメリカ国外で公証を得る場合には、同時に「アポスティーユ」と呼ばれる外務省の公印証明が必要です。大使館では公証と同時にアポスティーユが発行されますが、公証役場の東京都、神奈川県および大阪府以外ですと別途手続きが必要となります。

 

また、タイトル保険会社(連載第2回を参照)によっては、大使館の公証でないと認めない場合もまれにありますので、事前に確認するようご注意ください。

資金はレートの良い時期にまとめてドルに換えておく

契約書は、弁護士間での内容交渉が終わったあと、買い手側が先にサインをします。

 

頭金の送金タイミングは、契約書のサインと同時です。中古物件の場合は購入価格の10%、新築の場合はデベロッパーによって異なりますが、10%~30%程度となります。建築途中の新築の場合は契約書サイン時に10%、その後数ヵ月後にさらに15%、というスケジュールになっている場合がありますので、最後の送金も含めると最大で3回に分けて送金することになります。

 

不動産購入は大きな金額が動くため、為替のタイミングを注視し、レートの良い時期にまとめてドルに換えておくことをおすすめします。頭金の送金先は「弁護士エスクロー口座」です。エスクロー口座とは取引の一時金を預ける信託口座のことで、クロージングの日まで預けておきます。

 

コンドミニアムを購入される場合には管理組合に提出する書類の準備が必要です。銀行口座の残高証明や雇用証明が中心となりますが、筆者の会社では経験豊富な担当者が、投資家の方からご用意いただく書類が最小限で済むように手配しています。

 

残金(最終金額)の送金はクロージングの1週間前から3日前を目安に行ないます。購入経費の詳細、コモンチャージ(共益費)や不動産税の日割り計算が行なわれ、最終的な送金額が決定すると、弁護士から暫定的なクロージングステートメント(最終計算書)が送られます。マンハッタンの売買では、クロージング予定日から実際のクロージングがずれることが多々あります。この金額に基づいて送金しますが、クロージング当日に再計算したり、細かい費用が発生することもよくあるため、通常やや多めに送金します。

 

 

送金はともかく、契約書の理解、管理組合の書類準備を自力で行うのは初めての方には大変かもしれません。その場合は、専門業者への相談をお勧めします。

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連載「ニューヨーク不動産」投資の最新事情

Relo Redac, Inc.  住宅部門バイスプレジデント

リダック住宅部門責任者。ニューヨーク州、コネチカット州、ニュージャージー州、マサチューセッツ州の不動産取引責任者(Broker)ライセンス保持者。
ニューヨーク不動産協会会員。米国不動産歴28年。兵庫県生まれ。1988年よりマンハッタンを中心に数多くの賃貸、売買、投資を手がける。2005年より住宅部統括責任者として日米で数々のセミナーを開催。
世界の投資家が集まるニューヨークで、ブラックマンデー、9.11、リーマンショックなど、自らが体験した28年間に及ぶニューヨーク不動産市場を元に ニューヨーク不動産の強み、落とし穴、日米の商習慣の違いなどわかりやすく解説する。

著者紹介

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