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テレビ代10万円の要求に、ついに家を出る決断
愛さんが我慢の限界を迎えたのは、同居から1年が経った秋のことでした。ある日、義父母がリビングのテレビを買い替えたいと言い出したのです。
「今のテレビは画面が小さくて見づらいから、大きいものにしたいのよ」
そして、購入費用の半額にあたる10万円を、愛さん夫婦に負担するよう求めてきました。
「私たちの寝室にあるテレビだって、もう8年も使っています。それなのに、どうして義父母のテレビを買い替えるために10万円も出さなければならないのでしょうか」
愛さんは、これまでの生活費の問題もあり、要求をきっぱりと断りました。すると、義母の恵子さんは不満をあらわにします。
「同居させてもらっているから、こちらも気を使っているのに。本当に冷たい」
さらに、このやり取りを親戚にも話し、愛さんが義父母に冷たく当たっているかのように伝えたといいます。
このことを耳にした愛さんは、夫に対して改めて話し合いを求めました。これまでの生活費の入金状況や、同居後に増えた食費・日用品費を家計簿にまとめ、義父母の買い物についても記録していました。それらを夫の前に並べ、家計の実態を説明したのです。
「このまま何も変わらないなら、私と子どもたちは実家に帰ります。もうこれ以上、私だけが我慢する生活は続けられません」
しかし、大輔さんはここでも義父母に強く言うことができませんでした。
「親にそんなことを言ったら、関係が悪くなるだろう。もう少しうまくやれないのか」
その言葉を聞き、愛さんは夫に期待することをやめました。
「義父母がお金を出し渋ることにも腹が立ちます。でも、一番許せないのは、何もしてくれない夫です」
現在、愛さんは2人の子どもを連れて実家に身を寄せています。大輔さんからは「そろそろ戻ってきてほしい」と連絡があったそうですが、愛さんはすぐに戻るつもりはないといいます。
国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』(2022年)によると、妻の年齢が40~49歳で親と同居する世帯の割合は14.4%であり、夫の母親との同居率は9.1%、夫の父親との同居率は6.0%。また同研究所『第9回世帯動態調査』(2024年)でも、既婚女性が夫の親と同居する割合は6.5%にとどまります。
親との同居率は全体として低下傾向にありますが、同居に際して生活費や家事負担の取り決めが曖昧な場合、感情的な対立や配偶者への不信感に発展しがちです。同居を始める段階で具体的な費用分担を明文化し、夫婦間・親子間で定期的に見直す姿勢が不可欠といえそうです。