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親の貯金は、本人が話した金額のままとは限らない
親が子どもに資産の状況を詳しく話さない理由はさまざまです。自分のお金の使い道を説明する必要はないと考える人もいれば、家族に心配をかけたくない人もいます。今回の博さんのように、親族への援助を家族に知らせず続けるケースも考えられます。
ただし、親が話していた貯金額だけで、現在の資産状況を判断することはできません。退職後の生活費に加え、家の修繕費、医療費、親族への援助など、支出が重なれば預貯金は減っていきます。定期的に残高を確認していなければ、本人以外は変化に気づきにくいものです。
誠さんは、父の資産について生前に話し合う機会を持てなかったことを振り返ります。
「お金の使い道を細かく聞きたかったわけではありません。ただ、父がどんな生活をしていて、どのくらい貯金が残っているのか、もう少し話せていればと思います」
金融経済教育推進機構『家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](2025年)』によると、70代・単身世帯(金融資産非保有含む)の金融資産保有額は平均1,489万円、中央値は500万円です。また、金融資産をまったく保有していない世帯も20.4%存在します。同調査では、お金に関する相談について「今後も相談するつもりはない」と回答した70代単身世帯が82.7%と8割を超えています。
親が元気なうちは自身の資産状況を周りに話しにくい心理がうかがえますが、身内への援助や突然の支出で状況が変わることもあります。元気なうちから親子で資産や生活設計について話し合っておくことが大切です。