身内が亡くなったとき、葬儀の規模や費用について判断を迫られる遺族は少なくありません。近親者だけで見送る家族葬は、費用を抑えやすい一方、先祖代々のお墓がある場合には、葬儀の進め方について確認しておきたいこともあります。ある女性の事例から、家族葬の場合に下記認しておきたいポイントを整理します。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
「冗談じゃない!」〈年金月14万円・82歳母〉家族葬を終えた55歳長女、納骨を前に住職から告げられたこと ※写真はイメージです/PIXTA

四十九日を前に後悔…葬儀の前に確認しておきたかったこと

陽子さんにとって、想定外だったのは納骨に向けた調整だけではありません。親族への説明も必要になりました。

 

母親の葬儀を簡素にしたことについて、親族の間で大きな反対はありませんでした。しかし、納骨の日程が決まらないと伝えると、「お寺には話を通していなかったのか」と驚く人もいました。

 

「父の葬儀のときは、親戚が中心になってお寺とやりとりしていました。今回は私が手配したので、何を確認すればいいのか、よくわかっていなかったんです」

 

陽子さんは、寺院との関係を悪化させたいわけではありません。まずは住職と話し合い、納骨に必要な手続きや条件を確認することにしました。葬儀社にも連絡し、依頼した内容を改めて整理しました。

 

葬儀をめぐるトラブルは、費用だけではありません。国民生活センターによると、2025年度に寄せられた葬儀サービスに関する相談は1,007件でした。このうち、「高価格・料金」に関する相談は52.6%を占めています。相談には、葬儀社が行う葬式だけでなく、僧侶の依頼など葬儀に関連する内容も含まれています。

 

葬儀を手配する際は、費用だけでなく、どこまでのサービスが含まれるのかを確認することが大切です。先祖代々のお墓が寺院にある場合は、葬儀社を決める前に菩提寺へ連絡し、葬儀の進め方を相談しておくとよいでしょう。

 

住職が葬儀に出向けない場合でも、別の僧侶に依頼してよいか、戒名や納骨についてどのような手続きが必要かを確認できます。

 

費用面に不安がある場合は、その事情も率直に伝え、対応方法を相談する余地があります。すでに納骨をめぐる問題が起きている場合も、すぐに高額な費用を支払うと決めつけず、墓地の使用条件や請求の根拠を確認することが重要です。

 

「お墓がある以上、お寺との関係も考えておくべきでした」

 

葬儀を家族だけで行うこと自体に問題があるわけではありません。ただし、先祖代々のお墓が寺院にある場合は、葬儀の規模や費用を決める前に、菩提寺との連絡や必要な手続きを確認しておきたいところです。