故郷に図書館を・・・ある創業者が「詩集」を出版した理由 

今回は、青春の思い出を詩集として出版した、ある創業者の事例を紹介します。※本連載では、毎回ひとつの事例をあげ、なぜ人々は本を出すのか、そして、本を出すことでどんなドラマが生まれるのかを探っていきます。

人生の財産「青春の思い出」を後世に残したい

株式会社フェスティバロ社の創業者、郷原茂樹氏は自身の青春時代の思い出を「詩集」として1冊の書籍にまとめた。

 

フェスティバロ社は創業以来、地元鹿児島の唐芋を原料としたデザートで人気を博し、現在では全国各地の空港や大都市圏を中心に展開をしている。

 

唐芋は昔から身体に良いと言われてきた。最近の医学研究でも、唐芋が豊かな栄養分に恵まれている上に、健康に良いさまざまな機能性分を含有していることが明らかになっている。 フェスティバロ社では唐芋のこのような良さを失わせない方向で、ケーキづくりを進めてきた。つまり、防腐剤や着色料、膨張剤などの添加物は一切使わないことを徹底したことにより、全国に多くのファンを獲得することができた。

 

独自の理論で経営を成功に導いてきた郷原氏だが、一方で文化による地域の活性化に力を入れてきた。郷原氏は若い頃から地元大隅半島に図書館をつくるのが夢だった。

 

まずは自身の波乱万丈な経験を「ソング&ポエム1 あの時代がイメージさせた青春の歌」として執筆した。

 

ベトナム戦争をめぐり、世界中が激しく揺れ動いた時代。お金が満ちあふれたバブルと呼ばれた時代。あっけなくバブルがはじけた「失われた時代」と呼ばれる時代・・・。

 

歌を媒介にそれぞれの時代を思い、振り返るソング&ポエム集として書店に並んだ本は、多くの人の共感を得た。その結果、現在でも「作家」として何十冊もの作品を世に送り出している。

 

そして2014年に「南風図書館」を大隅半島に立ち上げ、夢を実現した。

 

 

書籍を出版するということは「大切な思い出を、そのときの気持ちを色あせることなく後世に残すこと」である。

 

出版費用を自ら負担してでも後世に残したかったもの・・・それは、あの時代だからこそ得ることのできた人生の「財産」だった。

 

 

郷原茂樹 著

ソング&ポエム1  あの時代がイメージさせた青春の歌

 

 

目を瞑ると広がる鹿児島の風景。出会いも、別れも、喜びも、悲しみも・・・全ては全部そこにあった。「愛」と「青春」に溢れたポエム集。「ソング&ポエム」シリーズ第1弾。

 

幻冬舎ルネッサンス新社 代表取締役社長

企画編集室・室長を経て現職。代表取締役となった現在も、毎月10冊以上の書籍編集に携わる。手がけるジャンルはノウハウ書、旅行記、写真集、絵本など幅広いが、特に得意としているのは小説と自叙伝。著者の出版目的を満たすことを重要視し、書き手と細かく議論を重ねる編集スタイルが特徴。これまで多数の重版実績を持つ。

著者紹介

連載<実録>本の出版を通して「人生の足跡」をのこした人々