定年後は、自分の時間を楽しみたいと考える人もいるでしょう。一方、子どもの育児を支えるため、孫の世話を日常的に担う高齢者もいます。孫の成長を間近で見られることは喜びになる反面、長時間の世話が続けば、自分の生活に影響することもあります。孫育ては生きがいになるのか、それとも負担になるのか。家族を支える高齢者が直面する課題を考えます。
「毎日9時から18時まで孫の世話です」年金月18万円・67歳男性、定年後に始まった想定外の生活 ※写真はイメージです/PIXTA

孫育てを生きがいにするための線引き

祖父母による育児支援は、子育て世帯にとって心強い存在です。保育園に預けられないときや、仕事を休むことが難しいとき、身近に頼れる家族がいることは大きな助けになります。

 

一方、祖父母にも自分の生活があります。通院や健康管理、趣味、友人との交流など、退職後に大切にしたい時間は人それぞれです。孫の世話が長時間、日常的に続けば、体力面の負担だけでなく、自分の予定を立てにくくなることも考えられます。

 

「自分たちの予定を入れられないのは確かに大変です。でも、娘の役に立てるのもうれしいし、孫と過ごせる時間は今しかありませんから。無理のない範囲で、できるだけ続けたいと思っています」

 

国立社会保障・人口問題研究所『第16回出生動向基本調査』によると、第1子が3歳になるまでに夫または妻の母親(祖母)から子育ての手助けを受けた夫婦は57.8%にのぼり、夫や妻の父親(祖父)からも約3割が手助けを受けているなど、祖父母は今なお家庭における子育ての重要な支えとなっています。

 

一方で、同調査では第1子3歳未満における保育所等の利用割合が51.9%と半数を上回り、何らかの子育て支援制度や施設を利用した夫婦は90.3%に達しています。

 

もちろん、修さんのように、孫と過ごすことに喜びを感じ、自ら進んで世話をしている人もいます。ただし、本人が協力したいと思っていることと、毎日の世話を無理なく続けられることは別です。家族の間で預かる頻度や時間などを決めておき、柔軟に対応できる体制を整えていくことが大切です。