内閣府「令和8年版男女共同参画白書」によると、配偶者から暴力を受けた経験のある女性のうち、36.3%は誰にも相談していません。ここでいう暴力には、身体的な暴行だけでなく、心理的な攻撃や経済的な圧迫なども含まれます。大学時代の友人の結婚式に出席した33歳の女性は、久しぶりに再会した別の友人とその夫の様子に、ある違和感を覚えました。それから2年後、友人の離婚を知った女性は、あの日の出来事を思い返すことになります。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
「夫が迎えに来ているから…」10年ぶりに再会した〈エリート夫と結婚した友人〉に33歳女性が感じた違和感。2年後に知った「まさかの離婚理由」で点と点がつながったワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

大学時代の友人の結婚式に出席

東京都内で働く会社員のミズキさん(35歳・仮名)は、2年前、大学時代の友人の結婚式に出席しました。ミズキさんが通っていたのは東京都内の国立大学。学生時代は同じ学部の友人たちとグループで仲よくしていましたが、卒業後はそれぞれの生活が忙しくなり、会う機会も減っていました。

 

この日、約10年ぶりに再会した友人のなかに、夫の転勤で北陸地方に暮らすアヤカさん(当時33歳・仮名)がいました。アヤカさんは大学時代から交際していた男性と結婚。夫は社会的にも評価の高い仕事に就いており、2人の子どもにも恵まれていました。

 

「学生時代からずっと付き合っていた2人なので、結婚したと聞いたときはよかったなと思いました」

 

結婚式当日、アヤカさんは夫が運転するワンボックスカーで東京まで来ていました。車には子ども2人も乗っていたそうです。

 

ミズキさんは当初、夫が長距離を運転して送ってくれたことに好印象を持ち、家族で東京に遊びに来たのだろうと思っていました。ところが、結婚式が終わったあと、少し気になる出来事がありました。

「夫がもう迎えに来ているから」

披露宴が終わると、久しぶりに再会した友人たちの間で「せっかくだから、このあとお茶でもしていこう」という話になりました。しかし、アヤカさんは誘いを断りました。

 

「夫がもう迎えに来ているから。またね」

 

そう言って帰ってしまったのです。

 

「小さい子どもが2人いるので仕方ないとは思いました。でも、せっかく久しぶりに会ったのに、もう少しゆっくりしてもいいんじゃないかなと」

 

同じ結婚式には、群馬県から来ていたエリさん(当時33歳・仮名)も出席していました。エリさんにも2人の子どもがいましたが、この日は夫に預け、「せっかくだからゆっくりしてきなよ」と送り出されたそうです。独身のミズキさんは「同じ家族持ちでも随分違うな」と思いました。

 

友人たちが気になったのは、それだけではありませんでした。アヤカさんの夫は迎えに来た際、友人たちに挨拶をすることもなく、アヤカさんを連れて行ったといいます。

 

「そういえば、学生時代に旦那さんと会ったときも、目を合わせてくれなかったよね。挨拶もほとんどなかったし」

 

残った友人たちの間では、そんな話も出ました。

 

「さっきもアヤカをさらっていくような感じだったよね」「一人で1日くらい子どもの面倒を見られないのかな。アヤカ、大丈夫かな」

 

もちろん、迎えに来たこと自体がおかしいわけではありません。長距離運転の疲れや、子どもたちの都合もあったのでしょう。それでも、友人たちはどこか釈然としない気持ちを抱えていました。