親世代との同居は生活費や家事の助け合いが期待される一方、費用分担の曖昧さが家族間に深い亀裂を生むリスクも潜んでいます。十分な年金がありながら理不尽な要求を重ねる義父母と、非協力的な夫に追い詰められたある主婦の葛藤から、同居生活の破綻を招く落とし穴と、深刻なトラブルを防ぐルール作りを考えます。
いい加減にして!〈世帯年収650万円・42歳主婦〉、同居する〈年金月25万円・義父母〉からの「理不尽すぎる集金」に大激怒のワケ ※写真はイメージです/PIXTA

同居から半年、約束の生活費を減らし始めた義父母

都内のスーパーでパートとして働いている小林愛さん(42歳・仮名)。夫の大輔さん(45歳・仮名)は中堅メーカーに勤務しており、中学生と小学生の子ども2人との4人家族。世帯年収は約650万円だといいます。

 

1年前、大輔さんの両親である博さん(75歳・仮名)と恵子さん(72歳・仮名)が、愛さん一家の住む一軒家で同居を始めました。

 

義父母は、それまで暮らしていた持ち家を売却。売却代金は老後資金として確保し、夫婦合わせて毎月約25万円の公的年金も受け取っています。

 

同居にあたっては、義父母が毎月5万円を生活費として家計に入れる約束をしていました。愛さんも、食費や光熱費の負担が増えることを考えれば、それくらいの負担は当然だと考えていました。

 

ところが、同居から半年ほど経つと、義父母の態度に変化が現れます。

 

「今月は電気代が高かったから、生活費は少し減らしてほしい」

「病院代がかさんだから、今月は勘弁してちょうだい」

 

そんな理由で、約束していた5万円が次第に減らされるようになったのです。

 

一方で、義父母は月に何度か街のデパートに出かけ、高級な食材やブランド物の洋服を購入していました。

 

「生活費が足りないと言うわりに、自分たちの買い物は我慢しないんです。私たちは子どもの塾代や食費をやりくりしているのに、どうしてこちらばかり負担しなければならないのでしょうか」

 

同居後、食費や日用品費は以前より月4万円近く増えていました。義父母からの生活費が減る一方で、家計の負担は確実に重くなっていきました。

 

愛さんは夫の大輔さんにも何度か相談しました。しかし、返ってくるのは決まって同じ言葉でした。

 

「親父たちも年だから、あまり強く言えないよ。少しくらい頑張ってやりくりしてよ」

 

夫は自分の両親に何も言わず、妻に負担を受け入れるよう求めるばかり。愛さんは義父母への不満だけでなく、夫への不信感も募らせていきました。