商社マンとして世界を駆け巡った男が「1冊の本」に込めた思い

今回は、商社マンが世界中を駆け巡った経験を活かし、本を出版した事例を見ていきます。※本連載では、毎回ひとつの事例をあげ、なぜ人々は本を出すのか、そして、本を出すことでどんなドラマが生まれるのかを探っていきます。

自身の経験を、多くの人に役立ててもらいたい

高やすはるさんは商社マンとして約半世紀世界を飛び回り、プライベートでも毎年海外に足を運び、そこでの気付き、出会いを1冊の本にまとめた。

 

彼は大阪大学卒業後、三井物産へ入社し、初の出張は旧ソ連だった。もともと海外好きであることもあり、以来約50年で272の国と地域すべてに訪れた。

 

それはもちろん趣味の海外旅行という範疇ではない、現在では入国すら難しい北朝鮮、ソマリヤ、シリアなどの国々やチェルノブイリ、パレスチナ・ガザ地区など危険な地域までに及ぶ。

 

 

 

彼は「好奇心の塊」であると言っても過言ではない。興味を持ったら自分の足で訪れ、自分の目で見て確かめなければ納得いかない。そういう人物である。そして現地で出会った人との写真、旅のレポートなどすべてを詳細に記録してきた。雄大な自然、悲しい紛争の現実、摩訶不思議な少数民族の文化など・・・。

 

あるとき、これは世界を駆け巡ってきた自分にしか経験できないことであると思った。思い立ってから彼の行動は早く、1冊の本を書き上げるまで、そう時間は掛からなかった。

 

「いつか自身の生きた証を残したい、それが人の役に立てば本望」

 

単なる自己満足の本に仕上げるのではなく、書籍として読者に面白いと感じてもらえるよう仕上げた。出版後、賛辞の声や講演依頼が殺到し、彼のブログ「世界の人形館からの夢メッセージ」は年間数万のアクセスがあり、その後作家として活躍をしている。

 

 

書籍を出版するということは「経験、知識を後世に残すこと」である。

 

今やお金と健康があれば誰でも海外旅行を楽しめる時代、しかしそんな中でも私財を投じて書籍を出版した理由、それは人生の足跡を残すため。

 

高やすはるさんは人生を通して経験してきたことを多くの人へ伝え、自身の生きた証を1冊の書籍として表現した。そして、その表現活動が彼の第二の人生を切り開くことになったのだ。

 

 

高やすはる 著

『272の国と地域を制覇した77歳のワールド・トラベラーはたった1人で紛争地を旅した!』

 

 

日本人が知らない、世界の危険・紛争地帯の真の姿とは?

 

平和な日本で暮らす我々には想像し難いが、世界には泥沼化した戦闘が続くシリアやパレスチナのガザ地区などに代表される紛争地帯が多く存在する。商社マンとして働き、半世紀の間に272もの国と地域を旅した著者は近年、たった一人でこうした紛争地帯を旅し、その国で暮らす人々と交流、見識を深めてきた。

 

本書では危険・紛争地帯、約65ヵ国での著者の体験談を、各国の歴史などと合わせて読むことができる。旅先で三脚を用い、セルフタイマーで撮影された、著者と銃を持った兵士や戦車などの紛争地帯の写真(カラー)も多数収録。新聞やテレビからはなかなか伝わってこない、危険・紛争地帯の真実の姿を知ることができる良書。

 

 

 

連載<実録>本の出版を通して「人生の足跡」をのこした人々

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