今回は、「子ども連れ」にオススメの地中海クルーズについて紹介します。※本連載は、外国客船「オーシャニアクルーズ」の乗船コーディネーターである喜多川リュウ氏の著書、『極上のクルーズ手帖』(クルーズトラベラーカンパニー)の中から一部を抜粋し、クルーズ旅行の予約から、下船までの基礎知識を紹介します。

子どもの面倒を見てくれる「専任スタッフ」も

子どもを連れての船旅が、いかにメリットが大きいかをお伝えしたい。

 

船旅の基本的な特徴のひとつは「オールインクルーシブ」だ。直訳すると「すべて込み」ということになる。ここでいうすべてとは、全食事、移動、宿泊、イベント、ナイトショーなどを指す。つまり、個人の嗜好によるアルコールや船内でのショッピング、寄港地観光以外は、すべてクルーズ料金に含まれているということだ。これなら旅行の総予算も立てやすい。

 

以下にファミリー旅行で気になるポイントについて、船旅にした場合どれだけのメリットがあるかを述べよう。

 

①治安

船旅は究極の団体旅行。乗客の素性はみな明らかなので、船内ではスリや置き引きなどのトラブルはほとんど発生しない。

 

②衛生・医療

ひとたび船内で伝染病が発生するとたいへんなことになる。だからこそ、船旅の衛生管理はじつに徹底している。乗船前やレストランに入る前には、手の消毒を義務づけている船会社が多い。また、ケガをしたり、体調を崩したりしても、医務室が備わっているので、治療を受けながら旅を続けられる。

 

③キッズプログラム

普通のファミリー旅行ではなかなか対応できないのが旅行中の子どもの世話だ。ファミリーを歓迎している客船にはキッズクラブがあり、専任スタッフが子どもの面倒をみてくれる。世界中から乗船してきた子どもたちが集まるので、一見するとインターナショナルスクールのような雰囲気だ。

 

図画工作やTVゲーム、カラオケなどのプログラムがそろっているので、子どもがキッズルームで遊んでいる間に、おとなはアフタヌーンティーやナイトショー、カジノなどで羽を伸ばすこともできる。

 

④食事

乗船中はレストランやスナックスタンドなど、食事を提供している場所なら食べたいだけ食べられる(一部の有料特別レストランは除く)。育ち盛りの子ども連れには、これ以上のメリットはあるまい。

船会社によっては「子ども料金が無料」に!

⑤乗船料金

地中海をベースにしているMSCクルーズやコスタクルーズでは、なんと「子ども無料(乗船料金)」という破格の特典を提供している。「おとなふたりと同室の子どもはふたりまでが無料」というものだ。

 

さらにこの特典のすごいところは「子ども」の定義だ。通常、旅行業界では2歳以上12歳未満を「子ども」というのだが、MSCクルーズもコスタクルーズも「18歳未満」を「子ども」と定義している。つまり高校生でも18歳未満ならふたりまで無料なのだ! 世界遺産の宝庫、ヨーロッパ・地中海を、無料の船旅で訪れることができることになる。

 

「おとなふたり、子どもふたり」の組み合わせは必ずしも父母と子どもでなくともかまわない。「祖母と母と子どもふたり」とか、仲よしの「母と子」が2組でもいい。ヨーロッパ往復の航空運賃は人数分かかるが、現地へ着いてから無料というメリットは大きい。

 

船旅は、もはや一部の富裕層だけがする特別な旅行でもなんでもないということをおわかりいただけるだろう。

極上のクルーズ手帖

極上のクルーズ手帖

喜多川 リュウ

クルーズトラベラーカンパニー

クルーズの裏ワザを知り尽くした著者、喜多川リュウ氏によるクルーズ取り扱い説明書。 予約できる全50ブランド最新データも掲載。読むだけでクルーズの基礎知識から小ネタまで身につく一冊です。

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